人間は前へ進む生き物なのだと、教えてくれた街 "下北沢"
今日は、午前に区役所へ転出届を出してきました。
あともう少しで、東京とは暫しのお別れ。
短いような、長いような、しかし大変濃い時間を過ごさせていただき、とても感慨深い気持ちになりました。
帰りに下北沢の街を歩いていると、色々なことが思い出されてきて。
思えばここは、私にとって ”終わりと始まりの街” でした。
家が近所ということもあり、ご飯のためによく訪れた下北沢。
初めての転職先が私にとって結構過酷で、想像以上に早く辞めることになってしまった時、
「これから先、どう生きていこう。」と、不安を吐露したのは、下北沢のとあるカフェでした。
初めて東京で失恋を経験し、泣きながら朝まで飲み明かしたのも、下北沢のとある居酒屋。
思えば29歳最後の夜と、30歳最初の夜も、私は下北沢の地を歩いていました。(うっかり移動中に日をまたいでしまい、道端で誕生日を祝ってもらった楽しい思い出。笑)
終わりと始まりの地、下北沢。
東京の中でも、ここは特別個人的に思い入れの強い街。
賑やかで、独特の雰囲気が漂う、魅力あふれるサブカルチャーの聖地。
今日、本当は世田谷区役所へ行く予定でしたが、混んでいたので急遽、下北沢の支所にて手続きを行いました。
なんだかこの予定変更も必然のように思えてきて、不思議なご縁を感じます。
思い出に浸りながら、帰路の途中、
駅のホームでもう一つ苦い思い出と遭遇。
あれは、上京して初めてのクリスマスイブ。
仕事が辛くて、泣きながら終電に揺られ家に帰る途中、乗り換えのために電車を待つホームが、寒くて、寒くて。
東京の冬って、なんて寒いんだろう。北海道の雪は、なんて温かかったのだろう。
そんな時に、目に入ったのが自販機に売られていたこの「ジャワティー」
特別好きだったわけではないのですが、何となく、すがるような気持ちで手にしたジャワティーは、じんわり染みるように温かかったことを、今日久しぶりに思い出しました。
あんなに辛いと思っていたのに。人生でこんなに最悪なクリスマスは一生忘れないと思っていたのに。
今ではすっかり記憶の彼方へ。
ただただ懐かしさと、あの温もりへの有り難さだけが、古傷から染み出てくるのを感じます。
色々なことが思い出されるけれど、
ああ、やっぱりちょっと寂しくて、名残惜しいです。
こんなに東京を好きになるなんて、あの頃の私には考えられなかっただろうな。
人間は意識しなくても、勝手に前へ進んで行くものなのだと、気づかされた一日でした。
では、今日はこの辺で。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
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