シェア
カラオケBOX 景川神威 ドリンクバーへジンジャエールを汲む階にリンダリンダと怒鳴りたい…
三月 景川神威 羽化をするように翌日よわすぎるシャワーの水で清めていたら 三月の体躯お…
ワンクールで恋は進んだ 景川神威 ダムに雨降る日を重ねワンクールの締めにあらたな恋がに…
休日は家で中華をつくろうと…… 景川神威 薄皮をめくるわずかな痛みにて疼く水晶をたまに…
市町村 景川神威 市町村の形をなににたとえてもおぼえてあげるわたしたちだけは 象牙色の…
白線の際 景川神威 眼鏡には一部始終が映されてそれが花火であった保障は? 胸と心のすき…
揺れている 景川神威 本当は心底憎い ぼくのように鈍くさいのに話しかけてきて その脚をみせないままに揺れている引用だけは読んだ文章 爪を塗るときの時間を水鳥の滞在に喩え老いとか思え
電話なんて 景川神威 電話なんて急にするから 手は塩を宙から零しひとときの鳥 窓際の鏡…
梟の十年 景川神威 私にも内面があると思う昼 なくてもいいと思う寝る前 砂利を踏むたび…
おぼえてないな 景川神威 「飲酒していいよ」と誰かが言ったけどおぼえてないな親の誕生日…
銀貨三枚 景川神威 フードコートの窓に日よけがおろされるようにおわりが来るよ記述に 権…
菫のように 景川神威 紫の深くかかった夜浅く 甘党たちの食卓につく 雷鳴の遠さであるが…
黙読(と声) 景川神威 地下鉄より這い上がる顔してながら人を殺めた後の朝餉を 私ではな…
手 景川神威 迷宮にさらに迷宮 神経をたどろうとしてそれてゆく指 苛んで、または苛まれるおこないの革のにおいに疲れてしまう 手の犯す誤謬すべてがうつくしくシャツの釦をなおしてあげる