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『子ども白書2022』ができました(1/5)(もくじあり)特集「オンラインで変わる子ども世界 コロナ禍からの問いかけ」

 1964年の創刊以来、今年で58冊目を迎えた『子ども白書』(日本子どもを守る会編)。児童憲章の精神に基づき、子どもたちが安心して暮らし、豊かに育ち合っていける社会の実現をめざして刊行を続けています。今年は、日本子どもを守る会発足70年の記念の年です。

 特集では、「オンラインで変わる子ども世界」というタイトルのもと、オンラインと子どもをめぐる多様な論点を深めています。これまでもネットやICTというテーマは特集候補になり続けてきました。本誌の「子どもとメディア」領域でも、犯罪被害や身体的精神的影響など、様々なリスクを中心に取り上げてきました。さらに、コロナ禍は、ICT化の流れをより一層加速させ、子どもたちの家庭や学校での生活も大きく変えました。それらをふまえ、「情報がAIで個別最適化されると子どもの体験の質はどう変わるか」「コロナを機に急速に進む教育政策のICT化とそれに追いついていない学校現場の問題」「顔の見えない匿名空間だから気を使わず本音が出せるという魅力」などなど、光と影、ミクロとマクロ、さまざまな角度から取り上げることのできるこのテーマを、コロナ禍での問題もからめながら特集化することにしました。

 特別インタビューには、作家の山崎ナオコーラさん養老孟司さんが登場します。山崎さんにはAround20世代の方たちと一緒に、コロナ禍で変化するコミュニケーションと責任について語っていただきました。養老さんからは、オンライン時代を生きる子どもたちへ「自分の安定店を見つけることができる人になってほしい」とのメッセージが伝えられています。

 「子ども最前線」では、教員労働のブラック化問題、ドーピング問題に端を発する子どもアスリート問題、子ども家庭庁設置への評価、ロシアのウクライナ侵攻とも絡めて子どもと自衛隊について、などの直近の子どもに関連する重要問題を鋭く分析していただきました。「子どもをめぐるこの1年」(健康・医療/家庭/福祉/保育・学童保育/司法/学校/地域社会・まち/文化/ジェンダー・セクシュアリティでは、各専門領域でご活躍の現場関係者、研究者を中心に総勢50名を超える方々に幅広い視点で論考をいただいています。

 また、子ども白書編集委員会には、学生・院生を中心とした若者メンバーで構成される「若者チーム」があります。今年の若者チーム企画は、「興味のたねまき」と題する若者の生きづらさによりそう作品・活動紹介、さらに座談会「子どもって心配? 心配というまなざしにさらされてきた若者の語り」です。

 毎年好評のカラー綴じ込みの子ども生活関連年表は今年も作成しました。今年は、「若者チーム」に協力してもらい、若者カルチャーの項目も充実させました。年表の裏面では、国立成育医療研究センターコロナ×子ども本部が実施したアンケート「学校のこと オンライン授業のこと どう思う?」の回答をカラーで読むことができます。「とびら」ページには、子どもの詩を掲載。すがわらけいこさんのすてきなイラストとともに、お楽しみください。次回から、『子ども白書2022』の内容を一部公開していきます。

もくじ1
もくじ2
もくじ3
もくじ4
もくじ5

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