#15 『あすぺるがあ』

実話を基にした私の転生能力の話。

【episode ①】-少年期-
『没頭すると孤独無響世界に転生』

「ピンポーン」

インターホンがなった。
母親に留守番を頼まれていた。

「ガチャガチャ」「ドンドン」

鍵を持って出なかったのか。

玄関を開けると、母親。

だけじゃない。

隣のおばさんも、警察も、、いる。
なぜか母親は血相をかいている。

「大丈夫、無事？」
「何回も呼んだのに出てこないから」
「何かあったのかと思ったわよ」
「寝ていたの？」

いや、ただ私は大好きなテレビを見ていた。
インターホンが１回聞こえてすぐ玄関に向かったはずだ。
寝ているわけもない。

10分、呼びかけても出ないから
隣のおばさんを呼んだらしい。
20分、呼びかけても出ないから
警察を呼んだらしい。

いや、ただ私は大好きなテレビを見ていた。
その番組が終わって、ふとインターホンが聞こえて
すぐ玄関に向かったはずだ。寝ているわけもない。

30分間、私はどこにいた。

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【episode ②】-高校生-
『没頭すると孤独無響世界に転生』

私は一般的な物差しで見ると頭が良かった。
しかし授業や勉強にやる気がなく毎回
選ばれし精鋭、”成績不良者”として
強制的三者面談をさせられた。

　

生物の授業が終わった。

「キーンコーンカーンコーン」

「起立！気をつけ！礼！」

（あ、、寝てた、、立てない、、）

「かみやまー！しっかーく！」

斬新な怒号が聞こえた。
クラス中が笑いを堪えてた。
私は失格したらしい。

私のやる気スイッチはどこだ。

高校三年生になり周りが受験勉強を始めた。

私も始めてみたが、何もわからなかった。
わからないということを知った。

あ、没頭の予兆。
これこそが私のやる気スイッチか。

転生。

大学なんて行きたくもなかったが
勉強というものを初めて好きになった。

私は一般的な物差しで見ると頭が良かった。
夏までに失われた２年を取り戻した。
冬には受験レベルを超えていた。
没頭しすぎて最後の青春、体育祭をサボってまで
私は勉強をしていた。
次の日のクラスの地獄みたいな空気だけ覚えている。
悪気はなかった。

大体の大学に受かったが興味もお金もなかったため
平均偏差値大学の主席入学(2年間授業料免除)を選んだ。

案の定、２年で中退した。

３年間、私はどこにいた。

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【episode ③】-19歳-
『没頭すると孤独無響世界に転生』

当時付き合っていた恋人は
３、４つ上で、束縛が厳しかった。

心配させないように努力をしていた。
しているつもりだったが。

ある日、20時、待ち合わせ。

駅に向かう途中、猫、発見。

私はなぜか好かれる。
人懐っこくない猫でも野良猫でも。

撫でる。

はい、転生。

10分前に着くはずだったのに30分遅刻。

連絡すらなかったから怒っている。
私は冷や汗をかいている。

やましい事はないが、理由が理由だ。

「なんで遅れたの？浮気？」

「猫と、、」

「正直に言って」

(正直に言いたいのはやまやま、、)

「猫と、、」

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【episode ④】-最近-
『没頭すると孤独無響世界に転生』

そんな私がこの人生で
没頭できるものを見つけた。

それは、詩。
それは、愛。

もう恋人は６、７年いない。
しかし愛する人がいた。
一番近くて一番遠かった。

人生をかけて没頭していた。

今までの愛の詩のほとんどが
その人のためのものだった。

一生分の夜、一生分の恋。

詰め込んだラヴソングが
そろそろ出せそうです。

(いや、告知かーい。)

当初の予定よりお待たせしてるけど
Synsavan公式発表をお楽しみに。

これからも私は詩と愛に没頭し
孤独無響世界でしれっと眠ってるんかな。

26年間、私はどこにいた。

　

　

[Today's 神山大志の気分の一曲]

Gateballers『スーフィー』

　

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