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紹介したいnote記事「服が布になる」
るおんさんの「服が布になる」と言う記事を紹介します。
最近、服が布になってきている。
ズボンの裾がボロボロになって、服というよりも糸屑と布になりつつある。
裾だけならいい。
最近はもう裾どころではないのだ。
安物だからか、よく擦れる足の内側の部分や腰の部分、果てには股のあたりまで擦れて布になりかけている。
縦の糸と横の糸が明確にわかる。まさか織りなした布が再び糸に戻るとは、中島みゆきもびっくりすることだろう。
「最近、服が布になってきている」
服が布になる? どういう状態なのでしょう。ここで写真を添えていただけると有難いのですが。
「縦の糸と横の糸が明確にわかる。まさか織りなした布が再び糸に戻るとは、中島みゆきもびっくりすることだろう」
中島みゆきさんの「糸」を、自然な形で文章に組み込んでいるところに「さすが」と思いました。
こちらが中島みゆきさんの「糸」です。いつ聞いても胸に沁みます。
だから、服を買いに行かないといけない。
そう、服を買いに行かないといけない。
でも、とにかくめんどくさい。
そもそも外出が嫌いな上に、服屋に入ることも嫌い。迷うことも嫌いで、選ぶことも嫌いで、お金を減らすことも嫌い。
服屋で買い物をすることは、私にとって嫌いフェスタなのだ。
この感情の吐露は、中島みゆきさんの歌詞のようです。
「そもそも外出が嫌いな上に、服屋に入ることも嫌い。迷うことも嫌いで、選ぶことも嫌いで、お金を減らすことも嫌い」
この短い文章の中で、「服を買わないといけないのに行きたくない理由」が綺麗に並べられています。思わず「うんうん」と頷きたくなります。
こうなることを見越して、去年同じズボンを2着買っていたのだけど、2着では足りなかった。1年で2着とも布にしてしまった。次は5着買おうと思う。
2着で1年なら5着で2年は耐えるはず。
去年は「同じズボンを2着」で、今年は「同じズボンを5着」買うと。余程そのズボンがお気に入りのようで、ズボンの製作者が聞いたら泣いて喜ぶ事でしょう。
そういうわけで、今日服を買いに行く。
きっと買えることを信じている。
大きい商業施設に行くから、うっかり本だけを山盛り買って帰ってこないことを願うばかりである。
「うっかり本だけを山盛り買って帰ってこないことを願うばかりである」
最後のまとめ方が秀逸です。「さすが」と思いました。
ちなみに、るおんさんは芥川龍之介先生の大ファン。どれだけ大好きかは次の記事に書いてあります。
私も芥川先生は大好きですが、るおんさんの心酔度には敵わないと思いました。
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