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夫との戦い【8】

モラハラ夫にキレる!

何年もの間、ありがたくもない事にお礼の言葉をいい、嬉しくない事を喜んでみせねば不機嫌なヒトと暮らすと、人間、やさぐれて来る。
本当にありがたい事や嬉しい事にまで感情が入らなくなる。

挙げ句の果てに夫に
「何をしても喜んでくれないね」
などと言われようものなら、
「悪いけど、今まで感謝を強要されて来たから、本当にありがとうと思えるまでいいたくない…」
とサラッと言えてしまう。

困ったもんだわ…
と思えればいいが
やさぐれているものだから
(まったく…毎度、毎度、恩着せがましいアンタの感情なんか知るかっ!)
と思ってしまう。

こっちは一旦凍り付いた気持ちを常温に戻しながら「フツー」をやるのに精一杯なんだよ!と。

世間では
「ありがとうと言えばご主人は変わります!」
「本当はご主人もお手伝いしたいんですよ、感謝して誉めて仲良くしてみましょう」
なんて記事もみるけど
冗談じゃねーよ…と思った。
そんな余裕あったらウツ状態にもなっちゃいないし
悩みもしねーよと。
だいたい、なんで子育て中でいっぱいいっぱいの妻にそこまで要求する?
男連中に協力する努力を解く記事を広めたらどうだ?!

育休とらないと育児も協力出来ないくらい働いてるってか?
バカか!じゃあ仕事して育児して家事してる妻達には頭上がらないはずだよね?
そこ分かってんのか?
母性神話に頼り過ぎじゃない?
育児は24時間営業で、土日も家事やりますけど?
じゃあ土日祝日は主婦やめていいんだよね?
みんなお休みしていいんでしょ?
休日だもんね!

イクメンなんて呼んでちやほやされんのはおかしいだろ、男が育児しないのを前提に作られた言葉なんじゃん?
土日祝日も妻やら母は継続で、夫達は『家族サービス』やら『イクメン』やら言われて持ち上げられてるからウチの夫みたいに、
「家事する夫で良かったでしょ?育児に協力して貰えて嬉しいでしょ」
と無駄に恩着せがましくなるのでは?

昭和だよなぁ…いつまでたっても。

母性愛は無限に溢れ出るだと?
自分に時間も愛情も掛けられないドタバタの日々に、誰の手も借りずに溢れ出る愛なんかねーよ!

…とまぁ、ちょっとした時間でここまでつらつらーっとアタマの中で毒吐けるくらいにもう、やさぐれるやさぐれる。

日々見るもの聞くものすべてにやさぐれた言葉しか出て来ないくらい悲惨だった。

もう遅かったのかもしれない…と思った。

最初に感じた違和感や怒りをちゃんと伝えていれば、ここまで夫という人間の人格を決めつけなかっただろうなと私は思っている。

ただ、モラハラ夫にありがちな高圧的な態度、表情を見た途端につい黙ってしまった、ご機嫌を取ろうとしてしまったのはやはり怖かったのだろうとも思う。

それが一気にぶちまけた事で、なぁんだ、早く言ってやれば良かった、こんな事まで気づかないヤツだったなんて我慢した期間が無駄だった、傷ついた自分も無駄だった!と心底落胆した。
ぶちまけてみたら急にしおらしくなって、理解したふりをした夫。その後に続く無駄にポジティブな言葉に、胡散臭さしか感じなかった。

とにかく夫に本心をぶちまけてからというもの、一切微笑みを忘れたかの様なワタシだった。
常に渋い顔をして
「だからそれはさー」
と説明し、
「結局同じじゃん」
と指摘し、
「だからもう無理だって言ったじゃない!」
と言い放ち、それはもう、スポ根ドラマかっ?!っていうくらいのダメ出し攻撃。

夫にしたら本当に立場無いし、やりがいもないし、誉められもしない上に
避けられてるワケだから踏んだり蹴ったりだよ…気の毒に。
自分だったら逆切れしたくなるよね…と、ある日ふと思った。
たぶん、気が済んだのだろうと思う。
ここまで言われて改善しようとするってのはたいしたもんだ!
と驚きを持って見直せたのだろうと思う。
この人は変わる気があって、やさぐれた私を理解しようとしている様だぞと。

(絶対この人はこういうヒトだ!無理だ!変われるわけがない!時間を与えるだけ無駄だ!)
と断定していたけれど、
(おや…もしかして、もっと早く改善出来た事なのかも?)
と、ふと自分の思い込みを改めたくなった。

ちょいちょい、イラッとする事も言うし、その言葉のチョイスが怒りを買うんだよっ!と思う事もまだまだ多々多々あるのだけど、その都度言っておけば自分自身の気持ちも暗く長引く事はない。
今まで言わずに心に留めた時は喉に言葉がたくさん引っかかってる感じで飲み込みにくく、呼吸も浅く、すぐに動悸がした。
でも、パッと言ってしまうと、一瞬まずい事を言った、言いたくないことを言ったとしても以前ほど重くはなかった。
人に話すのは大事かも…とHSP気質がちょっと緩んだ気がした。

こちらとしては、男のプライドも分かるけど、上から偉そうに言い出したり、理屈並べて自分の正当性ばかり主張するから誉める気も感謝する気も失せる訳で、妻に負けたふりしてのほほんとしていられる男こそカッコいい!と、私は思う。
…おっつ、これは好みの問題ですね…失礼。

夫のあのイラッとした瞬間の表情、醸し出す空気を感じた時のぞっとする様な感覚はまだある。
殴られた訳でも物を投げられた事もないのだが、何とも言えない緊張とも恐怖とも思えるピリついた空気。

たぶん、全てにおいてこの『緊張・恐怖』が始まりなんだと思う。
これが子供同士でも女性同士でも親子であっても。
イジメもなにもかも、始まりは違和感だと思う。

最初は「えっ、なに?!」という違和感。
「普通ではない、なんだかイヤな感じ、イヤなことされたな…」
と感じる。
その瞬間に「なにそれ!」と言える人も居る。
おかしい事に対して瞬発力で反応出来る人。
そういう人が居るとその場に居る全ての人がその事態に加わり
それが良く無い事だと気づくきっかけにもなる。
イジメの始まりなどは特に。
おとなしい子や、ヘタに大人になると空気を読んでしまい黙る事で相手を助長させてしまう。
大人のイジメやモラハラはそうだと思う。

黙っているうちに何となく上下関係が出来上がってしまい
「これは完全に自分は見くびられている、バカにされている!」
と、気づいた時にはもう既に関係性が出来上がっていて、自分自身の芯、核の部分が崩れ始めていると実感する。

どうしよう…と思いつつも緊張と恐怖を感じない努力をする。
慣れようとする。
そうじゃない!
慣れてはいけないのだ。
尊厳が奪われ始めているのだから
怒っていい!

まだ相手が、自分が完全に優位に立っている自覚のないうちに畳み込め!
と私は思う。

「ちょっと黙ってたんだけど、これっておかしくない?」
と問いかける勇気を。

さもなければ「逃げろ!」と思う。
言えないなら逃げるしかない。
『勇気ある撤退』ってそういう事。
私が、「我慢は美徳じゃない」と言い続けるのはそういう事なの。

徹底的に避ける逃げる、別の場所に所属する。
余力のあるうちに!

完全に自分はダメだと落ちてからでは立ち上がるまでに時間がかかるから、
ぜひとも余力のあるうちに!とワタシは勧めます。

娘達にも言って来た。
「頭をさげたり、モノをあげないと友達になれない子は最初から友達じゃない。自分がおかしいと感じたら謝らなくていい。話して自分が本当に悪かった時に謝れば分かってくれるのが友達」
と。
そして、
「尊厳が守れない場所に長居してはダメだよ。自分が自分でなくなるくらいつぶされそうになったら引っ越しでも転校でもすればいい。また笑顔でよろしくねと言える余力があるくらいの時に言ってね」
と。

子供には言えてたんだけど…。
まさか自分が夫に潰されかけるとは驚きだ…。
若干やり過ぎなくらいお返し致しましたけれども…いや、期間は短かったし、お返しではなく何度も何度も地雷を踏んでる、もしくは地雷を選んで踏みに来る鈍感な夫だったので。

それでも恐怖は残ってる。
そして、あぁなんであの時に…とも思ったりする、未だに。
モラハラ被害者ってこうなのかも…。

もう言われ過ぎると、はいはい私が悪いんですね…と思って抵抗しなくなる。
でも、ひとたびそれが自分の子に及んだら、これはダメだ、腐ってるわ!と怒る事が出来た。私の場合は。

母としての感覚まで奪われずに済んで良かった…。
その感覚が自分の尊厳も取り戻してくれた。

私は別に夫婦は対等です!平等です!と主張したい訳ではなくて、度を超えた攻撃が日常的に行われる事に耐性が出来てはいけないと思う。
『違和感があったら、それは自分にとっておかしな事が起きたという事。
反論があったら反論すべき、伝えてみて無理なら逃げてよし!』

それが1番伝えたい事。

<続く>

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