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やりたい仕事を引き寄せる方法

こんなシーンを想像してみてください。どんな気持ちになりますか?

仕事で念願のチームに配属された初日。「これ、20部コピー取っておいて。」という仕事しか頼まれたかった。初日はこんなものかと思ったけれど、2日目もコピーの仕事だった。これが1週間続いた。気が付くと1か月が経ち、3か月経っても、コピーを取る仕事以外に任されることはなかった。

出所:夫Kが新卒研修で紹介するエピソード

多くの人が初日で、辛抱強い人でも1週間もすれば「私はこんなことをするためにここに来たんじゃない」という思うのではないでしょうか。あんなにも希望にあふれていたのに、やりたい仕事があったはずなのに、いつの間にかやる気を失い、コピー機に向かってぼーっと立つ日も増えてくることでしょう。でも、こんな姿勢ではいつまで経ってもコピー機から離れることはできません。

「もったいない」と思わせてからがスタート地点

本当にやりたい仕事、挑戦できるチャンスを手に入れるための秘訣は、全くやる気のしない仕事との向き合い方にあると私(夫K)は考えています。具体的には相手が期待する”半分の時間”で、期待する”クオリティの120%”を仕上げること。どんな無能な上司でも、どんなに人の見る目のない同僚でも、「この人をこんなことに使っていてはもったいない」と気がつけるように、半分の時間で120%のクオリティを出してみせるのです。この姿勢こそが「この人に何か別のことをさせてみたい」という周辺の"評判"につながっていくのです。

かく言う私(夫K)は、「やりたくない仕事に本気で取り組む」ことで、キャリアを切り開いてきました。新卒で採用された外資系メーカーでは、副社長が大学で講義をするので資料を作れと言われました。毎日の仕事も忙しく「え、私が講義するわけでもない資料を?」と全くモチベーションがわきません。その怒りをぶつけるように、120%のパワーで作ってみたのです。すると「お前も一緒に行くか?」となり、2回目には「少し話してみるか?」に変化し、3回目には「内容も含めて任せたから」となり、次の人事異動で「もっといろんな仕事を経験させてみたい」と副社長から部署異動の通達を受けました。(2,000人規模の会社で入社2,3年目の人事異動を副社長から拝命することは極めて異例です)

Speed is Value.の本当の意味

月曜日の会議で決まった資料作成。上司に「金曜日までに仕上げます」と約束をしたなら、納期通り金曜日に提出…してはいけません。納期までの5日間の60%、つまり水曜日までに仕上げて提出します。

「1時間後までにまとめます」としたなら、36分後。
「2時間で仕上げます」としたのなら、1時間12分後。

納期の60%で提出する理由は、相手の期待を越える仕事ができるからです。仕事を依頼した人は、時間の経過に比例して期待を高めていきます。「1時間もかけたんだから、相当仕上がったんだろう」と。でも実際には1時間かけた分だけ、クオリティも比例して高まるかというと、そうではありません。最初の1分間で進む度合いと、最後の仕上げの1分で進む度合い、時間の経過とともに仕上がる仕事の量は逓減していくのです。(下図参照)資料を仕上げながら電話に出たり、メールの返信をしたり、60分すべてを使えないこともあります。

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仕事は相手の期待を越えて、初めて価値があります。相手の希望する納期が1時間後ならば、およそ40分後に提出できるよう一気に取り組んでみせるのです。全く同じクオリティのものを試しに60分後・2時間後・1日後・1週間後に提出してみてください。相手の反応、評価、印象が時間の経過とともに悪くなっていくことに気がつけるはずです。「Speed is Value.」の意味はココにあります。

私(夫K)は顧客との納期の約束や、社内のメンバーとの約束で、必ずこれを実践しています。「明日の正午までに」と返答の約束をしたら「明日の朝いちばん」で回答します。納期を守るだけでは期待を越えられないので、前倒していくのです。

「この役立たず!」と怒鳴られて身に着けたスキル

実は以前、私(夫K)は納期を前倒すどころか、守ることすらできませんでした。前職は1990年代後半から「残業ゼロで増収増益」を続けていて、超スピード経営としてたびたびメディアに紹介されるような職場。憧れの先輩たちは、当時の私には信じられない速度で仕事をしていました。

「この役立たず!」

あるとき会議で資料を投げつけられたことがあります。出社すると私の席に「いまお願いしている仕事の一覧です。今日のうちに片付けられないものがあれば、代わりますので教えてください」とA4サイズの上司からの手紙が置いてあったこともあります。(私の成長にいつまでも付き添ってくださった上司には、もう感謝しかありません。)

そんな「とんでもなく仕事のできないヤツ」だったので、このままじゃマズい、マズすぎると工夫を重ねた結果、社会人2年目頃から私(夫K)の仕事術が新聞や雑誌、テレビで紹介されるようになりました。

取材のテーマの多くは「納期を守るための仕事術」でしたが、本当は「納期を前倒し、相手の期待を上回る仕事術」が重要であり、その仕事術を手にれた結果、やりたいと思っていた仕事(部署の異動やプロジェクトへのアサイン)へとつながったのです。

本当にやりたい仕事に就きたい、プロジェクトにアサインされたいと思うならば、きっとその主張を周囲に表明していることでしょう。でもそれだけアサインされるのは難しい。肝心の目の前の仕事への向き合い方が実は問われているのです。

誰もが、自分のやりたいと思っている仕事ができますように。


妻A:「相手の期待を越えること。そのためには、相手の期待値がどこにあるのか、相手をよく理解して知っておく必要があるね」

夫K:「そうだね。ものすごく、信じられないくらいのスピードで取りかかれば、どんなクオリティでも相手の期待を越えられるよ。」


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