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【ON/OFFの切り替えは本当に必要?】理想の生き方について考える

あなたにとって「理想のライフスタイル」とは?

こんな質問にパッと答えられるほど、人生単純じゃない。でも、仕事とプライベートのバランス、それは社会人である私たちにとってやはり重要なテーマである。

どんな生き方もあっていいし、その時々で求めるものも変わってくる。大切なのは、今の自分の生き方に納得ができているか、ということ。

心のどこかで「このままでいいのかな…」と思っているのなら、少し立ち止まってその声に耳を傾けてあげる時間が必要ではないか。

38歳、既婚で子なしの私が、そんな心の声に向き合い続けた結果、辿り着いた理想のライフスタイル。それは、「そもそも、仕事とプライベートを完全に分けない生き方がしたい」、というものだった。

長年、生き方迷子だった私がなぜこのような結論に至ったか。もし、ご興味があればしばしの間お付き合い願いたい。


1.ON/OFFの切り替えを死守していた病院勤務時代

photo by recovery-group.co.jp

私の本職は放射線技師。病院でレントゲンやCTなどを撮る人だ。新卒から12年間働いた職場は、救急外来もある総合病院。毎日忙しく、年齢を重ねるにつれ残業が増えていく日々。夜勤や土日出勤もあるため、好きな海外旅行も思うようには行けない生活だった。

そんな中、私が大切にしていたのはON/OFFの切り替え。勉強会や学会に参加する以外の休日は、一切仕事のことを考えないようにしていた。

医療系のドラマは仕事を思い出すから見ないし、結婚相手も絶対に医療従事者ではない人がいいと決めていた。趣味のボルダリングに没頭し、年1回の長期休みで海外に行く、そんな生活。

でも、いくらボルダリングで発散しても、旅行でしばしの現実逃避をしても、いつもどこか虚しさを感じていた。結局、人生の大半を病院で過ごし、楽しい時間はほんの一瞬で過ぎていく。そこにお金と時間を費やしても、自分の人生に何も影響を与えないことが歯痒かったのだ。

仕事は嫌いというわけでは無かったけれど、いつも心にゆとりが無かったり、職場の不満を夫にこぼしている自分にもモヤモヤしていた。病院という時間と場所を縛られる環境にも、なにか違和感を感じていたのだと思う。

お給料はそこそこ良かったし、あのまま働いていれば99%老後も安泰だったであろう。でも、今私に必要なのは、経済的ゆとりより時間と心のゆとり、そして、もっと心から興味を持てる仕事なのでは…。

そんな思いもあり、12年勤めた病院を辞めた。

2.OFFを増やしたのにモヤモヤが晴れない迷走時代

退職してからこの3年、とにかく時間にゆとりをもって生活することと、技師以外の何かをすることの2点に注力していた。真面目に働いてきたおかげでそこそこ貯金はあったし、有難いことに夫も働いている。

仕事はクリニックのバイトに切り替え、そのお金をもっぱら自己投資に費やしていた。ラジオスクール、心理学講座、カウンセリング講座を受けたり、傾聴ボランティアに参加したり。それでも時間にゆとりはあったので、家事も今までより丁寧にできるようになった。いわゆる丁寧な暮らし。

学びはどれも面白かったし、やってよかったと思えるものばかりだった。収入は大幅に減ったものの、求めていた「時間と心のゆとり」も手に入れた、はずだった。

ところが、私の心はなぜか満たされなかったのだ。忙しい生活から解放されハッピーになれるかと思いきや、そうでもない。

学んだことを仕事にできていないという焦りや罪悪感もあった。どれも面白いのだが、熱中できていない、本気になりきれていない自分…。

どうも私は、単に「OFFの時間がたくさんあればいい」、というタイプの人間ではなかったようだ。

3.OFFが仕事の一部になる、という選択肢に気づいた転換期

2ヶ月前、私はまた凝りもせず新しい自己投資を始めた。それが「POOLO JOBトラベルクリエイターコース」というもの。何かというと、「旅を仕事の1つにする」ことを目的に発信力をつけるための学びの場、である。

このページを見た瞬間、これだ、と思った。なぜか分からないけれどワクワクする感覚。「やってみたい」、心がそう言っていた。

このPOOLO JOBの主な課題のひとつがnoteの執筆である。2ヶ月間ほぼ毎日ひたすら課題に向き合うことを通して、自分が求める働き方、つまりは「生き方」がおぼろげながら掴めてきたような気がする。

きっかけは取材記事を書くようになったこと。取材のために様々な場所を訪れ話を聞き、それを記事にするのだが、その取材の時間がとても面白かった。あくまでも仕事ではなく課題なので、記事を書いてもお金は発生しない。だが、これが本当に仕事になったと仮定すると、仕事がプライベートの中まで入ってくる、もしくはプライベートも仕事の一部のような気がしてくる。

出かける先々で見聞き体験することや、日々感じている心の機微など、全てが仕事につながる感覚。そして精魂込めて書いた記事を読んでもらい、反応をもらえたときの充足感。

膨大な課題に追われて以前より時間のゆとりは無いうえに、締切や読まれることのプレッシャーに迫られストレスで心はひいひいしている。それなのに、なぜか不思議と満たされている自分がいるのだ。

つまり、私に必要だったのは、ただゆとりを持つことではなく、やりがいを持てる何かに熱中すること。本当の喜びは、ラクなだけでは生まれない。緊張や葛藤、苦悩があってこそ生まれるのだと改めて知ることとなった。

といって、病院時代の緊張感に戻りたいわけではない。ON/OFFを切り分ける必要のある仕事ではなく、自分の生活そのものが仕事になるような、そんな仕事がしてみたい。

そんなことを考えていたらこんな言葉に出会った。

「ワークライフインテグレーション」(Work-Life Integration)

ワークライフインテグレーションとは:
「仕事(ワーク)」と「プライベート(ライフ)」を「統合する(インテグレーション)」という意味。

仕事とプライベートの双方が相乗するという考えに基づいており、ワークライフバランスと大きく異なる点は、「仕事とプライベートを線引きしない」ということ。つまり、仕事もプライベートもどちらも人生の一部であり、両方を充実させることが豊かな人生の鍵となるのだ。

これまでの私は、ON比重高めの生活に疲れ、OFFの時間を増やす生活に切り替えたものの、なぜか満たされず悶々としていた。

しかし、POOLO JOBの課題を進めていく中で、気づかぬうちにONとOFFの境界が曖昧な働き方というものを疑似体験していたのだ。

そしてそのことで、OFFの時間の気づきや体験がONの自分に良い影響を与え、それがまたOFFの自分に還ってくるというサイクルを体感することとなった。もっといえば、どこまでがONでどこからがOFFなのか、自分でもはっきり分からない、といった感覚が近いかもしれない。

一見ブラックにも聞こえる響きだが、どちらにも良い影響を及ぼし合うのだから、こんな働き方ができたらどんなに素晴らしいことだろう。

それがどんな仕事なのか、まだクリアにはできていない。けれど、今の私が一番やりたいことは「旅」であり、現地の取材や旅の記事を書きながら旅がライフスタイルの一部となる、そんなサイクルが生まれたら、こんな理想的なことはないと思う。

実際にそうなってみたら、もっと何も考えずに自由に旅がしたい、と言っている可能性は否定できないが…。

ひとまず、何事もやってみなければわからない。これまでも回り道をして自分の理想に少しづつ気づいてきたのだ。先のことは考えすぎず、今はそんな理想のライフスタイルを目指して、残すところあと1カ月を切ったPOOLO JOB生活も全力で駆け抜けていきたい。

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