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ようこそ笑顔神社へ(51)鶴編

とあるBARのカウンターで、〈Sade の Kiss of Life〉を聴きながら、スパイシートマトジュースを飲んでいると、鶴乃長命さんが現れました。

亀さんは、とても嬉しくなりました。
というのも先日、二度と会えないかも知れない、みたいなニュアンスのことを言われていたからです。

鶴さんを、まじまじと見る限り、先日とはさほど変化はなさそうでした。
鶴さんは、言いました。

【あれから鶴さんは、将棋の勉強を始めました。最近、駒の動かし方が分かるようになったんですよ】

これは先日、鶴さんが言っていたことでした。
というのも先日会ったときは、将棋のことなどまったく分からなかったのに、今では将棋の駒の動かし方が分かるようになっていた、ということなのです。

つまり、今、目の前にいる鶴さんは、先日の鶴さんではないのです。
なんだか不思議な気持ちになったと同時に、生きてくれていてよかったと思いました。

そして亀さんもあれから少し変化がありました。
それは、毎朝、美味しいコーヒーを飲むようになったのです。
鶴さんから見ても亀さんは、以前の亀さんではありません。
お互いさまです。

鶴さんは、言いました。

【これを言葉にすると、〈一期一会〉になります】

この言葉に、そんな深い意味があったとは、今の今まで知りませんでした。

マスターは、選曲をしながら微笑んでいました。
もちろん、マスターと亀さんとも一期一会ということになりますね。

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