Vol.11 　相手の心に寄り添う

文化ぶんかや言葉ことばの違ちがう国くにで暮くらすと、多おおくの刺激しげきや発見はっけんがありますが、時ときとしてそれは「カルチャーショック」となり、ストレスや不安ふあんにつながることがあります。

例たとえば1週間程度しゅうかんていどの海外旅行かいがいりょこうなら、周まわりの景色けしき、食たべ物もの、ショッピングなど、全すべてが新鮮しんせんで楽たのしく感かんじられます。

次第しだいにストレスや不安ふあんを感かんじるようになる「ショック期き」が訪おとずれ、異文化いぶんかを拒否きょひしたり、同おなじ出身しゅっしんの人ひとたちと話はなすことが増ふえるといわれています。
しかし、この時期じきを過すぎると徐々じょじょに環境かんきょうにも慣なれ、気持きもちちが前向まえむききになる「回復期かいふくき」、そして新あたらしい習慣しゅうかんを受うけ入いれて楽たのしめる「安定期あんていき」が訪おとずれるといわれています。

文化ぶんかや言葉ことばの違ちがう人ひとたちとのコミュニケーションは難むずしいこともありますが、もしかしたらその人ひとたちも今いま、さまざまな「カルチャーショック」と向むき合あい、乗のり越こえようとしているのかもしれません。
私わたしたち一人一人ひとりひとりが、異文化いぶんかの中なかで暮くらす人ひとたちの心こころに寄より添そって考かんがえ、行動こうどうすることも、多文化共生たぶんかきょうせいのまちづくりには大切たいせつです。
　　　　　　　　　　　　　　〈参考さんこう：「日本語教育教科書にほんごきょういくきょうかしょ」（翔泳社）〉

2023年3月