後輩付き合いの学び 人間関係って大変やな
何かおごってください
隣の工程のハタチS君と夜ご飯を食べに行く約束をした。
群馬県太田の横に大泉というブラジルの街があるのをテレビで観たことがあった。
大泉にシュラスコ食べに行こか
昼過ぎにS君が300万円のローンで買った車で大泉に向かった。
予想していたブラジル街とは違って、点々とブラジル人御用達のスーパーや喫茶店、ご飯屋さんがあり、観光目的ではなく、実際に住んでいるブラジル人が用途に合わせて車で来るような立地だった。
夜に行くシュラスコ店を発見し、そこに車を置き、横の喫茶店でブラジルらしい軽食を食べた後、散策に出かけた。
紅葉が綺麗な大通りを歩いていると、近くにあったココスを指差し、美味しいですよね、と。
街の至る所にある店の雰囲気が違ったり、見慣れない看板がいっぱいあっても、あ、さっきのうちの車すね、と。
公園で色んな出店があるプチお祭りを発見し、色んな料理や雰囲気を堪能するも、自販機ないっすかねー、と。
どうしたもんかと近くの遊具に駆け寄り、球にぶら下がるターザンを思いっきりしても、俺汚れるんでいいっす、と。
シュラスコ開店まで2時間半。
普段ならもっと時間かけて隅々までブラジル要素がダダ漏れしているガチローカルエリアを散策したい気持ちも届かない気持ちに疲れてきて、さあ、どうしようか、と投げてみた。
魚見たいっす
石川県能登半島出身のS君は海の近くで育ち、幼少期から水に接する機会が多く、素潜り
釣り、浜辺でパルクール、と圧倒的なまでの水属性だった。
カインズに寄り、熱帯魚コーナーに行くと、全て詳しく説明してくれて、あっという間にシュラスコ開店までの時間になった。
初めてのシュラスコに興奮して食べているS君は可愛くて、今日の疲れも吹っ飛んだ。
人それぞれ趣味嗜好は違って、無理に自分ペース寄りに持っていこうとする際に生じるズレに抗うと失敗し、寄り添えれば、ブラジルイメージの大泉にカインズの熱帯魚を見に近くという予想もつかない展開が待っていた。
同時に大泉に次回行く際はひとりで行こうと決心した日でもあった。
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