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女優のK美 【プチ官能シリーズ】

小さな身体の、ぽってりとした唇から吐き出されていた素晴らしいセリフの数々を思い出しては、この瞬間では一言も喋らせないようにしっかりと口を合わせ封じて、シャンプーがふんだんに香る髪を乱暴にかき乱した。

小さな区民会館の一室での映画監督のワークショップでK美を見た。

自然体ながらも力強い演技に監督も周りも圧倒され、半年後に公開が決まっていた映画の一役にK美は選ばれた。

ワークショップ後の飲み会で前の席にいたK美と演技力で完敗していた話はせずに、ハイボールを頻繁に乾杯しては地元トークに花を咲かした。

後日、俳優仲間からの紹介で山奥に中国映画の撮影に行くことがあった。

紹介してくれた本人がいるかと思いきや、中国人の知らないキャストだらけのロケバスで心細い中、黒髪にほんのり緑がかったK美が座っているのを見つけた。

この前の役の髪色抜こうとしたら失敗してん

エンジンが切られたロケバスの狭い隣り合わせの席に、K美が着るダウンコート越しに体温を感じては、車内に飛び交う中国語に2人だけの日本語が混じっていた。

撮影が行われる山奥の神社で忍者の格好をしながら綺麗な夕陽を見て、何故か男役になっているK美と隣同士片膝を触れ合わせて落ち葉を触りながら、長い撮影時間の合間を過ごしていた。

年末、忘年会シーズンにワークショップに行った監督が所属する映像クリエイター集団の会に参加した。

渋谷の煌びやかなスタンディング形式のラウンジに100名を超える何かをやっていそうなクリエイター達が集まった。

仕事で一回二回共演した人、演技稽古で一緒になった人、チラチラと顔見知りな人たちはどことなく見かけるが、さて誰と話をしようと密集したスペースに少し孤独を感じている中に、ポツリ立っているK美を見つけた。

ワークショップで会い、撮影現場で会い、今回が3回目になる。

短期間で3回会うと、同業者といえ、少しばかりは気にするようになり、仕事の話もそこそこに、年始にカフェに行く約束をした。

その間に日常的なこと、観た映画のこと、些細なことを毎日ラインを交換するような関係になっていた。

年始、正月ボケも収まり始めた頃、K美が指定した青山のカフェに行くために、表参道で待ち合わせた。

普段からシックで大きめな服を多く着ているイメージがあったが、その日は暖色のチェックのシャツに丸メガネのまた違った印象で、会った瞬間にペットショップに寄りたいと言ったK美の新たなる一面に少し心が躍った。

カフェに入ると、チェックシャツの上に羽織っていたボアのようなものを取り外し、意外にも豊満な様子のK美を確認することができた。

何気ない会話の中から、過去にグラビアをやっていたことを知り、当時の写真を見せてもらっては、K美に対する興味は駆けるようにしてスピードを増していった。

偶然短いスパンで会ったこと、色んな面を持っていること、女性らしい豊満なボディ、無理やり理由をつけるようにしてはK美に対する熱を上げていき、しかしそれは焦ることなく自然とゆっくりと低温調理するかの如く、会うタイミングを綿密に伺った。

月に一度の無理のないペースで会い、春の兆しが訪れ、桜が開花するタイミングで一気にギアを上げた。

中目黒の目黒川沿いの桜並木を見ながら缶ビール片手に歩くことを目的にK美のアルバイトが終わるのを待った。

いつもアルバイト終わりに目黒川沿いを歩きながら徒歩で帰宅するK美と何度も電話をしていた。

2人で何を言うこともなく、至って自然な流れで、K美の家に着いた。

K美の家は物が多く、それは子供の部屋のような、側からみればガラクタのような細かい物がたくさんあった。

帰宅して、もう何年も付き合っているカップルかのように、先にシャワー浴びてくると言ったK美が首元がだるんだるんになったTシャツを着て戻ってきた。

極めてラフな格好をしてるものの、慎ましくお茶を入れてくれては、横にちょこんと座るK美の乳房の主張だけが激しいので、Tシャツ越しに人差し指で押してみた。

その瞬間、K美のスイッチが入り、おしとやかに座っていたはずのK美が倒れるように覆いかぶさってきた。

Tシャツとショートパンツ越しに感じる豊満な女性のしなやかな肢体は絡みつくように全身を覆った。

小さな身体の、ぽってりとした唇から吐き出されていた素晴らしいセリフの数々を思い出しては、この瞬間では一言も喋らせないようにしっかりと口を合わせ封じて、シャンプーがふんだんに香る髪を乱暴にかき乱した。

上になったK美を抱き抱えるようにして、ベットに運んでいき、今度は上からくまなくK美の身体を調査した。

ほとんど全身どこを触ってもK美は唸るように声を出した。

Tシャツはいとも簡単にまくれ上がり、黒のレースがはちきれそうなブラジャーを丁寧に剥がした。

ポロンと姿を現した乳房の中に申し訳なさそうに先ほどまで座っていたK美のようにちょこんとお頭が互いにそっぽを向くように直立していた。

これまでも十分なほど唸る声を上げていたが、K美のお頭を丁寧に口に含むと、その唸り声に身体が共鳴するように跳ねるようになった。

時おりK美の激しすぎる反応を見ては休憩しながら、ゆっくりと下山していった。

麓の方に到着すると、グツグツ煮立ったような女臭が充満し、その地下に眠るマグマが今か今かと噴火を待ち望んでいることは容易に想像できた。

火口を仕切るバリケードである黒のパンティをずり下げると、監督、プロデューサーなどにも手をつけられていないであろう天然記念物級の女芯が姿を現した。

綺麗に縦に亀裂が入った脇で、陰唇が忙しなげにヒクヒクとしている間に一切の迷いなく中指を挿入した。

新たな観光客として親指も芯芽の縁をクルクル周っていると、K美の身体は噴火寸前を迎え、急いで太客である欲棒を呼び出した。

火口でたっぷりと観光案内を受けた欲棒がK美の噴火と共に押し出され、消火器としては的外れにK美のへそ周りに命中し、鎮火することには失敗した。

その後も、互いに快感を貪るように逢瀬し、当時下積み役者として住んでいた浅草吉原の4畳アパートにもK美は頻繁に訪れた。

コトコト煮てきた料理も急に温度を上げると、付き合う付き合わないの話からドラマばりの激しい口論になり、その瞬間に皮肉にもK美の表現力の豊かさをより大いに感じることができたものの、中の具材が全て溶けてドロドロの状態になってしまい、互いに離れることを決めた。

満開の桜の花びらが大回転し、桜吹雪となって散る様は儚くも華麗ですっぽりと空いた心に吹き抜けていった。

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