「日日是好日」を読んだ
久々に本を読んだ。
最近の日々は、とてもとてもつまらなくて
ただルーティーンをこなす日々だった。
朝六時に起きて、身支度をして、駅まで歩いて電車に乗って会社へ行く。
会社に着いたら日々の仕事をして、はやく午前中が終わらないかなって考えて、
お昼ごはんを食べて、はぁまた午後か。
午後もなんとなーく仕事して、三時になったらあと2時間って考えて。
五時になったら帰る準備をして、また駅まで歩いて電車に乗って家まで歩く。
帰ったらごはんをチンして、食べて、スマホいじって、風呂に入って寝る。
その繰り返しだった。
たまたま研修で出会った人に、本読む?と聞かれた。
前まではハマって少し読んでいたが、近頃は全く読んでいなかったので、「読むのが遅くて〜」と言ってその話を終わらせた。
ある日突然、本を読みたくなった。
というのも、電車の中でいつもYouTubeやインスタなどの SNSを見ていたのだが、それがとてもつまらなくなったのだ。
YouTubeの画面をいくらスクロールしても、見たい動画がない。
だったら本を読んだ方が面白いんじゃないか。
そう思って、読みかけにしていた「日日是好日」を手に取った。
そもそもこの本は私が買った訳ではなく、実家の姉の部屋の本棚にひっそりと置いてあったものを、私がタイトルだけしっている、という理由でパクってきたのだ。
確か一年前の冬に途中まで読んでいたのだが、読みかけで止まっていた。
読み始めると、なんだか心がその本に集中して気持ちがいい。
読むのが遅い。だが、だからこそ、茶道の作法一個一個を想像しながら読んだ。
お茶のことは全くよくわからないが、私もその部屋の隅にいる気持ちがした。
社会人3年目のつまらないと思っていた日々に、この本は楽しく生きるヒントを教えてくれた。
毎朝辛かった駅までの道。ただ、行きたくないと早歩きで歩いていたが、
ぴんとはりつめた空気や、湿気、においを感じて歩くと、嫌な気持ちはなく、朝って気持ちいいなと思って一日を始めることができた。
毎日が嫌で、気づいたら一週間、1ヶ月が過ぎ去り、もう11月も半ば。こうして日々が過ぎていく中にどうやって生きていけばいいのか、そんな漠然とした不安があった。
しかし、そんな不安もどうでもよくなるような言葉がこの本には記されていた。思わずなんども読み返した。
「いろんなことがあるけれど、気長に生きていきなさい。
じっくり自分を作っていきなさい。
人生は、長い目で、今この時を生きることだよ」
(日日是好日〜「お茶」が教えてくれた15のしあわせ〜/森下典子 文庫版p237より)
そうか、今を生きればいいんだ。
毎日同じでつまらない日々の中にも、
一期一会な出会いや出来事がある。
今の自分に、その言葉がとてもしっくりきた。
今の自分を、今を大切に過ごしていこうと思う。
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