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【海外MBA受験】#3 IELTS対策

海外MBA受験に関するnoteの第3回はIELTS対策です。なお、私が受験した2021年から2022年の受験形式と異なる場合がありますので、その点はご了承ください。

1. TOEFLかIELTSか

TOEFLとIELTSは同じく英語の技能を測るテストである一方、形式はかなり異なります。近年ではほとんどの学校が両方のテストスコアを受け入れていることから、ご自身に合う試験形式を選ぶことをおすすめします。「アメリカのスクールだからTOEFLが有利、イギリスのスクールだからIELTSが有利」などということはありません。
私は最初はTOEFLを受けていましたが、上手くスコアを上げることができなかったためIELTSに転向し、決して誇れるようなスコアではないですがほとんどの学校の足切りラインは通過できるスコアをとることができました。私がTOEFLからIELTSに転向した理由は下記の通りです。
・WritingにおいてIELTSはListening能力が不要
TOEFLはWritingの問題の半分が直前に聞き取った内容をまとめるもので、Listening能力が試されます。一方でIELTSは聞き取る内容はありません。
・SpeakingがIELTSでは試験官との対面形式であること
TOEFLはSpeakingの形式が機械に声を吹き込むものである一方で、IELTSは試験官との一対一の面接形式となります。
・IELTSはトータルスコアが丸められること
TOEFLはトータルスコアが1点刻みの素点で評価される一方で、IELTSは4技能の平均点を0. 5点単位で丸めて評価されます。IELTSにおいては例えば、各技能の合計が27点~28.5点であった場合にトータルスコアが7となります。

2. TOEFL失敗談

このセクションでは私の失敗談を記載します。私はTOEFLでは結局84点しかとることができませんでした(Reading:27、Listening:18、Speaking:15、Writing:24)。ほとんどのスクールは少なくとも100点以上を求めてくるものですからこの点数はひどいものです。実際、入学後にクラスメイトと話した際には韓国人に慰められるという事態となりました。こんな状況なので、対策法を記載することは憚られるのですが、いくらか得たものもあるので五月雨式に記載します。
・Readingは毎日1本長文問題を解くべき
Reading問題はややTOEFLの方がIELTSよりも難しい傾向にあるようです。巷にTOEFLの対策本は腐るほどあるため、そうした問題集のReadingを毎日1つは解くことでReadingの基礎力を強化することができます。逆に以降のListeningなどもそうですが毎日やらないと筋力と同じで英語力は低下しますので、必ずやるべきです。この経験が後述のIELTSへの移行にも役立ちました。
・Listeningも毎日問題を解くべき
上記と同じです。Listeningについてはスマートフォンのアプリでも類題が存在するため、通勤電車で聞くことをお勧めします。これもTOEFLのListeningの方がちょっと難しく速度も速いようで、この経験がIELTSへの移行をスムーズにしました。
・受験会場は環境のいい場所を選ぶべき
私は池袋の西武にあるテストセンターで受験していましたが、机ががたがたであったり、となりの受験生との距離が近いなどで評判の悪いテストセンターでした。お茶の水ソラシティがいいそうです。

3. IELTS対策

ここからが本題です。日本人の多くにとってはこのIELTS/TOEFLとGMATはやはり鬼門です。同級生と話していても「もう市ヶ谷(IELTSのテストセンターがある)には行きたくない、帝国ホテル(GMATのテストセンターがある)に行くと具合が悪くなる」という言葉が聞かれます。
ここからは私と同様のNon-Nativeで英語がそれほど得意でない方用に対策法を記載します。
■総論
Top 30のスクールの必要スコアはOverall(以下OA、トータルスコアの意味)で7.0~7.5です。
一部の学校(Oxford/Cambridge)では「OA 7.5 + 全セクション7.0以上」が要求されますがこれが一番厳しいものと思われます。そのため、一般的にはOA7.5以上(切り上げを考慮して合計29以上)を目指すべきですが、SpeakingとWritingにおいて極端にスコアが低い(例えば、ReadingとListeningが9でSpeakingとWritingが5.5など)とアドミッションへの印象が悪いため、内訳もある程度バランスをとる必要があります。特にSpeakingとWritingはアウトプット型の項目であることからアドミッションも気にします。最低でも6.5以上を取ることをお勧めします。

スコア目標

SpeakingもWritingも一定程度できると上段のようにReadingとListeningの必要点数が少し緩和されます。一方でSpeakingとWritingが苦手だとReadingとListeningで頑張る必要が出てきます。
私のスコア変遷は以下の通りです。最高スコアはOAが7と少々低いものの、SpeakingとWritingが6.5で踏みとどまっており、想定していた受験校の足切りは満たせそうであったため更なる受験は行っていません。

スコア変遷

■Reading
Readingは基本的にはTOEFLと同じく毎日1題長文問題を解き、休日にIELTSの過去問集を1セット分(長文3題)を解きました。復習は各長文に対し、誤った問題の解説と長文に出てきた知らない単語をノートにまとめました。毎日継続して問題演習を行うことを目的としていたため、勉強時間としては問題演習20分+復習30分で1時間かからない程度で毎日集中して進めていました。使用した参考書は下記の通りですが、単に演習量を増やすことが目的ですので市販のIELTSのReading問題がついている参考書であれば何でもOKです。
【参考書】太字は特に使用すべきもの
IELTS公式過去問集(IELTS Academic 13など)
ケンブリッジのIELTS公式ガイド

IELTS 完全対策&トリプル模試(セーラ森川 (著), ルーク・ハリントン (著), 平岡麻里 (著))
IELTS実践トレーニング(木村ゆみ 著 / 吉田佳代 著 / C.バローズ 著)
実践IELTS技能別問題集リーディング(松園保則)

■Listening
Listeningは毎日通勤時間の1時間と帰宅後の1時間の計2時間学習しました。通勤時間には学習アプリで問題演習を行いました。学習アプリはTOEFL試験用の教材を用いました。これは問題形式が選択式のため満員電車の中でも解きやすい、TOEFLの方が若干速度が速く難易度が高いように思われたためです。帰宅後は参考書のほか、You Tubeに上がっている教材を多く用いました(You Tubeで「IELTS Listening」と検索すると海外の方が作成された教材が山のように出てきます)。
【参考書】太字は特に使用すべきもの
IELTS公式過去問集(IELTS Academic 13など)
ケンブリッジのIELTS公式ガイド

IELTS 完全対策&トリプル模試(セーラ森川 (著), ルーク・ハリントン (著), 平岡麻里 (著))
IELTS実践トレーニング(木村ゆみ 著 / 吉田佳代 著 / C.バローズ 著)
実践IELTS技能別問題集リスニング (松園 保則)
You Tubeの教材

■Writing
Writingは問題構成が特殊であり、前半が与えられた資料(グラフや表、図)の解説を付すというもの、後半がお題に対し自身の立場(賛成/反対など)と議論を論じるものとなります。時間制限もタイトであることからある程度自身の回答をテンプレート化することが求められます。また、スコアについてはしっかりと対策をしていればおおよそ6.0から7.0の間に入るものであり、逆に言うとどれだけ頑張っても7.5以上を目指すのは至難の業となります。そのため、私は最初に既に6.5を取ることができていたため7.0を安定して取得することを目標として、さほど時間は取らずに対策を行いました。
こうしたテンプレートや典型表現を学ぶこと、また自身のアウトプットを誰かに評価いただくことを目的に、Writingは予備校のAgosに通いました。「Writing Core 1」と「Writing Advanced」の講座を取りました。Core1では前半の資料読み取り問題の解法テクニックを学びました。Advancedは前半、後半の解法テクニックの上級編、といったところです。結果としては最終スコアは最初と同じ6.5で変わらなかったのですが、1回7.0を取得したことや、その後のGMATのAWA試験に役立ったことを鑑みると受講しておいて損はありませんでした。

■Speaking
Speakingは一番苦労しました。その上、結局できるようになったかは現在でも?マークが点灯します。まず、試験官が生身の人間であるためやや運要素があるということは意識しておかれるとよいと思います。また、問題形式にも人によって得意不得意があると思います。その上で私は第一に典型質問に対する答えを書き出し、第二にそれらの答えを通勤時間や家でぶつぶつ唱えることで暗記し、第三にオンライン英会話(DMM英会話)で練習しました。ちょうど私の試験期間がコロナ禍であったことが幸か不幸か、みんなマスクをしていたため、世間でぶつぶつ唱えていてもさほど怪しまれることはありませんでした。また、予備校のAgosに通い、「Speaking Core 1」と「Speaking Core 2」の授業を取りました。これらはいずれも集団授業(先生1vs生徒10人弱程度)のもと、解法テクニック(典型表現や形式)を学びました。Zoomの授業で時折ブレイクアウトルームで一緒に受講している生徒と回答練習を行うことがあり、周りの生徒のレベルの高さに愕然とすることが多くありました。
受験後の今になって思うと、この時点で専門的な先生と訓練するべきでした。具体的にはインタビューでお世話になったNish Subasinghe氏にIELTSの対策をしてもらうとよりよかったかもしれません。Nish氏はインタビュー準備において回答骨子の作成から練習に至るまで6時間(1時間×6回)28,500円の破格の値段で付き合っていただきましたが、TOEFLやIELTSの対策も受け持っており、非常にサポーティブであるため、利用しない手はなかったかもしれません。

(備考)紙かコンピューターか
IELTSには紙ベース(鉛筆で答えを書く)とコンピューターベース(キーボードで答えを入力する)の両方の試験形式があり、好みに応じて選択することができます。私はWritingの回答の容易さからコンピューターベースを選択しました。一方で、紙ベースではListeningの最後に10分間回答を問題用紙から回答用紙に書き写す時間が与えられ、回答を見直すことができることからこのメリットを好んで紙ベースを選択する受験生もいます。

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