ウズベキスタン旅行記 #12:サマルカンドの街
2019年に訪問したウズベキスタンの旅行記です
#11はこちら:サマルカンド珍道中
雨が降る中、宿はとても静かであった。
朝食を終え中庭から部屋に戻ると、部屋で生き物の気配を感じた。
何かが、いる!
なんと、宿の猫が入り込んできていた。
実は朝食中にも中庭で遭遇していたのだが、ドアを開けたタイミングで部屋に入り込んでいたらしい。
最初こそ警戒気味だったが、あっという間に我が物顔でベッドを占領し始めた。かわいい。
これまでにもこうやって部屋に入り込んではごろごろしていたのだろう。
猫がいる生活ってこんな感じか〜と想像しながら、雨ということもありしばし部屋でだらだらとしてしまった。思わぬ猫の罠である。
しかし時間は待ってくれない。サマルカンドの滞在は今日と明日しか残されていないのだ。
猫に後ろ髪引かれながらも、街を散策すべく宿を出発した。
シャーヒ・ズィンダ廟群
この日はシャーヒ・ズィンダ廟群へ向かうことにした。昨日に続き雨であったが、今日は宿のオーナーに傘を借りたので移動しやすい。
しかしウズベキスタンの人は傘をさしたりささなかったりするのだろうか。頭だけは濡れたくないのか、斬新な守り方をしている人も見かけた…。
シャーヒ・ズィンダの入り口、天国の階段。
行きと帰りに段数を数えなら登り/降り、数が同じであれば死後天国へ行けるらしい。
違ったらどうするんだと思いつつ試したが、無事に同じ数で安心した。
階段を登ると、青いタイルたちが待ち構えていた。
青空だったら良かったのにと思いつつ、雨のせいか人が少なかったためゆっくり見て回れたのは良かったかもしれない。
雨に濡れたタイルもつややかで美しい。
外観に負けず劣らず室内も美しく、さまざまな青色のタイルが隙間なく埋め尽くしていた。
細かなところも素晴らしい。ひとつ建てるのにどれくらいの年月がかかるものなのだろうか…。
奥にあるクサム・イブン・アッバースの霊廟。シャーヒ・ズィンダの中でも最も古い建物らしい。
それどころかサマルカンドでも一番古いらしく、モンゴル軍の襲来も乗り越えてきた歴史があるらしい。ウズベキスタンの建築物とモンゴルとの関係は外せない。
ここは青色に限らないタイルもあるためか、他の霊廟よりも華やかな印象であった。
グーリ・アミール廟とウルグベク天文台
これは翌日の話になるが、グーリ・アミール廟とウルグベク天文台も観光した。
グーリ・アミール廟は、ウズベキスタンの英雄でもあるティムールが眠る霊廟。レギスタン広場を見た後だとこじんまりとした印象を受けるが、中は全く違う印象となった。
一面の黄金の間! さすが英雄が眠る霊廟である。ブルーのタイルとはまた違う美しさだった。
所変わってこちらはウルグベク天文台。
少し離れた場所にあったためタクシーで向かった。
ここは名前の通り天文台に関連した場所で、現在は博物館のようになっていた。
元々は1400年代に最高水準の天文台があったらしいが破壊されてしまい、その後1908年になるまでは場所さえ分からない状態だったそうな。
そんなわけで建物自体は比較的新しいものなのだろう。
地下の遺構だけは当時のものとして残っているらしい。なんと惜しいことか。
サマルカンドの食べもの
シャーヒ・ズィンダ廟群から宿に戻る途中、市場にも立ち寄った。
午後をとうに超えた時間だったためか、一番活気のある時間は過ぎているようだった。
ここではハルヴァのみを購入し、宿でおやつがてら食べることにした。
ハルヴァは小麦粉と油、砂糖、ナッツでできたお菓子。はじめて食べたが、少しホロっとした食感の甘々のキャラメルのような食べものだった。キャラメルも十分に甘いのだけども。
これは美味しいとその後お土産にも買ったのだが、甘党な夫には好評で、同僚たちには「甘すぎる!」と不評であった。
ということで甘党にだけおすすめ。
サマルカンド2日目の昼食と夕飯は、ローカルなレストランで食べた。宿からも近く、接客のお手伝いをしていたお店の子どもがフレンドリーだったので2回連続で行ってしまった。
一人旅だと食に対する探索意欲が急激に下がるタイミングがあるのだが、このタイミングだったのかもしれない。
ウズベキスタンのプロフ食べ比べもいよいよ最後。これがサマルカンドのプロフである。
ブハラ版のようなレーズンは入っておらず、代わりにごろりとしたお肉とひよこ豆が入ってるのが印象的だった。これも美味しい。
ヒヴァ、ブハラ、サマルカンドのプロフを食べ比べた結果としては、特にブハラ版のレーズン入りが好みだったと思う。
マントゥも。ブハラで食べたマントゥはなぜかカボチャ餡入りだったのだが、ここで食べたのはスタンダードな肉入りマントゥ。これこそ食べたかったやつである。サワークリームも美味しい!
1人でも入りやすいし、ちょうど良い分量で良かった。
昨晩の珍道中とは打って変わって、サマルカンドの2日目はゆっくりと過ぎていった。
ウズベキスタンで過ごせる時間もあとわずかである。
つづく
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