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外国のチームとの試合



前回から随分と間があいてしまいました。

妻が病に倒れ、日本での療養を選択したため私が長男と次男を連れてドイツへ帰ってきたのが遡ること3月。

次男は帰国後すぐに東バイエルン州の選抜練習に参加しましたが、フィットが戻らず落選。その後はチームに暖かく迎えられリーグ戦を戦い抜きました。

リーグでは優勝を目前にしながらなぜか下位のチーム相手に取りこぼしたり負けてみたりで結果は2位で終了しました。優勝が狙えるメンバーだと思っていたのですが、サッカーは難しいです。


話は少し戻り5月の中旬のことです。春になりチームからもさまざまなイベントが企画され、その中でも一番のイベントがU14カップ戦でした。

毎年海外からチームを招待して行われるこの大会、今年はUKから1チーム、チェコから1チーム、デンマークから2チーム、ポーランドから1チーム。ドイツではミュンヘンから1チーム、ベルリンから2チーム、そしてなんとはるばるオーストラリアから1チームが招待されました。

噂では当初の予定では日本のチームにも声がかかっていたらしく、参加の予定だったらしいのですが航空券チケット価格の上昇に伴って残念ながらキャンセルされたそうです。

残念といえば私は家庭の事情で急遽日本に帰国する用事ができ、一切関わることはできなかったのですがもちろん運営はチームと父兄会のボランティア。

車両でのチームの運搬、会場設営、食事の準備や会計まで全て父兄会で話し合われていて、ドイツ語のできない私は肩身の狭い思いでした。

これならお前でもできるやろということで物販のレジ打ちをする予定だったのですが、帰国のタイミングがちょうどそこにぶつかってしまったので仕様がありません。みんなに理由を説明して納得してもらいました。

問題はどう次男を会場まで運ぶか、です。どちらかというと父兄皆さんの興味も、戦力にならない私がいるかいないかよりも次男が当日来れるかどうかに焦点が集まり、自然私も必死でなんとか方法を画策しました。

幸い比較的近所のチームメイトのご家族が快く次男を一泊させてくれましたし、会場までの送り迎えも次男の同級生のご両親とチームメイトのご父兄のリレーという形でなんとか実現できました。

コーチ含め、なんとか次男を会場まで連れてこようと動いてくださった皆さんに本当に感謝です。


ポーランドからS



次男が得たもの



次男としては国際試合は経験はありますが、全て選抜で参加した試合で、自分のチームとして海外のチームと対戦する経験は初めてです。

そして今の守備的ミッドフィルダーとしてこうした試合に臨むのも、もしかしたら初めてかもしれません。(記憶が定かではない)

息子の試合のビデオを撮ることが趣味の親父としては至極残念なことでしたが、最近ではチームカメラからの映像を見ることができますのでもちろん全ての試合はチェックしました。

結果はUKから来たAとミュンヘンのBが優勝を争う内容になったそうですが、Aがその前の試合でイエローカードを連発しすぎて出場選手が少ない状態で優勝決定戦を戦う羽目になり、結果Bが見事優勝を果たしたそうです。

そのような強豪ひしめく中で次男のチームは結果を出せず下位で終了しましたが、何よりの経験になったことと思います。

次男に聞いてもプレスの速さなどは今までの感覚では間に合わないシーンもあり、もっと判断やプレーのスピードを上げなければいけないと思ったそうです。

反面、チェコのチームから一点一アシストを記録するなど、自分の中で何かが噛み合う瞬間というか、チームの結果としての勝ち負けというよりも個人的に戦えるかどうか、という点においてはそこまでの差は感じなかったようでした。


UKのA


トーナメントを終えて



チームとしての大一番が終わると、チームの中にも動きが出始めました。まずはチームの絶対的点取り屋として活躍していたE君が近隣のブンデス2部のユースNに移籍することを決めました。そして10番で活躍していたL君も少し離れたAに次シーズンからの移籍。

次男と仲が良く、バイエルン州選抜にも一緒に行っていたD君も、仲の良いE君が移籍するなら、という理由で自身もNに移籍を決め、その後センターバックを務めるLu君もシーズン後半になってやはりNから声がかかり移籍が決定。

こうしてユースに進むことが決まった子供たちがいる反面、チームから来シーズンからは来なくていいよ、と言われた子供達もいます。今年はキーパーも含め3人がチームを後にすることになりました。

次男としてもこうした現実を目の当たりにして、複雑な思いだったろうと思います。

しばらくして、吹っ切れたように

『もう一年このチームで自分を磨く。遅れた分を取り戻す。』

と宣言しました。

幸いコーチも次男を変わらず評価してくれていて、シーズン終わりの面談でも明確な来季の目標を設定した上でそれに向けて強化していく、と力強く言われました。若くとてもやる気のあるコーチで、次男も信頼しているので任せて頑張っていこうと思います。

私は病明けのひとり親ですが(母親は日本にいるため)、やれるだけのことはやろうと思います。やはり息子のサッカーを見ると元気が出ますので。


読んでいただき、ありがとうございました。


オーストラリアのS

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