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サブカルこけし
2016年7月8日 04:08
母から電話があった。いつもの調子だった。いつもの口調で始まった。いつもの内容の無い、遠回しに家にたまには顔を出せといういつものアレかと思った。その電話はいつも、親不孝をしているな。という気持ちにさせられるから得意ではない。普遍的な、意味の無い電話とはどれだけ幸せな事なのだろう。電話を切るまで、当たり前に存在するものがどれだけ幸せなのか忘れていた。いつもの母の声。いつも気にか
2016年4月29日 16:47
春の強い風が吹く。桜も散った。空は夏に向かって高く青く、雲は白く早く千切れ流れていく。女性化しようと決意し、それから女性ホルモンを投与し二年が経つ。明確な勝算があったわけではない。むしろ諦め半分、それでも諦められなかったからリスクを取った。自分が女だと信じて疑わなかった。そんな世の中のトランス像に当てはまるような感情もなかった。ただ、自分のやりたい些細なことや本当に望むことは女性性にし