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話すことは、離すこと

「ね、なぜ旅に出るの?」

「苦しいからさ。」

太宰治の『津軽』にある文章である。いま私は、スランプに陥っているようだ。だから旅にでたくなっている。

事の始まりは、春分の日を前に、自分のこれからの目標とかを書きだそうとノートとペンを取ったとき、何も浮かばなかった。

面白いくらい、脳みその中が白紙だった。

いや、仕事でやりたいことはある。使命を持ってやりたいことがある。カンボジアとラオスの事業でやりたいことはまんさいである。

でも、何だろう。

もっと大きな、その上にある目標が言語化されない。

目標設定の本を開き、そこにある問いに答えてみようと思う。

「これからの人生の中で、どうしてもやりたいと思うことは」
「あなたが持つ才能は」
「いままでの仕事で一番楽しかったことは」

あれ、・・・なんだっけ?

偶然にもその日、「noteとTwitterの書き方のセミナー」をとった。講師の先生が私が貢献できることを書けばよいといっていたけど、私が持っている情報で貢献できるものって何だろう。

2月にちょっと病気をして(実はカンボジアでコロナに感染していました)、3月の上旬もそれを引きずり、復活したのが最近。

なんか「目標を立てるのが怖くなっている」自分がいるようだ。20代の頃にちょっと背伸びをした目標を立て、そこに向かってがつがつとやってきたが、いまはそのやり方は体力がもたないような気もする。

いや最近、自分が壊れるのが怖くて、アクセルを踏んでぶっ放していないだけかもしれない。

「これだ」というものがカチッとはまる…そんな瞬間は来るのだろうか。

なんかぽっかり穴があいたような、色のない世界にいる感じがした。

「最近、スランプなんだよね」とFacebookに書いたら、「話を聞くよ」と言ってくれる人が現れた!

神、降臨である。

さて、正直、私はあまり自分のことを話すことが得意ではない。

「おいおい、講演をやっているじゃないか」といわれるけれど、「自分がやったことを話すこと」はできるけれど、「自分の思っていること」を言語化することが非常に、非常に、非常に苦手である。

だから「神降臨」と言っておきながら、「きちんと話ができるのだろうかと不安になる。


日曜日、渋谷。

二年ぶりに会う、コーチングをされている方に話を聞いてもらった。

さすが話を聞くプロである。最初の10分はぎこちなかったものの、聞かれることに答えていく過程で、私の中の思考のパズルが組み合わさっていく。

過去といまが重なり

やってきたことと、やりたいことが重なり

小さな成功体験を、言葉にしていく大切さを学び

なんか、自分の中にある可能性の芽を見つけることができたことに驚く。

一人で、うーん、うーんと悩み、考えることが多いけど(ほとんど、自分で抱えている)、「頼っていいよ」という人に頼るのもありなんだと思えたのが、最大の収穫でした。

だれにも頼らずしっかり生きていく典型的な長女キャラは体力があるうちしかできないな。

さて、そんな体験をして思ったのは

話すことは、離すことだということ

心の中のどろどろが話すことで、確実に離れていった。

話すことは、離すこと。そして放つこと!

そんなことで、2022年の第一四半期に悩みの中にありましたが、第二四半期はもやもやから放たれた状態で仕事する。

話を聞いてくれた平本さん、ありがとうございました。

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