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【ゲーム感想】ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団(※ネタバレなし)

日本一ソフトウェアの『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』(switch版)をクリアしたので感想です。

前作である『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』が自分の趣味嗜好ど真ん中を見事に打ち抜いた大名作だったので本作にも期待していたのですが、今作も期待通りの名作でした。
これまで私が触れてきたすべてのゲームを含めても、かなり上位にランクインするであろうお気に入りの作品になっています。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


本作は『ウィザードリィ』や『世界樹の迷宮』シリーズのような、所謂3DダンジョンRPG。
『世界樹の迷宮』シリーズにハマってから、その手の黙々と育成と探索を進める系の3DダンジョンRPGを求めていたのですが、前作と同様で今作も3Dダンジョン探索欲をお腹いっぱい満たしてくれます。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


自由度の高いキャラメイクやスキル育成によって、キャラクターの育成もたいへん楽しい。
この辺りも前作から引き続きですが、今作では職業が増えてスキル構築の自由度が上がり、育成面がさらにパワーアップしています。
レベルが上がりやすいゲームデザインになっているため、レベル上げ→スキル習得→転職(習得済スキルを引き継いでレベル1に戻る)→レベル上げ→・・・という循環がサクサク進むのも良い。
パーティー内の職業やスキルの組み合わせで「あーでもない、こーでもない・・・」と悩むことが楽しいという人にはうってつけ。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


そんな感じで育成に悩みつつ、ひたすら3Dダンジョンを捜索していく・・・という流れです。
この手のヤツが好きな人には、全体的にたまらん内容でしょう。
私はレベル上げやスキル育成的な所謂”作業”的な事を一人で黙々と進めるのが好きなタイプなので、それはもうお腹いっぱい楽しめました。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


そして本作を語る上で外せないのは、その物語。
本シリーズは、最低限の物語はあるが基本は黙々とダンジョンに潜るのみ・・・というタイプではなく、しっかり濃厚な物語があります。
前作である『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』は原田たけひと氏の可愛らしいキャラクターデザインに油断したプレイヤーの心をへし折る、たいへん容赦のない不穏で残酷なダークファンタジーでした。
しかし素晴らしい物語だった。
エンディングを観て、「なんて美しいエンディングなんだ・・・」と感動したのを覚えています。
ゲームという枠に留まらず、私の観てきた映画やマンガ等も含めたあまねくすべての創作物の中でもトップクラスに”美しい”エンディングだったという評価は今でも揺るぎません。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


で、今作はというと、やっぱり容赦が無いです。
プレイヤーは魔女に召喚された”魂”として、魔女マダム・マルタ、助手のユリィカとともに前人未到の大迷宮を探索し、”奇品”と呼ばれる特別な美術品を収集していく、というのが物語の始まり。
これだけ見るとロマン溢れる愉快なお宝探し大冒険のようですが、前作であれだけやらかしている本シリーズが、そんな甘い話で終わるわけがない・・・!

序盤からチラつく不穏な展開、物語が進みにつれて畳み掛けてくる心を抉られるようなダークでエグい展開。
巡る因果の応報と運命の収斂。
相変わらずキャラクターデザインの可愛らしさと物語のエグさのギャップが激しいったらない。
それでも展開が巧みなもので、とにかく先が気になってしまう。
気になって気になって、さらに迷宮を潜っていく。

やがて、失敗を繰り返し、絶望と後悔に塗れ、大切なものを奪われ続けながらも、主人公達が最後に到達した結末に、今回も私は”美しい”と感じました。
こんなに美しい終幕には滅多に巡り合えるものじゃない。
クリア時の総プレイ時間は100時間を超えていたのですが、それだけの時間を掛けるに値する物語だったと自信をもって断言できます。

(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 / 日本一ソフトウェア)


ということで、今回も育成&探索を楽しむ3DダンジョンRPGとしても、”美しい”ダークファンタジーの物語を楽しむという点でも、大満足です。

とはいえ、
・3DダンジョンRPGという人を選ぶジャンル
・システムが複雑で、戦闘難易度も高め
・物語が重くてエグいので、耐性が無い人にはキツい
・ラストダンジョンの仕様が鬼畜の所業
という要素が重なり、万人には気軽におススメできない所が悩ましい。

特にラストダンジョンは、本作の賛否両論ポイント。
ネタバレになるので詳細は語れませんが、これが相当やべーやつです。
本作をクリアした人に聞けば、高確率で
「物語は最高、育成や探索も楽しい、でもラストダンジョンの仕様は許さねぇ!」
という愛憎が入り混じった感想が出てきます。
物語的にラストダンジョンが果てしなき鬼畜仕様であることに大きな意味があるのは分からんでもないのですが、それにしてもね・・・
ちなみに、現在はアップデートで難易度が緩和されたので大分マシになっています。
それでもアレなんですけど。


ということで、ちょっと万人には推しにくい、いろいろとクセが強いゲームに仕上がっているのですが、本当に私は好きなゲームです。
3DダンジョンRPG好きで闇の深い物語に耐性がある人には、強く強く推薦したい。
世界観は共通していますが直接的な物語の繋がりはないので、前作『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』が未プレイでも問題ありません。
いや、前作も名作なので、合わせて体験してほしいですけど。
前作も今作も、PS・switch・steamと各環境で配信されているので、たいへんプレイしやすい!

本当にこの”美しい”物語を、一人でも多くの人の記憶に刻みたいと、そう願っております。


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