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変わらないために変わり続ける。

Googleマップに、「マンハッタン」と入力する。

こんな、島みたいな形をしているとは知らなかった。

面積で言うと、世田谷区と同程度らしい。

そこに、世田谷区の約2倍の人口がひしめいている。

ニューヨークに関して知っている事といえば、つい最近まで、「アッパーイーストサイド」と呼ばれる高級住宅街の名前だけだった。
確か、何かのドラマの原作本を読んでいて、チラッと目にしたのを覚えている。
海外旅行好きではあるが、行くのは日本より西側ばかりで、アメリカには余り、思いを馳せた事がなかった。

最近また、生物学者である福岡伸一さんの本を読み始めた。

今回読み終えたのはこちら。

「変わらないために変わり続ける-マンハッタンで見つけた科学と芸術」

これほどまでに、ニューヨークという街を、マンハッタンという街を、的確に言い表した言葉があるだろうか。

福岡さんによるタイトルに対する補足は、「(大きく)変わらないために、(常にごく小さく)変わり続ける必要がある。」との事。

止まる事は許されない。
常に歩みを止めてはいけない。

変わり続ける人、物。

絶え間なく新陳代謝を続ける、それがニューヨーク。

福岡伸一さんの研究、執筆のテーマである「動的平衡」。
ひと時も同じ場所に留まらず、常に消えては生まれ変わる細胞たち。

ニューヨークという大都会が、残酷で冷たい街に思えても、それでも多くの人々が魅了され続けるのは、ニューヨークが持つ「動的平衡」が、どこか私達の生命の在り方と、繋がる部分があるからなのかもしれない。


そう言えば、初めて福岡伸一さんの名を知ったのは、高校生の時。

何と、我が母校に、福岡さんが講演にいらっしゃったのだ。

その時の私は、生物分野に全く関心が湧かず、見事爆睡。(高校生って、眠い生き物なのよ。)

大学生になってから、ふと福岡伸一さんの事を思い出し、代表作「生物と無生物のあいだ」を読んでから、その世界にハマった。

高校生の時に眠りこけていた私を、殴ってやりたい。グーパンチ。


細胞が全て生まれ変わるのは、一般的に言えば3ヶ月。
当たり前だが、高校生の頃の私の細胞は、今の私の身体には無いはず。

だけどどうも、あの頃の自分と私が、大きく変わってないように感じられるのは、私が少しずつだけ自分を変化させて来たからなのだろうか。


いつかニューヨークに行ってみたい。

「動的平衡」を、この身体に一心に感じてみたい。

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