子供とのお散歩。約束はなにを言っても怒らない。
「今からパパであること辞める」
夏休みの間あまり遊びに行くこともなく、少々不満もたまっていたのだろうか。長男が何かにつけふてくされた態度を示していました。
ある日、妹に対してのあたりがあまりにも強かったので、外に連れ出すことにした。
「どうせまた怒られるんだろうな…」
そんな不満そうな表情を見せた息子に、言った言葉。
息子に対して言いました。
「今からパパであることを辞める。何を言ってもすべて聞く。悪口でも不満でも全部言っていいよ。ちょっと辛いとか、それはちょっとっていうことも全部聞く」と。
最初は当然のごとく無言でした。そこから出来るだけ息子が思っていそうなことを投げかけると、少しづつ口を開いてくれました。学校の事。僕に言われて嫌なこと。進路の事などなど。
正直聞いていると辛い意見もありました。これまでの子育てを否定されるような。想いから言っていたことが、全く届いていなかったり。そして学校生活もあまり楽しめていなかったことなど。
約束した以上、すべて聞きました。謝りもしました。そして想いを聞き改善してほしいことも聞きました。
するとどうでしょう。少し距離を置いて話していた息子が、そっと手をつないできました。その瞬間から息子の口から出る言葉に変化がみられました。愚痴や辛いことではなく、楽しいことや夢のことなどを語り始めました。中には「調子乗りすぎ?」のような発言もありましたが、全部肯定しました。
それまでも、親子の会話時間は長い方だったと思います。でも現実には言いたいことが言えない時間が長かっただけと気づかされました。
散歩から帰るとお風呂も一緒に入りたがり、いつまでも話し続けていました。事情を知らないママには「いつまでしゃべってるの」と怒られるぐらい。
それからは可能な限り夜のお散歩を続けています。いつしかルールは定着し、意見が合わなかったりすると「パパ散歩行くよ」と連れだされたり。
幾分寒くなってきた夜。疲れて気分が乗らない時にも、できるだけ散歩します。寒さの中に温かい子供の手のぬくもりを感じるために。
自分でも感じます。夜のお散歩を通じて、自分の心境も変わったこと。そして日頃の子供との会話も変わったことを。
いつまで付き合ってくれるのかわからない。きっと旅立つ時が来るでしょう。
寂しくも楽しみなその日まで。
ウェルビーイングはそれぞれ。でも思いもよらぬ身近にそれはあった。
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