見出し画像

街のド真ん中にドーン。サンフレッチェ広島の新スタジアムがすごい。

  サッカースタジアムが建設される場所は主に2種類ある。1つは僻地だとかの広大な土地に構えるタイプ、そしてもう1つは街のド真ん中にドーンっと佇むタイプだ。

 双方にはそれぞれの魅力があるため、一概にどちらが良いかと決定づけることはできない。しかし街の中心に構えたスタジアムの方が集客率、そして街のシンボルとしての効果も日本においては見込めるといっていいだろう。

そして現在建設中とされるサンフレッチェ広島の新たなスタジアム「エディオンピースウイング広島」も、街の中心でドーンとしているタイプものだ。

 来年2月に開業するとされるこのスタジアムは、広島の原爆ドームからもほど近く、観光客にとっても非常にアクセス性の高いものといえる。

 ここまで大きい規模の「まちなかスタジアム」はこれまでの日本にはなかった。私の地元である千葉市のホームチーム「ジェフ・ユナイテッド千葉」がもつ「フクダ電子アリーナ」も素晴らしいスタジアムではあるが、その立地は港沿いであり、生活に根差しているとは言いにくい。

 日本において、サッカー人気を加速させ、新たなファンを獲得するためには「エディオンピースウイング広島」のような、「日常から見えるスタジアム」の建設が必要不可欠であるように思う。

 サッカーチーム、スタジアムをその街の住民が誇りにもち、好きになってもらうためには、日々の生活のなかでもサッカーを「見る」ことができる環境が必要だ。サッカーになにも興味のない人を、わざわざ僻地まで連れていくことは難しく、今のサッカー界にはサッカーに対する人々の興味の取っ掛かりが大切だ。

「エディオンピースウイング広島」にはその取っ掛かりを生み出す力が十分にある。スタジアムが街のど真ん中にあることで、サッカーというコンテンツの盛り上がりや、スタジアム周辺で楽しそうにしている人々の姿を、まったくサッカーに興味のない人たちにも見せることができる。そしてそれを見たうちの誰かが「ちょっと様子を見てみよう」と思い立ってくれれば、それは大きな一歩だ。

 子どもたちが広島という街の絵を描くとき。「エディオンピースウイング広島」が原爆ドームの隣でドーンと描かれる姿が今から楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?