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「平和主義」の終わり

ロシアのウクライナ侵攻はいろいろな意味でショックです。

ネット世論を見ていると、改めて「9条」是非論が盛り上がっている。議論するには格好の機会ではありますね。

9条は憲法の「平和主義」を代表していると言われる。しかし、その「平和主義」の基本は、戦力不保持にあるわけではない、と私は習った(もしそうなら、すでに戦力は持っているので、すでに平和主義ではない)。

私の憲法知識はもう古いのかも知れないが、「平和主義」の基本は、「国連への信頼」にある、と私は習った。

それは9条よりも、むしろ憲法前文に表現されている。


平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。


この「平和を愛する諸国民の公正と信義」「平和を維持し・・・と努めている国際社会」とは、具体的には国連のことだと習ったんですね。

つまり、安全保障については、国連を「信頼し」て、国連の決定に従う、と。それが日本国憲法の「平和主義」の中身だと思っていた。

だから、9条がなくても、前文だけで、憲法の「平和主義」は保たれる。

しかし、今回の事態は、国連の権威を完全に失墜させ、「信頼」に足るものではないことをはっきりさせたと言えるでしょう。

国連安全保障理事会の最中に、常任理事国のロシアに裏切られたのですから。


もう日本人はほとんど国連を「信頼」していない。

その意味で、憲法の「平和主義」の前提が崩れた。

だから、9条の是非というより、前文を含めた憲法の土台を、根本から考え直さなければならないはずです。

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