あれえ? 自民党の派閥って・・・ マスコミの無責任について
自民党に派閥って、まだあるの?
年を取ると、記憶が混乱して、近いことを忘れたり、遠いことを近いと感じたりする。
そのせいだろう、自民党総裁選で派閥の話題ばかりになると、
「あれ、自民党の派閥って、なくなったんじゃなかったっけ」
と、ふと思って混乱してしまう。
たしか私が新聞社に入ったころ、そうだ1990年代、まさに河野太郎の父ちゃんが自民党総裁だったころだ。
「派閥が悪い」「派閥をなくせ」と連日のように新聞に書かれていた。
それで・・・派閥は公式になくなったはずだ。だって、しばらく新聞では「旧福田派」とか「旧田中派」とか、全部「旧」がついてたからね。
若い人は、そのこと自体を知らないだろう。
それにしても、なにが悪くて派閥はなくなったんだっけ?
それで、なんで、いつの間にか復活してるんだ?
マスコミは何も答えてくれない。
こういうことも分からずに死んでいくのかと思うと空しい。
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新聞が言っていることは、いつもその時だけ。
いつも「これが重要だ」と言うが、実はそれほど重要じゃない。
それが証拠に、新聞自体がすぐに忘れる。
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総裁選にからんでも、「モリトモ問題の解明」「安倍政治の精算」が最大課題のように言われているが、そんなこと気にしている人は本当にそんなにいるのか。
共産党や立憲民主党の活動家にとっては大事だろう。しかし、普通の人にとっては、たいしたことじゃないだろう。
それよりコロナや経済対策、安全保障が大事だと思ってんじゃないの? 自分たちの生活と命に直結するから。
それでも、マスコミから世論調査で「モリトモ問題ではもっと説明が必要だと思いますか」とか「このまま安倍晋三氏の影響力が大きくてもよいと思いますか」とか聞かれれば、「まあ、それは何とかした方がいいかも」とは答えるだろうが。
それで、ほら、世論もこう言っている、とマスコミが声を荒げる。
マスコミは、あなたに、この問題についてどう思いますか、とは聞いてくれれるが、世の中の何が問題だと思いますか、とは聞いてくれない。「マスコミが問題だ」と言われると困るしね。
マスコミは、自分が設定した問題で、世の中が動いてほしい。自分たちが世論をリードしたい、と思っている。
でも、そう思っているだけで、それが本当に問題だと思っているわけではない、ってことが問題なのだ。
そのことが「派閥」問題一つにしても分かると思う。
オレは逆に聞きたいよ。モリトモも安倍も問題だろうが、それ以前に、自民党の派閥が問題だろう?
「え、なにが問題なんですか」と若い記者なら言いそうだ。
1990年代の新聞を読み返してみればわかる。「派閥解消、派閥解消」と連日のように政治部の記者や論説委員が書いてたんだから、
今マスコミが問題だと言っていることも、見ててごらん、すぐマスコミ自身が忘れるから。
ちょっと皮肉っぽく書きすぎたか。
でも、長く生きてると、本当にそう思うのよ。事実として。
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