見出し画像

働くことはカッコ悪い?

あまりテレビは見ないのだが、家族とのコミュニケーションのために、ドラマをいくつか見ている。
朝ドラは必須、大河はたいてい見ているが今回のはパス。

さて、4月からのドラマだが、家族共通の見たいものがあまりない。
が、ひとつ気になるドラマがあった。
「悪女」

『悪女』(わる)は、深見じゅんによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたテレビドラマ。
漫画作品は、1988年から1997年まで『BE・LOVE』(講談社)に連載された。1991年、第15回講談社漫画賞一般部門を受賞。
テレビドラマ作品では1992年に読売テレビ製作・石田ひかり主演で日本テレビ系列で放送された。2022年にはキー局の日本テレビ製作により、今田美桜主演にて同局系列で放送中。

ウィキペディア

そうそう、これは就職して数年経ったころに流行った漫画だ。
いつもMさんが『BE・LOVE』を買ってくるので、それを見せてもらっていた。
今時の休憩時間は、それぞれにスマホ片手で「黙食」があたりまえだけど、当時の休憩時間といえば、テレビか、おしゃべりか、漫画ぐらいだった。

どうして今頃、34年も前の漫画をドラマ化したのだろう。
そっちの方が気になる。
そのヒントはドラマの副題 ~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~ にあるのかもしれない。

今は一生懸命働くのはカッコ悪いのかな?
「働き方改革」なんてことば(法律)が当たり前に使われるようになったのだから、それまでの働き方は異常だったのだろう。
確かにどこのCMでも「24時間戦えますか?」とか「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」とか、死にものぐるいで働くことを美化し、応援する風潮があった。
「サービス残業」とか「過労死」とか、「ブラック企業」、なんてことばからしても、働くということに対する意識の変化がみえる。

でも、それらは「働く」ということと「報酬をもらう」ということと「やりたいことをやる、または、やりたくないことをさせられる」ということのバランスが悪いからなんだろうと思う。

私は昭和の人間(という表現もちょっと抵抗があるな・・・)だからか、運がよかったからか、「働かせられる」という感覚はあまりなかった。
夜勤も辛かったし、残業も多かったが、あまり苦にならなかった。
今だからそう思うのかもしれないけど。

管理職になってから、あるスタッフの配偶者に「この病院はブラックだ」と言われて衝撃を受けた。
一生懸命働くことを疑いもしなかったが、イヤイヤ働いている人にとっては本当にブラック企業と言われても仕方のない現状だった。
(この場合は、なかなか帰宅しない妻に腹を立てた夫からの訴えだったが。)
多くの洗脳された職員によって成り立っているといっても過言ではない状況を認識したとき、呆然と立ち尽くす・・・感じだった。

労働基準監督署の指導が入るかもしれない・・・と戦々恐々としながら、負担になっている部分を可能な限り、見直した。
しかし、看護師という集団は良くも悪くも、くそマジメなのだ。
連綿と続く職業病(職業気質?)から、抜け出せない。

それは、ひとつには自らやりたくてやっている部分が少なからずあるからだと思う。
眼の前の病む人を前に「定時なので帰ります。」とは到底言えない。
定時には帰れるように業務量とマンパワーを調整することが必要だが、今の日本の医療現場ではそう容易いことではない。

「働くのはカッコ悪い」なんて思っている人はたいへんだろうな、と思う。
「働かずに悠々自適な生活」を夢見ていても、お腹はふくれない。
「働かずに悠々自適な生活」を送っている人も、私達が想像できないような苦労をしているんじゃないかな?

私は定年まで同じところで働けてしあわせだったと思う。
今もなお働けていられることも。
数多の岐路で導き、タイミングをつないでくれた多くの方々がいた。
そのひとたちに出会えたことに感謝したい。


タイトル画像は”さがこ”さんにお借りしました。
今の気持ちはこんな感じです。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?