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【仕事】若者は宝 006


#朝のルーティーン

私は毎朝、職場に着くと靴を磨きます。
磨く時間は約10分で、
ピッカピカにします。

それには理由があります。

どんなに現場から離れた場所に身を置いていても、現場で頑張っている若者たち、かつての部下たちのことを忘れないためです。

私の業界では昔から『とある風習』があります。
職場の一番若い人が管理職の靴を磨くことです。
とても綺麗に一生懸命に磨いてくれます。

ちょっと変な風習かも知れませんが、機関創設以来、恐らくずっと続いている風習だと思います。いつ始まったものなのか、なぜそうしてきたのかを正確に答えられる人は、恐らく今はいないと思います。
私も長く業界にいますが、明記された参考資料や内規などを結構真剣に探したことがありましたが、見たことがありません。

私も昔、下っ端の頃は上司の靴を磨いていました。
靴を磨く側の苦労も良く知っています。

20歳そこそこの若い子たちが、仕事が終わった後、自分がしたいことも我慢して黙々と上司の靴を磨く。

ゲームをしたり
漫画を読んだり
テレビを見たり

今風に言えば
ユーチューブを見たり
SNSをしたり

自分がしたいことを後回しにして、靴を磨いてくれるのです。

そこまでしてもらうのは悪いから…と言って辞退する人もいれば、
上司にしかできない仕事で彼らに報いるべきだ。
そう言っていた先輩もいました。

どちらが正しいのかはわかりませんが
自分が下っ端だったころは

上司はエライから靴を磨いてもらえる。
自分は下っ端だから靴を磨かなければならない。
その程度にしか思っていませんでした。

自分が磨いてもらう側になってはじめて、その真意に気付いたような気がします。これだけのことをしてもらうのだから、自分はそれ以上のことを彼らに全力で返してゆくことが『義務』ではなく『使命』なのだ。かつての自分がそうであったように、殆どの若者は組織の掟だからと、先輩の厳しい指導のもとに、懸命に上司の靴を磨いてくれる。

今の世の中、恐らくこのような古い風習が残っている組織は稀だと思います。もしも、時代に合わないからと、この風習をなくそうとしたとき、組織の根底にある何か大切なもの、単なる仕事上の上下関係が繋ぐものではない、人としての繋がりのようなものがなくなってしまうような気がします。

だから私は現場を離れても尚、いまだに毎朝、自分で靴を磨いています。

歳を重ねる毎に補職が変わり
どんなに現場から離れた
デスクワーク主体の仕事になろうとも
いつまでも現場の事を
あの子たちのことを忘れないように

事件は会議室で起こっているんじゃない。

現場で起こっているのだから。

古いオチがついたところで今日はこの辺で(笑)

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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