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ロックダウン後も二酸化炭素濃度が増加しているのはなぜなのか

地球温暖化の要因とされているCO2だが、2020年、世界中がコロナのパンデミックによるロックダウン、経済活動の自粛をしてきた結果、CO2排出量は世界で前年比5.8%減少したと言われている。

特にロックダウンが世界で顕著に実施された4月初旬は最大17%も減った。
街に人、車の通りがなくなり、光化学スモッグが消え、一瞬でもその透き通った空気の美しさに歓喜を覚えたのも久しい。

人々がお互いに思いやり、過剰な経済活動も抑えれば、世界が変わるんじゃないかと勝手に思っていた。私も周りも今まで以上に絆が深まったような気がしていた。

2020/3/29 気象庁より

日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2020年も陸上、洋上及び上空の観測全てにおいて観測史上最高を更新しました。
気象庁では、地球温暖化の主要因である大気中の温室効果ガスの観測※1を、日本を含む北西太平洋域の陸上、洋上、上空で立体的に行っています。

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2020年(1月~12月)の二酸化炭素の観測結果を取りまとめたところ、地上観測地点、観測船による北西太平洋域の洋上、航空機による日本の南東上空の濃度はいずれも観測史上最高を更新したそうだ。グラフを見ると誰でも分かるくらい上昇している。

通常社会経済活動により排出されたCO2の約半分は陸域や海洋に吸収され、年々の増加量は自然の変動に大きく影響されます。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限措置等の影響により、2020年の世界の人為起源の二酸化炭素排出量は、前年に比べ減少したことがグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)で報告されていますが、その減少量は大気中の二酸化炭素濃度の観測データからは検出できません。日本付近における大気中二酸化炭素濃度は引き続き増加しており、今後も監視を継続していきます。

単純計算で考えると、人為的CO2排出量が減れば、大気中のCO2濃度も少しは減少するのではないかと予測できるが、そう簡単にはいかないらしい。

CO2濃度が増加しているのは日本だけではない。

温暖化の原因となる、化学汚染物質、CO2などの温室効果ガスは削減できたが、
それだけでは世界気象機関(WMO)は、地球温暖化の抑制は成功していないといっている。

WMOによれば、二酸化炭素濃度は2019年に再び上昇に転じて、2020年も続いて上昇している。1990年以降、気候変動の原因となる温暖化効果のあるガスは45%増加しており、CO2はこのうちの5分の4を占めている。

世界でも、経済活動を一時的に抑えてもCO2濃度減少とは繋がらなかった。

ただ、だからと言って自粛してもしなくてもCO2濃度が変わらないなら、何も今の生活を変えなくても良いじゃないか、なんて言うのはあまりにも自虐的過ぎる。現にそのまま活動を元に戻せばCO2濃度は確実に高くなっていくだろうから。

前回のnoteでCO2排出量は欲望、エゴの排出量と書いた。

CO2濃度は今までの過剰な経済活動の堆積でもある。
産業革命前に比べるとCO2濃度は40%増加し、特に北半球での増加傾向にあるという。

欲望、自分が良ければそれでいいというエゴの思いは消えることなく、空気中にどんどん堆積しているということだったとしたら。

これはかなりタチが悪そうだ。蓄積されたものは今現在のものだけでなく、過去の遺物も入っているだろう。

CO2濃度として観測され、しかも、どんどん増えていく欲望の塊。
いや、自分はそんなつもりはない、なんて思っても過去のやらかした恥ずかしいものは証拠として残ってしまっている。

大気中のCO2はどんどん濃くなっていき、もはや悪想念となって、温室効果ガスとなり、私達の生活を脅かしている。

そして、そもそも実際人々が温室効果ガスを出して困るのは地球じゃなくて、結局は人間が住みにくくなる、ということで。

自分で食べて飲んで散らかしたゴミ(CO2が)部屋の中で山積みになり、ついにゴミ(CO2)が生活環境を圧迫するほど増え、汚部屋になってしまった。

汚部屋の住人が人間で、そのゴミを増やしたのは人間張本人という話。

原因と結果の法則、因果応報、自分で撒いた種は自分で刈り取らねばならない。

現実は厳しい…けれども反省しなければ前に進めない。今まで自分がやってきた事を反省して、これからは地球、人々、全てのものに感謝していくしかない。

人々の活動、そして人の手による経済が、会社や社会を通して、儲け主義、唯物主義、自己愛から、他人を思いやる経済、お互いに活かし合う経済、そういう思いにシフトしていかなければ、益々状況は変わらないだろう。

サスティナブル、フードロス解消など、衣食の見直しが始まっているけれど、一時的なブームでは終わらせない、永続的に知恵を絞っていく必要がある。

今緊急事態宣言で百貨店や飲食店の皆様は非常に厳しい状況だと思う。
コロナで経済活動を余儀なく制され不満に思う方もいるだろう。

基本は他人も自分もどう幸せに活動していけるか、だろう。そして決して自分が飲食店でないから大丈夫、なんて他人事にはできない。

今すぐ自分にできることはないか。まずは自分の心に聞けば答えは出てくるはず。正しい道とは何か。

知人者智、自知者明。
 人を知る者は智、自ら知る者は明(めい)なり。

他人を理解する事が出来る人は、智者であり、
自分自身を理解する事が出来る人は、明者である。


勝人者有力、自勝者強。
  人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。

他人に勝つ者は力があるが、
自分に打ち勝つ者は本当に強い。


知足者富、強行者有志。
  足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。

満足する事を知っている者が本当に豊かな人で努力を続ける者は志が遂げられる。


不失其所者久。
  その所を失わざる者は久し。

自分本来のあり方を忘れない者は長続きする。


死而不亡者壽。
  死して而(しか)も亡びざる者は寿(いのちなが)し。

死にとらわれず、「道」に沿ってありのままの自分を生きた者は長寿である。

老子の言葉だが、今この時、必要な訓示かもしれない。

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