夏の風物詩、スイカを掲げる
こんにちは、中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるクリエーションブランド「架け箸」です。
恐ろしいことに、今回のガザ侵攻開始から10カ月が経とうとしています。
秋めいていた当時から季節はもう夏真っ盛りになりました。
昨年11月、有志数人で「 #停戦を求めるすいかバトン 」が企画されました。
これは意見を言いにくい人も意思表示をしやすいようにパレスチナのシンボルであるすいかの絵を平和への思いと一緒にリレーしていく試みです。
でもなぜすいか？とよく尋ねられるので、夏を迎え、改めて自分でもパレスチナとすいかの関係を調べ直してみようと思います。
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すいかの名産地
温暖な農業地帯であるパレスチナでは、北の町（ジェニン）から沿岸の町（ガザ）まで広い範囲ですいかが栽培されています。
暑い夏の清涼剤として愛されるすいか。私のパレスチナのホストファミリーの家でもたまにすいかが食卓に並んで「今日はすいかだね！」なんて盛り上がり、
「すいかはジブネ（塩気のある白チーズ）と一緒に食べると美味しいんだ」と教えてもらいました。日本でも塩と合わせるのが近い感覚ですね。
◆すいかとチーズのサラダ
このレシピの中で出てくる以下の組み合わせ、最高なので是非お試しあれ。
パン
すいか
白チーズ
オリーブオイル
ザータル（タイム系のハーブミックス）
＊オリーブオイルやザータルはパレスチナ産のものも日本で入手可能です
お客さんを引き付けるために頭にすいかを何個も載せてパフォーマンス売りをする商売人がいたり、
また、ガザでは熟しきっていないすいかと茄子とトマトをローストして春のサラダにするのだそう。
馴染んだ食材ですが、知らない調理法がいっぱいあります。
・・・と思ったら別記事では、「それはガザでも好き嫌いが分かれる料理で、ルーツはエジプトのベドウィンの料理だ」とのこと。
その記事によれば、熟れていないすいかを火で炙って皮を剥き、果肉を炙ったナス、薄切りしたトマト、レモン、ニンニク、タマネギ、オリーブオイルと混ぜる。それを焚き火の灰の中で焼いた特別な生地（パン？）と一緒に食べるというもの。
手で混ぜる調理方法が敬遠の理由だが味の評判は上々、とありますが、他の料理も普通に手で混ぜるし、詰め物系なんてどれほど手を使うことか。一度調理シーンを見てみないと真相はまだ藪の中です。
すいかカラーと国旗カラー
すいかがシンボルになったのは、1967年のこと。
イスラエルが現在のパレスチナ（ヨルダン川西岸地区＋ガザ地区）を完全に占領した際に、国旗掲揚を禁じる法律を作ってからです。その数年後には芸術作品の中で国旗を描くことも禁じられました。
その後93年のオスロ合意により、67年に占領された地域の部分的な”自治”が開始され、旗の禁止は撤回されたものの、イスラエル当局はその後も国旗に敏感で、デモの場面ではしばしば国旗や旗手が狙われ、逮捕されることもあります。イスラエルの裁判所が国旗掲揚は無罪とする判決を出した前例もあるものの（2021年9月）、国旗へのセンサーシップは年々高まっているようです。
2023年1月、イスラエル国家安全保障相が警察に対し公共空間にあるパレスチナ国旗の押収を命令、続く6月には国の資金が投入された施設でのパレスチナ国旗掲揚を禁じる法律が可決されました。
これに対して、ユダヤ人とアラブ人（ともにイスラエル市民）でつくるZazimという人権団体が、イスラエルの主要都市でタクシーにすいかのデザインを載せ、「これはパレスチナの旗ではありません」と書いて走行する抗議活動を2週間展開しました。
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昨年秋のガザ侵攻以降、すいかはより一層シンボルとして芸術作品や呼びかけに使用されています。
（昨年秋以降も、国旗をSNS上に掲揚して逮捕されたパレスチナ人がいます）
街中がすいかで溢れています。
だから苦手な方は絵にする必要もありません。
すいかを見つけたら写真を撮って、
ハッシュタグ「 #停戦を求めるすいかバトン 」や「パレスチナ」を記して投稿＆拡散を。
🍉参照サイト
The fruits of Palestine and their symbolism | Food News | Al Jazeera
The Palestinian flag: A target for ‘erasure’ by Israeli forces | Occupied East Jerusalem News | Al Jazeera
Watermelon acrobatics on Palestinian streets - CGTN
Gaza farmers grow watermelon on former Israeli settlements | The Electronic Intifada
「スイカ」がパレスチナへの連帯で使われる理由。愛される食べ物が抵抗のシンボルになるまで | ハフポスト WORLD (huffingtonpost.jp)
ガザ地区のパレスチナ人、異色のスイカグルメに分かれる反応｜ARAB NEWS
🥢架け箸のスケジュールや日々の発信は
架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。