経済学検定試験(ERE) ランクS体験記

17年前に受けた試験ですが、参考になればということで記事にしました。

試験概要

少し前まではマークシート方式のペーパー試験が実施されていましたが、今現在はCBT試験のみの実施となっています。筆者が受験したのは、CBTが世の中に普及する前の時代です。

また、2019年12月試験までは、EREミクロ・マクロ(500点満点)のほか、財政学・金融論・国際経済・統計学・時事経済(各100点満点)がセットになったEREが実施されていました。筆者は、ミクロ・マクロ限定ではなく、セットになった方のEREでランクSを取得しています。もちろんミクロ・マクロだけで判定してもランクSです。

公式HPはこちら

現行試験は、四肢択一式50問を90分で解きます。問題自体は国家総合職よりやさしいですが、基礎の定着度合いを確認するのには適していると思います。地上・国家一般職ならこのレベルで十分ですし、都庁ならお釣りがくるレベルですね。なお、都庁は大卒レベルの中でも問題自体はやさしい方です。

ということで、公務員試験の練習としてはかなり使えると思います。特に独学の方は、模試代わりに受けることをおすすめします。

試験委員

触れといた方が良いと思うので一応。

試験委員長
西村 和雄
京都大学名誉教授/神戸大学社会システムイノベーションセンター特命教授/日本経済学会第32代会長/ロチェスター大学Ph.D
試験委員
浅子 和美
立正大学経済学部教授/一橋大学名誉教授/イェール大学Ph.D
井堀 利宏
政策研究大学院大学特別教授・東京大学名誉教授/日本経済学会第42代会長/ジョンズ・ホプキンス大学Ph.D
大村 敬一
早稲田大学大学院経営管理研究科教授
福田 慎一
東京大学大学院経済学研究科教授/イェール大学Ph.D

経済学の教科書を書いてる有名人ばかりです。ちょくちょく交代する公認会計士の試験委員よりも粒揃いかなと思います。

成績判定

合否の判定はなく、受験者の中でどれくらいに位置するかを偏差値で表し、これでランク判定を行っています(CBT方式の判定は公式HP参照)。

S   偏差値73(上位1%)〜
A+偏差値66〜73(上位1.1%〜5.0%)
A  偏差値60〜66(上位5.1%〜15.0%)
B+偏差値55〜60(上位15.1%〜30.0%)
B  偏差値47〜55(上位30.1%〜60.0%)
C  偏差値37〜47(上位60.1%〜90.0%)
D  偏差値〜37(上位90.1%〜100.0%)

ランクそれぞれの到達水準は次のとおり説明されています。

S  経済学の専門的活用を目指す方に必要とされる高度な知識を習得しています。
A+大学院(経済学研究科等)で専門的な研究を始めるのに十分な知識を習得しています。
A  大学の専門課程程度の知識を習得しています。
B+経済学の基本・基礎知識を十分に習得しています。
B  経済学の入門知識は習得しましたので、基礎知識の学習に進んでください。
C  経済学の不得意分野に重点を置いた学習を行ってください。
D  経済学の基本に立ち返り学習を行ってください。

筆者の受験結果

スコアレポート

画像1

偏差値74.7でランクSを取得しています。順位は3位です。ミクロ・マクロだけでも同じですね。

こちらに当時のランキングが掲載されています。筆者が受験したのは第5回です。

1位の方はエコノミスト、2位の方は予備校講師で3位が筆者ですね。LECで公務員試験教材を作るお仕事をしていたので、勝手に所属先として使わせてもらいました…LECの正社員ではないです(笑) 

公開されている所属でいうと、学生は筆者の下に京大3人、慶應1人、神戸大1人、東大3人、東北大1人…などといった感じです。大学院でコースワークやってるだけの人よりも、公務員試験対策やってる人の方が成績が良い傾向にあったのかなと思います。

学習方法

公務員試験対策でほぼ万全です。こちらをご参照ください。

また、過去問を解いておくとなお良いでしょう。

公式HPを見ても在庫がないようです(笑) CBT用の新刊が出るんでしょうか…。

受験するメリット

前述のように公務員試験の模試代わりになるほか、大学院受験の準備にもなります。

一定以上の成績なら筆記試験の専門科目が免除になるというのが多いですね。有名どころでは、一橋大学の公共政策大学院もあります。

一橋大学の経済学研究科では免除特典はありませんが、ランクSの筆者が過去問を見た感じではかなり簡単に感じました。当時の話なので、今の傾向は分かりませんが…。ちなみに東大に関しては、あまり親和性がないかなという印象です。

なお、筆者は大学院受験をしていないので、情報としては割引いてご利用ください

おわりに

古い時代の話も多いですが、それを考慮の上で参考にしていただけると幸いです。

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