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「いってらっしゃい」と送り出せる文化☺滋賀レイクス

湧川颯斗選手→三遠ネオフェニックス
柏倉哲平選手→川崎ブレイブサンダース
川真田紘也選手→長崎ヴェルカ
キーファーラベナ選手→横浜ビーコルセアーズ
ライアンクリーナー選手→レバンガ北海道
ジャスティンバーレル選手→ライジングゼファー福岡

今までは泣きながら選手の移籍を受け入れるしかなかったレイクスに、「いってらっしゃい」と選手を笑って送り出せる文化(心の余裕?)ができてきた。少し恥ずかしいことだ。B1で上位を目指す強豪チームとは真逆の道を進んでいる。

原TAKATO社長のコメントを読んでいても、やっぱりレイクスは選手が望んでいるお金(年棒)を払えないんだな…と、いさぎよいのだ。
例えば自分の家庭の予算を考えてみても、新しい性能のいい電化製品を毎年買い換えたり、家政婦さんを雇って家の中を掃除してもらったり、週に一度海外の高級レストランで外食したり、子供にたくさん習いものをさせたり、そんなことできない。新製品なんて使わなくても生活できるし、掃除だって自分でするし、レストランなんて行けないから贅沢はしない、子供は公園で走り回っている。自分の私生活も「レイクス」なのだ。お財布事情は一緒である。


来シーズンは、田原選手、野本選手、森山選手、宮本選手、江原選手、、、と、5人は契約を継続してくれている選手がいると確定している。これはレイクスにとっては多い方だ。絶望することではない。

移籍する選手は皆、B1の、好条件のチームへと移籍を決めているし、バスケキャリアでいえば“ステップアップ”したと言っていいだろう。僕たちレイクスブースターにとっても「誇り」だと思えるようになってきた。

レイクスでは勝てなくて、最下位争いばかりして、苦しい思いをしたけど、強豪チームでは見える景色が全然違うと思うので、自分のバスケキャリアを充実させて、ポジティブに活動してほしいと思う。


いい関係、いいイメージで退団していく選手は、「送り出す」「レイクス卒業」という意識を持てるので、すがすがしい。本当の家族のような、うれしい気持ちになる。我が子を関東の有名大学に進学させるイメージだ。東京の企業に就職して、社会人として立派に生活してくれたら、親としてもうれしい。そんな感じだ。

レイクスブースターの間では、「いってらっしゃい」と言って選手を送り出す文化が出来てきている。こんなに気持ちのいいチームがあるだろうか。まるで大雨洪水雷警報の出ている天気があけてカラッとした晴天のような気持ちの持ちようだ。もう、今まで何度も理不尽な移籍を経験してきたから泣きすぎて、もうさすがにこれ以上涙は出ませんよ…といった具合か。白旗、降参、開き直りの、笑顔の「いってらっしゃい」なのかもしれない。

しかしその気持ちには、選手と「家族」のような濃密な時間を過ごせたという満足した気持ちもある。先ほど例にあげたような、子供を関東の有名大学に送り出す時の「おめでとう」と「頑張ってね」と「元気でね」と「ありがとう」と「応援しているよ」と「いつでも帰ってこいよ」と「大好きだよ」と、、、いろんな感情が混ざった中から出る「いってらっしゃい」なのだ。

だから選手は後ろめたい気持ちなど持たずに、堂々と自信をもって、レイクスを出てほしいものだ。

だから、もしも来シーズンの契約が決まっているならコソコソと隠さずに、決まった時点で言ってくれてもいい。ブースター感謝祭だとか、最終戦のあとのセレモニーだとか、ファンがたくさん見守っている中で、自分の言葉で話してほしいと思う。その正直な表情や言葉選び、レイクスに対する感情を聞きたいのだ。
アルミホイルくんなんかに聞かされて知るよりも、何百倍もうれしいから。

Bリーグのルールとか、バスケ界の習わしはどうだか知らないけど、レイクスは独自の文化を持っていいと思う。しっかり本人の言葉で気持ちを聞ける、そして、ブースターも笑顔で祝福できる、送り出せる、そんな場所が独自に作れたら、レイクスはもっと魅力的なチームになれると思う。
今度は選手の方から「滋賀でプレーしてみたい」「滋賀に戻りたい」と思ってもらえる、忘れがたい、魅力的なチームになれると思う。


来季、滋賀でプレーする「新契約」の選手の顔ぶれを見てほしい。今季B2でプレーしていた若手選手がほとんどだ。台湾学生界のトップ選手もレイクスでプロキャリアをスタートさせる。すごいチームだ。フレッシュで魅力的である。

レイクスはアイドルグループの文化に似ているかもしれない。選手の退団は「卒業」であり、新しいピチピチした若手を「新メンバー」「2期生、3期生…」として向かい入れる。
若手選手や、活躍の場の少ない選手を、B1で主力として起用させてあげれる、「夢のある」、裏を返せば、「踏み台」のようなチームだ。選手にとって便利であり、レイクスで自信をつけて、また次のキャリアへとステップアップさせてゆけばよい。
レイクスが長年培ってきた文化は、そういうチームへと変貌してきたのだ。

これからもレイクスは我が道を行けば良い。

面白いチームである。



笑顔で「いってらっしゃい」と送り出せる文化。

滋賀レイクスの作り上げた、Bリーグの中での「価値」である。

そしてまた、その文化は、次の新しい“スター”へと受け継がれて行く。

滋賀レイク“スター”ズである所以が、そこに秘められているのかもしれない。



いつまでも新しく、輝き続けるチームであってほしい。