連絡とれる安心から緊張感を高め効率UPを目指すには?
携帯電話ありがとう。いつも一緒にいてくれて、おかげさまで、「いつでも連絡ができる安心」を手に入れた。引き換えに、何かを失ってはいないだろうか?
「大丈夫。いつでも連絡できるから」と、例えば、人との待ち合わせ。
「じゃ、駅ついたら連絡してね」
「今。どの辺?」
「わかった。そこら辺。着いたらまた連絡するねー」
うんうん。何かに超便利。けれど、いつからか待ち合わせの時間も場所も曖昧になった気がする。それでも会えるし、待ってる時間もただ待ってる時間ではなく、活用もできるから。それは、それで、ありがたくて。私もその一人でもあります。
私の仕事との関わりから考えてみる
建築をしている私たちの仕事の現場には、通常電話はありません(大きな建築現場では仮設事務所がある場合もありますが)。一般的な住宅の建築現場では、連絡方法はほぼ完無です。そして、その(以前は)一切連絡方法のない地帯に、物資が運ばれ、各種の職人さんたちが作業をしていくわけです。
それでは、その昔(っていつ頃?)、携帯電話の普及していなかった頃の現場ではどうだったのでしょうか??とタイムスリップしてみましょう。
例)携帯電話の無い:昭和◯年◯月◯日 ◯◯邸オーダーキッチン搬入日
◯月◯日/マイナス1週間前頃:事前確認「◯◯邸のキッチン搬入の件大丈夫ですか?」ここで遅れがなしか?問題なしか?予定をしっかりと確認。搬入先情報もFAX(なつかし)
◯月◯日/前日:搬入業者さん・施工店さん・現場監督・その他関係各位に確認の電話。搬入時間→施工時間→関連工程など、ほぼ完璧にタイムスケジュールもバッチリ
◯月◯日/当日:遅刻は厳禁!(連絡方法が無いですから、誰もが遅れはありえない)交通トラブルも考え、予定の1時間前には現場着へ
基本、関係者全員が最高に段取ってくるので、スムーズに搬入施工となります。
※そして、現場近くてまず探すもの、「公衆電話」:もし仮に何かあった場合にはすぐに連絡できるように。この公衆電話が、大変の人気者で現場関係者で電話待ちの列ができることもありました。
※その他現場での確認事項も、すぐに画像も送信できなないから、何かあれば、OK行って確認するよ!と、現場に駆けつける、ついでに関係部位もすんなり進捗するので、現場で欲しいタイミングに、必要な人がするりと現れて、しなやかに現場が進んでいく感じなのでした。
最近と違うものはなんだったのか?と自分でも考えてみると、今よりも常に「連絡を簡単にできない、もっと大きな緊張感」があったのだと思います。もちろん、今でも上記のプロセスは今らしい方法に変わっただけで、基本的には一通り行われているのですが、でもやはりいざとなったら、「電話ですぐに連絡が取れる!」という安心感は、その時の緊張感をだいぶ上まっているのだと思います。
連絡を取れない前提での緊張感を和らげてくれるものは、「段取り」およそ段取りの量と緊張感は反比例します。だから、とことん段取るしかなかった!結果すんなり現場が進む(ことが多かった)、だって高い緊張感に見合うほどの段取りする訳ですから。逆を考えれば、安心感が高まれば緊張感は減りやすい。ゆえに段取り量の減少が発生しているかもしれない(仮定)。
ひと現場あたりにおいて、この段取り量の僅かな減少が、各所で発生した場合、一つ一つは小さくても、積み重なって大きくなるのかもしれない。これは、実は現場に限ったことではなくて、最近よく言われるコミニュケーション不足も、これらの起因とも考えられはしないだろうか?
そもそも、携帯もメールもラインもなかった頃に、私たちはどうやって連絡を取り合っていたかな?
近くにいれば、声かけ合うし。電車の中でもよく話す。ランチタイムも見つめ合う(わけじゃなくても、しっかりと相手と向き合う感じ)。現場のやりとりは、直接話すがベースでの、会話や電話が飛び交っていて、結果早かった!
送信→返信 のタイムラグが無いんだもん。
昔は良かった!とか私は懐古主義ではありません。けど、その頃の方が結局色々早かったように実感することも少なくない現実。…ということで、回答を宜しくお願いします。なんて、メールのお返事待ってはいられなかった。というかお手紙書くわけでも無いし、その中間の方法がなかったから、回答を求める場合は「聞く」しかなかったのかもですね。
私は、海外出張や海外研修スケジュールも組んでいくことが多いのですが、実はこの工程調整は、ひと昔前の現場対応ととても似ています。海外という非日常でどちらかといえば不慣れで未開拓な場所の中で、安全に効率よく行動していくことを考える。限られた時間の中を最大限に活かす。日本語ではない圏外の地で、すぐには対応しにくい状況で…そんな中で、最短距離の最高結果のミッションを達成するには??を組み立てていくのです。もう段取り度をあげるしかないのです。
まとめ
何が言いたいかといえば、携帯電話は便利です。けれど、もしそれが無くてもスムーズな進行ができるつもりで段取る。つまり、携帯電はを一切使わなくても(必要な場面にならないように)進められるような最短距離と最高結果で考えてみる。つまりは例え連絡の取れない現地に行っても困らないようにしておく。結果的に効率はUPし、周りや全体も気持ちよく速やかにすすんでいくのです。(…と言いながら、書き終えた私もきっと、携帯をチェックしてからの、次のアクションになるのが現実ではあるのですけどね。)
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