ケアマネ試験の受験資格緩和は必要?
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「ケアマネ試験の受験資格緩和は必要か??」をテーマに書いてみたいと思います。
先日関東の10都県からなる関東地方知事会が「介護支援専門員実務研修受講試験(以下:ケアマネ試験)」の受験資格の緩和を国に求めたというニュースを読みました。
緩和を求めた背景には「ケアマネ不足」があります。
私はこのニュースを見て「試験資格の緩和ではなく、今現在ケアマネ資格を持っている人が働きたくなる処遇を作り出す方が先決」だと感じています。
今回はなぜケアマネ試験の受験資格を厳格化したのか?そして、今回なぜ再び緩和を求めているのか?を踏まえて私の結論「緩和ではなく、処遇改善を!」に繋がるのか書いていきます。
お付き合いください。
そもそもなぜ受験資格を厳格化したのか?
2018年度からケアマネ試験の受験資格は厳格化されました。
理由は「ケアマネの資質向上を図る目的」で「実務経験のある介護福祉士以外の介護職員」の受験資格を除外しています。
要するに「国家資格」を持たず「相談援助職」についた経験もない「介護職」は資質が足りないと国が判断したわけです。
2018年度以前は「介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級)」でも5年の実務経験があればケアマネ試験を受ける資格がありました。
無資格でも10年間介護等の資格に従事した人はケアマネ試験を受験できました。
しかし、2018年以降は国家資格を持った上で5年の経験か相談援助業務5年の経験以外は受験資格が得られなくなったわけです。
これは先ほども書いたように「資質向上」が目的。
国家資格を持ち専門領域で5年の経験もしくは相談援助業務を5年経験した専門職がケアマネをやることで「資質向上が見込める」と国が判断した結果です。
その結果、2018年度以降ケアマネ試験の受験者数が2017年度以前に比べて4割程度と激減しました。
ではその結果が「ケアマネ不足」を招いたのか?
私はそうは思いません。
ケアマネの資格保持者はどれくらいいるの??
ケアマネとして働いている人は常勤換算で「15万3597人」(令和2年10月)。
ではこれまで全25回のケアマネ試験合格者数は何人になるのか?
答えは「73万9215人」です。
資格を持ちながら働いていない人がざっと「55万人以上」いるということ。
ちなみにケアマネ資格保持者を基礎資格別に上位3資格に分けると
介護福祉士「33万225人」
看護師「17万4930人」
相談援助業務等従事者「7万9215人」
となります。
ケアマネの多くが基礎資格「介護福祉士」ですが、現在働いているケアマネの基礎資格が全て介護福祉士だとしても資格保有者の半分しかケアマネをやっていないという計算になります。
この数字だけ見ても受験資格の緩和ではなく、資格保有者が「ケアマネやろう」と思える制度や報酬にする必要があるということが明確ではないでしょうか?
ケアマネ不足はケアマネの資格を持っている人が少ないのではなく、ケアマネとして働いている人が少ないだけです。
なぜケアマネとして働かないのか??
これは様々理由はあると思いますが、一番は給料の問題だと思います。
介護福祉士として5年以上働いていて、処遇改善加算等の報酬も支給されている「介護職」であれば余裕でケアマネの給料は超えるでしょう。
20年前のケアマネは介護業界では高給だったと思いますが、今では長年働いてケアマネの資格を取っても、ケアマネになったら給料が下がる。
よほどケアマネという仕事に情熱を持って飛び込む意識がなければ給料下がってまでケアマネやろうという人は少ないでしょう。
ましてやケアマネ資格保有率第2位の「看護師」なんてわざわざケアマネをやるメリットがありません。
強いて言うなら「夜勤がない」くらい…。
ケアマネ不足はケアマネの資格保有者が増えても解決には至りません。
ケアマネ不足を本気で解決するつもりであれば、受験資格緩和という選択肢ではなく処遇をどうすれば改善できるかを考えた方がよほど現実的です。
正直今回のニュースを見て「安易なこと言ってるな…。真剣にケアマネ不足について考えて知事会は国に提案しているのかな?」と呆れました。
とは言え嘆いていても仕方がない。
ケアマネ不足は確かに深刻です。
私はケアマネとして常に求められる人材でいられるように知識と経験を積み続けたいと思います。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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