マガジンのカバー画像

エロティカ掌編小説集

3
手のひらの小説を書いています。 鯛一匹より鯵百匹。 調理人の修行の言葉だそうです。 鯵百匹の小説修行中です。
運営しているクリエイター

記事一覧

青空から舞い降りてきた美しい唇

青空から舞い降りてきた美しい唇

雲の重なりの隙間に
青空があった。
凄みのある青い空だった。
まるで神々が戯れている青さだった。
その青空から女が舞降りてきた。
慈悲に満ちた
憂いに満ちた顔だった。
僕に被さり口づけした。
空の味がした。
遠い昔に死んだ彼女だった。
僕は幼子のように顔を崩して泣いた。

桜吹雪きのなかで愛を交わして

桜吹雪きのなかで愛を交わして

桜の木の下で彼が私を横たえた。

愛してる

彼はそう言って口づけした。
彼の掌が胸に滑り込み乳房をまさぐった。
もう一方の手がスカートの中に優しく忍び込み、しなやかな指がパンティーの中に入り込んだ。
冷たく、でも熱い指だった。
生き物のように私の花唇をなぞり、開き、肉芽を摘まんだ。

ア~ッ

思わず声が出た。
私に被さる彼の彼方で桜が吹雪いていた。

リゾートホテルの朝。幸せなゴックン。

リゾートホテルの朝。幸せなゴックン。

流れる夢の中で、私は怯えながらもがいていた。
それは、私の過去にまつわる嫌な夢だった。

暗い部屋。
獣のような囁き。
悪臭。
私の顔を貪るように舐める大きな舌。
涎が顔に塗りたくられていた。

その獣は叔父さんだった。
高校三年生の時、事情があって、私は叔父さんの家族と一緒に住んでいた。
叔父さんは時折私の部屋に忍び込んで来て、私を脅しながら、私の乳房やバギナ、アナルを貪った。

私は唸り声を上

もっとみる