【ブックレビュー】 緋色の研究|いざ、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズの世界へ
ホラティウスの詩にでてくるという詩を締めくくりとして幕を閉じるアーサー・コナン・ドイルの『緋色の研究』。
世界的名探偵「シャーロック・ホームズ」と助手として手記を書いた「ジョン・H・ワトスン」の物語。
その最初の一冊。
もちろんシャーロック・ホームズは知っていたし、さまざまな派生作品を見たりホームズが登場するアニメ・マンガも読んできましたが、
原作をちゃんと読んだことは一度もなく。。
これはよろしくない、
と思い、今回読んでみることにしました!
『シャーロック・ホームズ』シリーズの順番
一般的に言われている『シャーロック・ホームズ』シリーズの時系列は以下の通り。
『緋色の研究』(長編)
↓
『四つの署名』(長編)
↓
『シャーロックホームズの冒険』(短編集)
↓
『シャーロックホームズの思い出(回想)』(短編集)
↓
『バスカヴィル家の犬』(長編)
↓
『シャーロック・ホームズの帰還』(短編集)
↓
『恐怖の谷』(長編)
↓
『シャーロック・ホームズの最後の挨拶』(短編集)
僕はこの時系列に沿ってとりあえず、短編集の『シャーロックホームズの冒険』まで読んでみるつもりです!
ぶっちゃけ、『緋色の研究』から読む必要はない
上述の順番、実は「1作目『緋色の研究』と2作目は『四つの署名』は読まなくてもよい」と言われています。
確かにホームズシリーズには時系列が存在するのですが、前の事件が次の事件に影響する、ということはありません。
所々にでてくる「あの時の〇〇事件は、、」みたいなところが「そんなものもあったんだ〜」と流せるのなら、短編集で読みやすい『シャーロックホームズの冒険』から入ることをオススメする人もいるくらい。
実際僕も、むかーしに一度、kindle unlimitedの無料期間中に『シャーロックホームズの冒険』は読みましたからね。
それでもやはり、「"王道"は時系列に沿って『緋色の研究』から読むルートだろう」と思い、読んでみたわけです!
『緋色の研究』の感想
そもそもホームズシリーズは、「ワトスンの手記」という体裁を取っています。
ですので物語は「ワトスンの視点」で動いていきます。
ホームズシリーズの第一作ということで、冒頭はワトスンとホームズの出会いから。
ホームズの特異な観察能力や推理力が描かれつつ、二人で挑む最初の事件「緋色の事件」へと物語は進んでいきます。
読んでから驚いたのは、『緋色の研究』ではホームズが推理をして犯人を見つけ出すのは半分ほどしかない点。
残りの半分は、犯人が自身の犯行動機を物語るものになっています。
なので、「純粋にホームズの推理が見たいんだ!」という方は、拍子抜けするかもしれません。
(てか、僕は拍子抜けしました。笑)
ですがとりあえず読んでみようか、と読んでみると、これはこれ、一つの物語としておもしろく感じました。
あまりに身勝手な仕打ちと理不尽な過去、犯人の長きにわたる怨み、犯行に至るまでの強い想いが募るまでの物語が語られており、とても感じるものがありました。
場面としては、探偵小説の"華"である探偵の推理がまったくでてきませんから、そういう意味で、推理ものとしては異質です。
逆に「内容の約半分が犯人の過去」という構成が、評価された一つの要因なのかもしれませんね!
「あくまでアーサー・コナン・ドイルの作品を読んでいる」と考えることができれば、楽しめると思います!
『緋色の研究』はこんな人にオススメ
・シャーロック・ホームズシリーズを第一作から忠実に読み進めたい人
・犯人側の動機や物語まで楽しみたい人(楽しめる人)
『緋色の研究』をオススメできない人
・シャーロック・ホームズシリーズに求めるものが、あくまで「ホームズの活躍」の人
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