祖父母宅で起こった事件

 さっき祖父母宅で事件がおこった。
 私は今、母方の祖父母宅に来ている。この時期なので帰省だと思う人もいるかもしれないが、私が同居する父方の祖父母の家と母方の祖父母の家は歩いてわずか数分の距離にあり、母方の祖父母宅にはよく訪れる。父と母は幼馴染だったのだ。
 そういう訳でいつものように母方の祖父母宅(これからは祖父母宅と呼称)に訪れているのだが、さっきご飯を食べている時に事件が起こった。祖父、祖母、従兄弟、母、私の5人で食卓を囲んでいると、母が急に

「あっ、ネズミいる」

は?え、どういうこと?
そう思い、母が目を向ける方向へ目をやると、本当にネズミがいた。十数年の人生で生きているネズミを見たのが初だったが、ちゃんとネズミだ。かなり小さくて、そしてちゃんと写真とかで見るあのネズミだ。私はネズミがいることを見た時、瞬間的に逃げた。理由としては普通に気持ち悪かった。あと病気のウイルスとかも持ってて汚いからというのは後づけの理由だが。
 そして、再び先ほどネズミがいた壁際の床を見るとその姿はなく、ドアの隙間から姿を、消したのだった。

いやキモッッッッ

え、なんで?え、なんで家の屋根裏ならまだしも、家の中にいるの?え?なんで?ええ??

余りの衝撃に怒りでも恐怖でもない感情が起こった。一瞬でとても疲れた。
 すると祖父が、

祖父「俺が始末する」

いや、ネズミってどうやって始末すんだよ。祖父は歳のせいでボケるというよりもナチュラルに天然な人なのでたまーに変な言動や行動をする。

祖父「ネズミどこいったんだ」

母「いや、もうどっかいっちゃったでしょ。」

祖父「これで退治してやるわ」

すると祖父はハエたたきを手にとった。

いやハエたたきでネズミ死ぬかよ。そんなプラスチックのひだひだで。哺乳類を舐めるなよ。
母はハエたたきを手にとる祖父に爆笑している。
祖父の中ではハエとネズミは同じ強さのランクなんだろう。
そして祖父はもうどこかにいってしまったネズミを必死に探している。


まさか祖父がネズミよりも知能が低いだなんて。。。


そして、私は今日この家に泊まる。しかもネズミが出た部屋の隣に。布団を敷いて。恐怖でしかない。
とりあえず今からハエたたき以外の武器を探してこよう。

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