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掌編|畜生道
父母については死んでくれとしか思わない私だけどあなたには長生きして欲しい、そう思うの。だってあなたが死んでしまっては、私困ってしまうもの。
この間、鉢に植えていた葉っぱがね、ずいぶんと長い間私の目を楽しませてくれていたのだけれど醜く枯れてしまったの。だから私はすぐに庭に放り投げました。だって気持ち悪いでしょう、枯れた植物なんて。
そういえば飼い犬が死んだの。知ってる? 生きてる間の犬は従順で柔らかいのに死ぬと冷たくて硬くて邪魔臭いの。だからすぐに捨てようと思ったのだけど、犬の死骸は回収してくれないんですって。税金払ってるんだからちゃんとなさい、って私はそう言いたいの。
こんな話は嫌だった?
でも約束したでしょ、ずっと一緒にいてくれるって。
昨夜約束したものね、一緒に堕ちてくれるって。
よく考えてみてほしいのだけれど、
それ以外にあなたにどんな価値があるの?
私にはまるで見当たらない。
だから目を閉じて
ほら
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