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静岡県出身……といっても……

私は伊豆の出身。
つまり、静岡県の出身です。
上京したての頃は「~ら」をつけてしゃべっていたので、
(例:やってるら?(やってるでしょ)、違うら?(ちがうでしょ?))
すぐに「静岡でしょ?」と言い当てられる立場でした。

私の祖父母の世代では、
さらに「そうずら?」「そうだら?」などの方言がありましたが、
私の世代ではテレビの影響もあり、
「自分は標準語しゃべっている」と根拠のない自信を持っていたものです。

さて、そんな静岡県民ですが、
自己紹介などで「静岡(県)出身」とつけると、
「サッカーやってた?」「伊豆なの?じゃあ、いくらでも泳げるよね」
みたいなお言葉をいただくことが多かったです(若い頃は)。

でも、それはかなりの先入観です。
特に伊豆の人間には。

サッカーのイメージ(提供:PhotoAC th0852様)

静岡県自体は「サッカー王国」などと言われた時代がありましたが、
そうした時代であっても伊豆だけはとてもぱっとしない地域でした。
中学・高校でもサッカー部が大会でよい位置まで勝ち進むことはほぼなく、学校によってはサッカー部さえなくて
生徒の中から運動神経の良い人たちを選んで臨時チームを組み、
大会に臨む学校もあったほどでした。

野球では、日大三島や韮山こそ甲子園出場経験がありますが、
9割9分弱い地域です。

多分、県内の他地域と比べて平地がない点が大きく影響しているのかな、
と個人的には考えています。
伊豆は山から海まですぐ。
場所によっては山から断崖絶壁で海なところが多々あり、
学校のグラウンドに加えて野球やサッカーなどのスペースを確保できる学校は、伊豆の中でもごく一部だけです。

海(水泳)もそうです。
私の実家も周囲の友人宅も民宿を営む家庭が多く、
夏はその手伝いか、宿題かの二択を迫られていた子どもが多かった。

市内の海(提供:PhotoAC 中山様)

私の家も当時は民宿を経営しており、
夏休みの昼間は土日平日問わず日課が決まっている感じです。
 ・民宿の朝食の準備、配膳
 ・その片づけ
 ・毎日お寺に集まって座禅→宿題→座禅の子供会
 ・昼頃に民宿の手伝いや昼寝
 ・夕方近くにようやく時間が空く
  →でも、海は水が冷たくなっている
 ・海から戻ったお客さんのフォロー
 ・夕飯の配膳や片付け
……といった感じです。

そりゃあ、泳げませんわ。
海に行くチャンスが少ないですもん。
小学校にはプールがないんですから。

市内でさえプールや水泳教室は滅多にない時代。
まあ、個人的に泳ぐことに対して興味が薄かった点も
かなり大きな理由ですが……。


きわめて身近な話を持ち出しましたが、
要は「先入観は怖いよね」という話です。

実のところ、
私の仕事ではこの「先入観」が非常に鬼門。
著者・監修者によって「わかってる!」と思ってくれる人もいれば、
「違うでしょ」「わかった気になるな」「ガセをとばすな」
と伝えてくる人もいます。

だからこそ、わからないことはわからない、知らないことは知らない、
素直になること、正直になることが大切です。

(提供:illustAC なむなむ様)

そして、できるだけ相手の領域を実体験すること。
スポーツ系なら体験してみる、
健康系なら実践してみる、
その際の感想を伝える。
そういったことから信頼の度合いが深まるのかな、と思います。

きっとそれは私の仕事だけでなく、
プライベートの交友関係でも同じで、
欠かしてはならない「信頼要素」のひとつなのです。

これからも、〆切や時間、体調の許す限り、
そういう姿勢で臨んでいきたいものです。

【使用画像】
・Top画像:illust image様

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