会食恐怖症 ほんとどうなったの?

会食恐怖症を上回るほどの、仕事の出来なさが現在の悩みとなったという記事を書いたが、仕事については別の機会に語るとして、未解決の会食恐怖症がどうなったかということを。

↓前回
会食恐怖症〜発症から現在〜|うり (note.com)


まぁ食べる事についての現状といったところかな。

外でスイーツやドリンク、さらに食べやすい食事を1人で楽しむくらいはできるようになった。多少、症状が出るときもあるが、たいてい美味しくいただいている。店内で飲み物を飲むことさえも出来ず、食べる事を考えただけで、匂いを嗅いだだけで、激しい吐き気に襲われていた頃から見ると信じられない回復ぶりだ。ちなみにパニック障害対策に日常的にアルプラゾラムを飲んでいるので、ドーピング…ということには目を瞑ってくださいな。

何がきっかけだっただろう。

とある会社に事務庶務バイトとして入社した27歳の年。私の入社にともない新人歓迎会が開催された。これまでの私なら何とかして参加を断っただろう。何故、逃げることが出来なかったのか今では思い出せない。

私は人生初の飲み会に参加することとなったのだ。

飲み会の時間まで不安と恐怖に怯えながら過ごした。この頃はまだ薬も服用していなかったので頼れるものは何も無い状況。

不安のあまり飲み会の開始時刻に遅れての到着になってしまった。入店したのは居酒屋の個室。座席には、初めて顔を合わせる社員がほとんどだ。メンバーは中年男性ばかりだ。「道に迷った」とへらへら笑いながら遅れて登場した私を一緒に笑う大らかな社員ばかりだったことは幸いだ。

いよいよ飲み会。会食を避け続けて生きていた私は、居酒屋に入るのも初めて。いったい何年ぶりに飲食店に入ったのだろう。

座席につき、用意された食事を見る。食べられそうなものはフライドポテトくらい。ひたすらポテトを食べた。飲酒もせず、ポテトのみを食べる私を物珍しそうにする社員たち。「好き嫌いが多いけどポテトだけは大好きなんです」とごまかす私を、面白い人が入社したと笑っていた。何とか切り抜けた。逃げなかった自分を心から誇りに思った。

その後、仕事の一環として飲み会の幹事を強いられるようになった。従業員10数名の小さなこの会社では飲み会が月に3度ほど開催されていた。新人歓迎会、創立パーティ、ミーティング、季節のパーティ。何かにつけて飲み会、飲食だ。店の予約から参加者への呼びかけ、人数集計。さらには、場を盛り上げるように言われたときには、この会社に入ったことを激しく後悔した。

結局、この会社でのバイトも続かずに1年半ほどで辞めてしまった。辞めた理由は他にもいろいろとあるけれど。

この会社での出来事が数年の間、何とか膠着状態を保っていた心身が徐々に負の方向に動き出す始まりにもなった。

会食恐怖症にだけ関していえば、ある種の暴露療法にはなったのだろう。

私は食べる事と向き合わなくてはならないと感じた。

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