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人生初の裁判傍聴。

裁判ライターの普通さんの引率で、人生初の裁判傍聴をしてきました。裁判所に足を踏み入れること自体が初めてでした。ちなみに裁判はその事件の関係者でなくても、誰でも傍聴ができるものです。備忘録としてまとめておこうと思います。


<裁判ライター 普通さんとは?>

普通さんは裁判傍聴のために日本全国を旅しながら、年間1,000件の裁判を傍聴していて、地方裁判所253か所すべてに足を運んでいるという凄いお方。いい意味でクレイジー。傍聴界隈では有名なご様子です。

実は3年前に知人からの紹介で、パーソナル・プロデュースで普通さんのプロジェクトの立ち上げのお手伝いをしたのですが、「大人の人生交差点クラブ」という屋号のネーミングやブランディングを手がけてウェブサイトをつくり、noteYouTubeチャンネルを立ち上げました。

プロジェクトの立ち上げ当時は、とにかくひたすら裁判傍聴をしながら動画配信やnoteでの執筆をしていた普通さんですが、現在は弁護士ドットコムでの執筆や代理傍聴の依頼、学生を中心とした裁判傍聴の引率のオファーが舞い込むようになり、YouTubeのチャンネル登録者数も着々と増えてきていて、ますますのご活躍が楽しみになってきています。

そんな普通さんから、僕が裁判傍聴をした上で彼のYouTubeでトークしませんかというお誘いをいただきました。面白そうなので即決で快諾しました。

<僕と裁判>

これまでの人生で僕が裁判に関わったことといえば、かつてコピーライターとして働いていた会社で、グラフィックデザイナーがある写真家さんの作品を丸パクリした上に、うちの社長の謝罪の仕方があまりにも失礼で無礼だったため、写真家さんは怒り心頭に発してしまい、訴えられて裁判になったときでした。その際に、グラフィックデザイナーの制作の経緯を文章にまとめて欲しいと、ディレクターから殴り書きのようなメモを渡されて、裁判の証拠用に文面を書いたことくらいです。ちなみに僕はその仕事はまったく担当していないのですが、うちの会社でまともに文章を書けるのが僕しかいないとのことで書かされたのでした。どんな会社だよ。ちなみにその裁判の判決がどうなったのかは知りません。

あとは裁判を扱う映画を観ることもちょくちょくあります。岩下志麻と桃井かおりのバトルが大好きな「疑惑」や2023年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した「落下の解剖学」もよかったし、親権争いの「クレイマー、クレイマー」も印象的。今年観た飯塚事件のドキュメンタリー「正義の行方」は、凄いものを観てしまったという感触が強烈に残ってます。

僕にとっての裁判は、あくまでもその程度だったのです。

<傍聴当日>

傍聴の当日。実は、普通さんと直接お会いするのは初めてでした。3年越しのご対面。入り口で手荷物検査をして金属探知機を通ったら、ピーピーと音が鳴ったものの心当たりがなくてよくよく調べてもらったところ、ベルトのバックルで反応していたのでした。ゴツめなバックル。ホントお恥ずかしい。

入り口に掲出された開廷表(その日の裁判のタイムスケジュール)を見ながらも、普通さんの中ではすでにどれを傍聴するかは決めていたようで、まずは判決のみの裁判をふたつ傍聴して、その次に新規の事件を傍聴してから、もうひとつ傍聴すると伝えられました。「え?4件も傍聴するの?!」と内心驚きました。てっきりひとつの裁判をじっくり傍聴するものだと思っていたので、傍聴のハシゴだとは思っていませんでした。普通さんはかなり慣れているので、まるでフェスでいろんなステージをハシゴするかのような、もしくは病院での健康診断でいろんな科を回るような感じで、その日の傍聴スケジュールはパーフェクトに組まれてました。

まずは交通事故、そして薬物関係の判決を傍聴しました。罪を犯したこと自体はよくないですが、判決が下るのを待つ間の緊張は被告人にとって、かなり心臓に悪いと思いました。特に交通事故の件の被告人は初犯ということもあり、身なりもきちんと整えていて、とても緊張して反省しているようでした。薬物の被告人は再犯で慣れているせいか、服装はかなりラフでさほど緊張もしていなさそう。まるで近所のコンビニにでも行くような感じでした。

次に不法滞在と詐欺の外国人の新規裁判を傍聴しました。外国人の場合、通訳を介在させるという事例を目の当たりにすることができました。夢を見て日本に留学したものの、コロナ禍によって人生が狂わされてしまった被告人。ちょっと気の毒だなと思いました。

そして4件目の裁判ですが、よくよく聞いていたらテレビのニュースや週刊誌でも大きく報道されていた事件でした。傍聴人の数がかなり多めだなと思ったら、そういうことだったんですね。普通さんはそのことをまったく知らずに選んでいたそうです。被害者代理人による証言の読み上げ内容がかなり生々しくて、聞いていても辛い。被告人は終始うなだれていました。傍聴後に調べたら、確かに裁判で出てきた内容が某週刊誌のウェブにそのまんま書かれていました。次回、判決が下るそうです。かなり気になります。

今回初めての傍聴で、いきなり凄い裁判に出くわしてしまったので、また裁判所に足を運びたくなりました。ヤバい、癖になりそう。裁判傍聴にはまっている普通さんの気持ちがかなりわかりました。

<初の裁判傍聴を終えて>

4件の裁判傍聴を終えて思ったのは、本当にいい社会見学ができたなぁということ。普段の生活の中では、ピリッとした緊張感を味わうことってそうそうないし、裁判傍聴に匹敵する体験ってあまりないと思うのです。実はこの日、傍聴を終えてから映画を観に行ったのですが、傍聴の体験があまりに強烈で映画の内容が入ってこなくなったほどでした。

今のところ被告・原告を問わず、自分は裁判の当事者ではありませんが、当事者になることや証人として出廷すること、家族や知人の裁判の傍聴に出向くとか、もしくは裁判員に選ばれるなんてこともあるかもしれないし、いつどういう形で裁判に関わるかはわからないと思いました。つまり、他人事じゃないってことなんですよね。

人それぞれいろんな事情や都合、欲望がありながら、生活や人生を回しているけれど、ある日あるとき、些細なきっかけやほんのちょっとした弾みや衝動で軌道を外れてしまうとか、狂ってしまうってあり得ると思うんです。4件の被告人たちもそんな感じでした。裁判傍聴のときに目の当たりにしていることや耳にしていることによって、自分自身のことを振り返る時間になったと実感しています。

傍聴終了後、普通さんとのディスカッションで開口一番に伝えたのは、本当にいろんな人の人生が複雑に交差しているような感触があって、「大人の人生交差点クラブ」というネーミングが超マッチしているということ。いきなりの自画自賛。すみません。でも、普通さんもこのネーミングの妙を改めて褒めてくれました。ここでの交差点とは、渋谷のスクランブル交差点のイメージです。たくさんの人がそれぞれの目的地を目指して、自分の都合で行き交うあの感じ。なので、彼のウェブサイトのトップページのキーヴィジュアルとして選んだのでした。

詳しくはまた、普通さんのYouTube「裁判TV -大人の人生交差点クラブ-」にてお話しする予定です。お楽しみに。

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