21. 意識を拡げさせないプラン
1.1990年以降開始のテレビアニメ
子ども向け番組がある時期から変化をしていることに気づいておられるだろうか?
1990年前後から放送開始し、特に幼児から視聴する番組にしぼって一部を取りあげる。単発劇場映画は対象外とした。(西暦はアニメ放映の年)
・『ちびまるこちゃん』1990~
静岡県出身・作者53歳没(1965~2018.8.15)
・『忍たま乱太郎』1993~
NHKアニメ最長寿番組
・『名探偵コナン』1996~
・『ポケットモンスター』1997~
・『おじゃる丸』1998~
東京都出身・原案者48歳没(1958~2006.9.10)
・『クレヨンしんちゃん』1998~
静岡県出身・作者51歳没(1958~2009.9.11)
・『とっとこハム太郎』2000~2006
・『あたしンち』2002~2009 、2015~2016
いずれも、超長寿番組で舞台は一般家庭、テーマはごく一般的な日常生活の中の出来事、キャラクターがずっと同じ。異世界はあっても、魔法、宇宙や未来のテクノロジーに触れるテーマ、SFの要素が極端に少ない。番組の数が少なく主人公の活動範囲が狭い。今に至るまでこれらの番組が放映され続けている。
それらの不思議世界は『ドラえもん』(1973~1979~2005~)が一手に担っているが、あくまでも遠い未来の話、あり得ない夢のテクノロジーという印象を伴わせている。それ以外の特写やロボット、怪獣モノもあるが、宇宙の影はごく薄い。
ジブリ映画は未来・異世界テーマもあるが日常生活テーマが大半を占め、ディズニー映画も宇宙テーマは多くない。実写映画は『ET』以外、異星人を脅威とするテーマが主。
幼児期にこれらの番組に浸った子どもたちは、もっぱら手の届く身近な日常生活が世界だと思って育っていく。未来や広い世界を見せず、地球に閉じ込めているようなコンセプトだ。
子ども達ばかりではない。大人を地球に閉じ込めておく罠はフラットアース説(CIA発)である。地球は平面で宇宙は無い、とか。信じられないことに信者は驚くほど多い。柔軟な考え方ができない人はひっかかってしまう。
作者が若くして逝去した順は、『おじゃる丸』『クレヨンしんちゃん』『ちびまるこちゃん』。公表の死因は投身自殺、登山中の転落事故、病気。
この中には「真実」を描こうとしていた人も複数含まれるという。
加えるに、これら1990年代のテレビアニメを見て育った子どもたちは、ゆとり教育、ファミコン、ニンテンドーDS、闇側予測プログラミングを多く含む映画、例のサインをするミュージシャン、物質に興味を持たせるユーチューバーに親しんで成長した。
2.1990年以前のテレビアニメ
1990年以前のアニメは実にバラエティーに富んでいる。ここではSF、超古代、未来、宇宙、超能力、魔法をテーマとした番組(実写含む)にしぼって挙げる。
・『宇宙大作戦』(スタートレック)実写
未来、宇宙、異星人(実はWH側の善の予測プログラミング)
・『サンダーバード』人形劇
未来21世紀、宇宙にも出動する
・『鉄腕アトム』
未来21世紀のテクノロジー
・『スーパージェッター』
未来30世紀のテクノロジー
・『コメットさん』実写
宇宙から飛ばされてきた魔法使い
・『サイボーグ009』
サイボーグ、地底世界、闇の世界
・『魔法使いサリー』
魔法の国
・『ひみつのアッコちゃん』
魔法のコンパクト
・『海のトリトン』
異世界、超古代アトランティスモデル
・『バビル二世』
5000年前にバベルの塔を建造した宇宙人バビルの子孫が主人公。
・『宇宙戦艦ヤマト』
未来2199年、宇宙、異星人
・『キャプテンハーロック』
未来2977年、宇宙、異星人
・『未来少年コナン』
2008年の最終戦争後の未来2028年が舞台
・『銀河鉄道999』
未来2221年、宇宙、異星人、機械の身体
・『キャプテンフューチャー』
未来2015年、宇宙、異星人
・『うる星やつら』
宇宙人
・『ドラゴンボール』
異世界
他に、日常生活を描いた『おそ松くん』『サザエさん』『巨人の星』『天才バカボン』『ど根性ガエル』『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』などがあるし、『ゲゲゲの鬼太郎』『妖怪人間ベム』『デビルマン』など異世界、『仮面ライダー』『科学忍者隊ガッチャマン』『マジンガーZ』『機械戦士ガンダム』など特撮モノ、ロボットモノも流行った。挙げたらキリがないほど多くの子ども向け番組が放映されていた。
テレビっ子という呼称もこの頃生まれた。様々なテレビ番組が日々放映される一方、習い事、宿題に追われ、結構忙しい毎日である。テレビゲーム、スマホ、SNSが存在しない時代、大部分の子ども達はテレビの前で過ごす時間が長かった。
確かにテレビ漬けのプランと思われるが、まだ1990年以前には多くの選択肢があった。日常生活、異世界、超古代、未来、宇宙、魔法、超能力。アラカルトな世界の情報が入ってくる。まだ見ぬ世界を思い描くという豊かな「想像力」も鍛えられたと思う。
残酷なシーンも多い『デビルマン』、最近、宇宙人図鑑にそっくりな容貌を発見した。これも一種のディスクロージャーなのかもしれないが。
ところが、1990年代以降のアニメは先述したように、テーマが日常生活に集中している。これでは未来、宇宙、異星人に対する免疫が少ないかもしれない。何と言っても子どもの頃から馴染んでいないのである。限られた番組の中でおなじみの親しみやすいキャラクターに触れているばかりであった。
そういったプランなのだろう。テレビアニメを少々見渡すだけでも意図は見えてくる。意識を地球に閉じ込め、地球の中だけで完結させる。意識を拡げさせないプラン。
無限の宇宙、すでにある素晴らしいテクノロジー、人間の潜在力、超能力、意識の力を知られては困るのである。
新しい世界が始まれば、染みついた価値観、信じていた世界が一気に破壊されることになる。真実の広い世界を描いたわかりやすく美しいアニメや映画が製作されることを期待する。
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