怪々珍聞

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怪々珍聞

うらめしや~ 怪談好きの怪談好きによる怪談好きのための、怪談分析アカウントです!! ▷ただ怪談を娯楽・恐怖の対象として受容するだけでなく、その背景にある人々の心性やものの捉え方を覗きみるため、怪談をやや詳細に分析します!

最近の記事

【怪談】怪々珍聞⑥ーおわりに

 さて、これまで長々と語ってきた怪々珍聞と銘打って始めたこの企画も一時お別れの時がやってきました。  この企画は、怪談が好きで、単に娯楽として楽しんでいる私が、今と昔の怪談を比較するとどの様な共通点や相違点があるんだろうという一つの興味から始まりました。そうして私個人の興味の赴くままに怪談について調べてみると、一見あまり共通点がなさそうな現代と過去の怪談の間にも、話型や妖怪たちが登場する時や場所などの要素において共通点があることを見出すことができました。また、そういった共通点

    • 【怪談】怪々珍聞⑤ー怪異の発生する「場所」

       前回、怪異の発生する要素の一つとして「時間」を挙げましたが、次に「場所」について、かつての怪談と現在の怪談で共通する点はあるのかについて考えていきたいと思います。    怪異が発生する場所は怪談によって異なります。近代以前の日本であれば、深い山奥で山姥に襲われただとか、水辺を通っていると河童に川へ引きずり込まれたなど。そして現代であれば深夜の学校の音楽室でピアノがひとりでに鳴るといった話や、心霊スポットのトンネルを車で通ったら赤い手形があちこちについていた話など様々です。も

      • 【怪談】怪々珍聞④ー怪異の発生する「時」

         さて、これまで主に近世と現代の怪談を比較して、話に出てくる人物やモノは時代によって異なる一方で、話の型は共通するものがあるということがわかりました。  ところで、今と昔の怪談で共通する要素といえば、幽霊や妖怪が登場する「時間」があります。幽霊や妖怪はたいてい暗くなった頃に現れて怪談の主人公を脅かします。白昼堂々と白装束の女性が街なかで「うらめしや~」と人を脅かす怪談はあまり想像できませんし、そういった話もあまり聞きません。大抵の怪談に登場する幽霊や妖怪は陽の光が落ち始めた黄

        • 【怪談】怪々珍聞③ー異人殺し

           続いては、「異人殺し」と言われる話型の怪談です。前回の怪談ほど有名でない可能性があるため、先に二つとも見てしまいましょう。(今回も少々長いですが、ぜひともお付き合いください…)    ◎奪った指輪(*1)  あるタクシーの運転手の話なんだけど。夜中の十二時を過ぎたから、もう   仕事やめようかと思って、車庫に帰る途中に若い女の人が立ってて。そんで、手を上げたから、車を止めたら「お願いします」って乗ったんだって。「これで最後ですよ」ということで乗せて、「どこまでですか」って

        【怪談】怪々珍聞⑥ーおわりに

          【怪談】怪々珍聞②―タクシーの怪談

           さて一つ目は、タクシーに関わる怪談です。みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。  タクシーのような移動手段を使う幽霊は、実は明治時代の新聞記事にも何度か登場します。もちろん当時、今日の私たちが想像するようなタクシーは存在していないため、ここで幽霊の使う移動手段は人力車です。では実際に、それぞれが登場する怪談を見てみましょう。(少々長い引用ですが、お付き合いください)    ◎幽霊をタクシーに乗せる(*1)  東京の青山墓地と言えば、町の内の墓地としては非常に広

          【怪談】怪々珍聞②―タクシーの怪談

          【怪談】怪々珍聞①―創刊号!!

           はじめまして!暑い日が続いていますね…  皆さんは怪談、お好きでしょうか??幽霊らしきものを見たことがある/ない、もしくは信じる/信じないとに関わらず、心霊番組や怪談を見たり聞いたりしたことが、皆さん一度はあるのではないでしょうか。こういった心霊番組や怪談に出会った時、私たちはそれを娯楽のひとつとして楽しみながら、どこか実際の暮らしと切り離せないリアリティを感じてしまう…そういった経験はありませんか(怖い夢を見たり、お風呂で後ろが気になったり、などなど)??  このnot

          【怪談】怪々珍聞①―創刊号!!