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長年やりたかった仕事の内定得るも辞退。「今がいちばん楽しくない」仕事を辞めない理由

「好きを仕事に」
「目標に向かってやりがいのある日々を」
という言葉を耳にするたび、なにか考えなければいけない気になるのは私だけでしょうか。

普段SNSや取材でキラキラした人を見すぎているからか、今回取材した仲宗根さんが「仕事、今がいちばん楽しくないですね」と理事長の前で(!)さらりと言う姿に面食らいました。

さらっとモチベーションの低い言葉を使っても、なぜか嫌な感じがしない。むしろそれが仲宗根さんの雰囲気に合っててどこか気持ちがいい。だけど実は管理職を任されている。今回はそんなギャップと不思議な魅力の持ち主、仲宗根秀康(なかそねひでやす)さんに外部広報担当・三好がお話を伺ってきました!

先輩から誘われたけど...

仲宗根さんは海邦福祉会に今年でなんと11年勤務するベテラン。現在、高志保園(入所施設)のサービス管理責任者を務めています。

入社前はタイル屋さんでバイトしていたそうで、なんとなくその姿がイメージできる体格とノリの良さが印象的です。

三好「バイトは全然印象の違う職種ですが、福祉の仕事に興味があったんですか?」

仲宗根さん「なかったです(即答)。先輩が海邦福祉会で働いてて、『8時半から17時半勤務』『カレンダー通りの休み』『障がいがある方のお世話だけど、通所施設だから楽』だけどどう?と声をかけられたのがきっかけでした。」

隆生さん「だけどその時、通所施設は募集してなかったんだよね(笑)。」

仲宗根さん「24時間体制の入所施設だけ募集してたんですよね。面接で話を聞くと、先輩から聞いた条件はひとつも当てはまりませんでした(笑)。」

三好「(笑)。どうして入社したんですか。」

仲宗根さん「ちょっと迷いましたけど、せっかく紹介してもらったし、知ってる先輩も後輩もたくさんいたので働いてみようかなって。」

三好「なるほど。支援の仕事に抵抗はありませんでした?」

仲宗根さん「ありました。めちゃくちゃ。入ってみてきついなとも思いました。だけど知ってる先輩後輩が結構いたので、1か月は頑張ろうと。」

三好「からの11年。」

仲宗根さん「頑張ってるうちに、昔から知ってる先輩や後輩がやってるんだから俺もできるだろと。で、そのまま続いてます。」

三好「そういうパターンもあるんですね!」

隆生さん「紹介した先輩は2年くらいで辞めてたな(笑)。」

仲宗根さん「でしたね(笑)。その頃にはもう『紹介だから辞められない』って感覚はなくなってました。むしろ辞めた先輩がやってたヘルパーに興味があったので、ポジションが空いたなって。」

三好「ヘルパーをやりたかったんですか?」

仲宗根さん「はい。ヘルパーだと基本1対1なので、手厚い支援ができるんですよ。プールや温泉に連れていくこともできるので、利用者さんがやりたいことを一緒にできるのがいいなって。」

三好「ヘルパーにはなれたんですか?」

仲宗根さん「なれました。資格もとって。」

三好「なってみてどうでしたか?」

仲宗根さん「楽しかったですよ。基本的に利用者の自宅にひとりで行って、炊事や洗濯などの家事手伝いをするんですけど、外出補助もあるので映画を観たり、温泉やプールに行くこともあったりして。」

三好「映画!いいですね。」

仲宗根さん「いいですよね。一度、同じ映画のタイトルを週に5本観たことがあって、その時はちょっと辛かったですけどね(笑)。」

三好「週に5本はやばい!寝ますね。」

仲宗根さん「一番眠かったのは、スヌーピーの映画です。スヌーピーって喋らないんですよ。だから足音や物音だけで物語が進むんですけど、これがめちゃくちゃ眠くて(笑)。」

隆生さん「(爆笑!)スヌーピーやばいな!」

実は去年、辞めかけました。

隆生さん「去年の12月、辞めそうだったよね。」

三好「最近!何があったんですか?」

仲宗根さん「実は以前から基地で働くことに興味があったんです。去年、軍雇用の試験があることを知り、受けてみようと思って。」

隆生さん「最初恵さんに伝えて、その後僕に言ってくれたんだよね。」

三好「なんて伝えたんですか?」

仲宗根さん「ずっとやりたい仕事が募集しているので、万が一受かった場合、そっちに転職してもいいですかと相談しました。」

三好「隆生さんはそれを聞いて、なんて言ったんですか?」

隆生さん「頑張れ。しか言えないよねぇ。あとは言ってくれてありがとうって。こういうのって事後報告で『受かりました、辞めます』もアリでしょ。でも受ける前に相談してくれたのは有難いよね。ちなみに恵さんに相談したとき、なんて言われたか覚えてる?」

仲宗根さん「覚えてないっす。」

隆生さん「『落ちればいいのに。』」

仲宗根さん・三好「(爆笑!!)」

試験に受かるも...

三好「試験はどうでした?」

仲宗根さん「採用になりました!」

三好「(あれ?なぜここに...)」

隆生さん「ずっと採用になったこと、僕たちは知らなかったわけよ。年が明けて1月になり2月になり。あれ?こいつ何も言ってこないな?と思ってて、さすがに3月になったから聞くと『採用されたけど断りました』って(笑)。」

三好「え?どうしてですか?」

仲宗根さん「ちょうど採用の連絡をもらったとき、他部署のサービス管理責任者の退職が決まったんです。今辞めるのは不義理かなと思って、残ることにしました。」

三好「なるほど。責任感。」

仲宗根さん「お世話になったし、嫌で辞めるわけではなかったので。辞める相談をしたとき応援するって言ってもらえたのも嬉しくて、逆にこの人とまだ働きたいって気持ちが強くなったのもあります。」

三好「確かに嬉しいですよね。でもやりたかった仕事を蹴るほどなので、海邦福祉会の仕事自体にもどこか楽しさがあったりするんじゃないですか?」

仲宗根さん「いや、楽しくはないです(きっぱり)。サービス管理責任者になってからは苦手な書類仕事をやってるので、今がいちばん楽しくないですね(笑)。ヘルパー時代がいちばん楽しかったかもしれません。」

三好「やりたかった仕事の採用を蹴って、楽しくないなんて(笑)。仲宗根さんにとって仕事を選ぶ基準って、もしかして仕事そのものよりも人間関係だったりします?」

仲宗根さん「自分では意識してませんが、周りからはそう言われます。あと、楽しくはないですけど、嫌ではないんです。ヘルパーから入所施設に戻った時も、嫌だとは思いませんでした。あと隆生さんのことを尊敬してることも大きいです。」

三好「どんなところを尊敬しているんですか?」

仲宗根さん「たとえば入ったばかりの頃、僕はとにかく資格を取らなければと思っていました。だけど、隆生さんは資格はなくてもいいよと言ってくれたんです。色々経験して、利用者のためになると思ったらチャレンジしてごらんと。隆生さん自身も資格に固執せず、利用者を思いやりながら接しているので、人として凄いな、人として成長できる環境なんだなと思ったんです。」

隆生さん「自分も持ってない資格はあるけど、関わり方を考えながらやっていくことが大事だと思ってるからね。逆に僕は、頭で浮かんだことを次々とやりたくなっちゃうから、現場目線で危ういことを彼が止めてくれるので安心です。ストッパーとかではなく、『それってどうやるんですか』『こうだったらできるかもしれないです』って、具体的な落とし込み方を一緒に考えてくれるのが有難いですね。」

お話を伺いながら、仲宗根さんはとっても率直な人だなぁと思いました。嫌なことも、相手への敬意もはにかみながらストンと出す。

そして、なにより「嫌じゃないから」継続して、「嫌じゃないから」苦手な事務仕事にも挑戦する。そのことにはっとしました。モチベーションが高い人がいい仕事をするとは限らない。目の前のことを真剣にできるならば、野心があってもなくても人は必要とされ、力がつくのだなぁ。そんなことを感じました。

もうひとつ感じたことがあります。そういえば仲宗根さん、事務所にお邪魔した際、もうひとり別の男性としきりにジャンケンをしていたんです。どうやら負けたのは仲宗根さん。聞くと「このインタビューをどっちが受けるかジャンケンしてた」とのこと(笑)。そんなに嫌がらなくても!(笑)と思いつつ、なんだか学生時代みたいだなぁと微笑ましい気持ちになりました。

やるべきことはやりつつも、10代のような軽やかさで働く仲宗根さん。意欲があって、使命感があって、という働き方ももちろん素敵だけど、「好きなメンバーと学生時代のように楽しく働きたい」という働き方の選択もあっていいはず。なんとなく仲宗根さんは、プライベートも全然変わらなさそうだなぁと思いました。

海邦福祉会は現在、一緒に働くメンバーを募集しています!ご興味ある方はリクルートサイトをご覧ください。


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