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【まんが少年日々記】48話 きーもも、かんくーた【コラム】

食物、植物の懐かしいお話です。

産毛付きの桃を、沖縄ではきーもも(毛桃)と呼ばわる。

6月の中旬から7月、8月にきーもも(毛桃)が枝のそこかしこに実っているは壮観だよ。
実りの頃になると少年たちはせっせと収穫か取り入れかの様相だった。
人ん家の石垣塀やブロック塀に登り、おやつがわりの態で、もぎって食べていた。
屋敷のおじーやおばーに見つかっては、大声で叱咤される。
いっとき逃げるがまた木へ登ったり、棒で叩いたりの欲しい欲望で頭はパンパンだ。

なに「それって泥棒だ!」ってか。
そうなのよ。実る物は、収穫意欲むき出しの日々でした。
今さらながら、申し訳なかったと呵責の念がいっぱいですね。
屋敷の方々「ごめんね〜」本当に申し訳ありませんでした。

高校卒業後、専門学校へ入学のため東京へ3月末から住むようになった。
6月に、スーパーで梅を見かけた。で、小振りの梅を一袋買い求めた。
アパートの管理人のばあさんとお茶飲みながら食べよう。
と、管理部屋へ持ち込むが、なぜかしわくちゃな顔をひきつらせて大激怒。
無知をそしる説教や、いやみを言われて閉口したな〜。
ばあさんいわく、青梅は青酸を含んでいるため生で食すには危険だ。そうです。
危うく腹痛をおこすはめに。無知に生きるは恐ろしいね〜。

石垣島では、梅の実や、柿のたわわに実った光景を見れない。
東京に住み出した頃は、まったくの異邦人。
日々たまげる事が多々だったな〜。

そうそう、小学館の仕事で『ふきのとう、つくし』を描いてくれる〜と注文があった。
はて、『ふきのとう、つくし』って知らないし見た事ない。何。
ってなもんだから、南国育ちの青年を編集長は図書室へ案内する。
小学館刊行の漫画本や単行本に週刊誌、諸々の本、本、本。本の宝の空間。
他社の本もそこかしこ。すごい!のなんのと感動の硬直!。脱糞。は、無いさ〜。
静々と生物図鑑コーナーへ夢遊病のごとき体に変貌の私を案内する編集長。
微笑みながら「植物図鑑から写してね」の一言。
「はっしゃよー。でーじな本だなー」などと方言が口をつく。
意味不明な言葉の意味に聞き返すこともしないで、編集室へ引き返す編集長。
その後に下請け編集者の奥野さんが「かつみ。方言喋るとやまとんちゅうはトンチンカン」
と、社会人教育的指導多々だった。懐かしい赤面の記憶かな。
当時、小学館本館には図書室が併設されていた。
新社屋になった今もあるのかな?定かでない。
で、それ以来頻繁に図書室へ通わせてもらった。
図鑑の絵を描き写しては、アパートへ戻りせっせと作画すること度々だった。
本物を見たことが無いので、おせわになりました。拝

その後、幾年経って関心も薄れた頃だった。
初めて、本物のふきのとうが路肩に一面に群生しているのを見た。
夫婦で北海道旅行の網走近くだった。
あまりの小ささに目をしばたたせた。
群生を直近に突っ立ってガン見した。
迫ってくる妖精のような印象だったなーと、感慨深い思い出さ〜。

なに「乙女チックな表現じゃないの」ってか
幾つになっても漫画やアニメの影響ってあるのよ。
感動する気分は少年さ〜。あはははは。
 
なんやかんやと書いてしまった。
長文もここらでおひらき。
ふ〜、ではまた次回も読んでね〜。




【標準語版】は こちら
【方言・スラング版】は こちら

次の更新は 49話の標準語版 です。

初めて読む方へ → まんが少年日々記について

ブログにも掲載してます。他の漫画もあるので良かったらみてなー( ´ ▽ ` )

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