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【まんが少年日々記】1話 水牛沼のおたまじゃくし【コラム】

炎天下に小さな狩人たちは、田んぼの用水路を徘徊し何かしら獲物を物色していた。
主に、おたまじゃくし、たがめ、やご、げんごろうなどだ。
田んぼ近くには小さなた沼があった。
水牛がくつろぐ沼だ。
水牛は、水田開墾や物資運搬に一役買っていた。
沼には、捕獲対照一番の垂涎の獲物がいた。
食用がえるのおたまじゃくしが、それだ。
その姿形の巨大さには唖然呆然、気の弱い子は気味悪がり、卒倒まちがいなし。
そこらの田んぼや水辺で見かけるおたまじゃくしとは、比べ物にならないほどに巨大なのだ。
捕獲には、沼の水牛をこわがらない度胸も必要で根性肝試し的だった。

なに「なんておおげさな〜」ってか
のんきなことおっしゃるあなたは卒倒まちがいないね。

さて、水牛にさとられないように、こそっと忍び足で近づき、竿のさきっぽの輪っかに付けた網をにごった沼に沈めて引を何度か繰り返す。
おお〜。持ち上げた網を細かく揺らすと待ちに待った獲物。
食用がえるのおたまじゃくし様のおでましだ。
うち震える歓喜で小さな狩人は有頂天。
そんな満面の笑みを凍り付かせるは、くつろぎをじゃまされた水牛がはなつ渾身の鼻息だ。
あわてふためく小さな狩人たち。一目散にその場からダッシュ。

その後、小さな狩人たちが誇らしくみつめる水を入れたパイン缶詰の空き缶には、黒いダイヤモンドのごときおたまじゃくし…。

なに「どこまでもおおげさなやからだな〜」ってか
子どもたちにはそれほどに貴重さ〜。わかって。




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次の更新は 2話の標準語版 です。

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