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【まんが少年日々記】70話 イユくわーしのみみじゃー【コラム】

真夏はコンクリートの防波堤もアッチッチ。

そんな日差しにも負けずにやりたかったのが“釣り”だ。
釣りは男のロマン。わかる男はわかる。
あははは、古い言いぐさを勘弁してくんなまし。

釣りには餌だ。
これは重要。
餌になるみみずを求めて砂浜に出かける。
そして、みみずの採集に熱中する少年たちだった。
採集が、かんばしくなければ、母ちゃんのしまってある缶詰からサバ缶を失敬。
ついでにメリケン粉とお麩も持ち出して餌作りをした。

メリケン粉とサバ缶の汁を混ぜ、だんご状に小さく丸めそれを餌にする。
残ったサバ缶の汁には、お麩を漬け込んで釣りの際にそのお麩をちぎったのが餌だ。

さあ準備万端とは、このことぞ。
と、気分は大漁間違いないとニタリ顔で釣り場の防波堤へ胸を張って出発だ。
「今日は間違いなく釣れる!」妄想アドレナリンの爆発にネガティブな発想など皆無。

だったが、釣果が無いってのはどーして。
釣果ゼロの帰路は、道々に弟2人からさんざんな罵倒や嫌みを聞く。

「にいにいよー、いゆくわーすのーへったくそどー」
(兄ちゃんよ、魚釣るのへったくそじゃないのー)

「ちゃーだ。竿揺らしたりテグス巻いたり場所変えたり。じっとできないばー」
(しょっちゅう。竿揺らしたりテグス巻いたり場所変えたり。じっとできないのー)

もう、何も言い返せず呆然と無口で歩く長男の私。

なに「君はじっくり待つができないのか」
  「そんな子が忍耐の最たる釣りに挑むってどーよ」ってか。
そうね。待つが苦手な少年だったは認める。が、小さな狩人は何にせよ挑戦したいのよ。

猛暑に、海岸や砂浜は定番の涼所だったな〜。
アイスが無くても、潮風になぶられるは心地良い蓬莱の苑。
が、風が微風だと熱中症間違いない。
砂浜も焼けてサウナ状態のときもある。

なに「暑い盛りは部屋でじっとしてなよ」ってか。
クーラーの無いアナログ時代を鑑みてペシャってね。

泳いだり、海に浸かり浜風に涼を得るしやわせは最高に気分が良かった。
で、怒られるのを承知で、涼を求めに海岸や砂浜へ行く。

ふ〜、帰省の折には海岸や砂浜へ足が向く。
潮風に包まれると、うつらうつら過去との邂逅がはじまる。
中学生時代という時間に胸を小突かれて、思い出さなくてもいい次々失恋に苦笑い。誰か失恋の泣きっ面思春期をリセットしてくれ〜。

ありゃりゃ。じじむさい回顧録ふうになってきやがった。
それでは、このへんでおひらきといたしますか。

読書感謝。拝




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