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「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。」のWEB版が即死したから、書籍版を読み直すよ。まとめ(ネタバレ注意)




「即死チート」のWEB版(小説家になろう)が即死した(消えた)ことから、書籍版を読み直すことにしたわけですが、無事に14巻+後始末編まで感想を書くことができました。ということで、感想記事をまとめた記事を書きます。

1.書籍版「即死チート」感想記事まとめ

自分の記事にリンクを張るだけだと味気なさすぎるので、各巻のざっくりとした概要と、感想では書かなかった補足情報を書いてみます。

第1巻 対橘祐樹くん「支配者(ドミネーター)」編

橘祐樹くんは、即死チートされなかったら賢者になれた可能性はあったと考えています。(賢者シオンがレベル53億、賢者シロウがレベル1億だから、賢者認定としてはレベル上限突破だけでもレベル1000万くらいあれば大丈夫かな)

第2巻 剣聖の試練編

即死チート前半としては話がまとまっていて、お勧めの巻です。リックさん、テレサさん、ライニールさんといった個人的人気キャラクターが登場します。第13巻の2週目の記述から、1週目の老剣聖ウラベが、剣聖の塔から動けないことにわりとうんざりしていることが分かります。それから、賢者アオイは、書籍版をちゃんと読み直すとマジで2巻でしか働いていないので(2週目は速攻賢者の石あげちゃうし)扱いがいいのか悪いのか悩みます。お腰につけた喋る短剣の正体は、結局最後まで分かりませんでした。

第3巻 復讐の篠崎さん前編

篠崎さんは、元の世界における、高遠くんが今の人類を絶滅させてしまった場合の代替人類プロジェクトのプロトタイプなわけですが、その結果として篠崎さんは高遠くん(ΑΩ)を知覚できないという仕様になっています。(知覚できなければ攻撃することもなく、即死チートを受けないという理屈かな)とはいえ、高遠くん(ついでに言うと読者も)から見ると、篠崎さんには高遠くんがガン無視されているようにしか見えないわけで、普通に挨拶をちゃんとするとかではダメなんでしょうか。

第4巻 復讐の篠崎さん後編

復讐の篠崎さんからの魔神マナ戦までの巻です。ストーリーとしてかなりまとまりが良いこともあり、アニメ版1期が第4巻までの内容なのは納得感があります。ちなみに、2週目の記述だと、即死チート世界は魔神アルガバルマ(兄)によって1回滅んだので、大賢者ミツキがグレートリセットして、聖王に封印方法を伝えて対処させたらしいですよ。
ちなみに、神格からすると、強さ的には次の通りです。
魔神マナ(妹)>魔神アルガバルマ(兄)>女神ヴァハナト(兄嫁)
なので、高遠くんが魔神マナを即死チートしなかった場合は、即死チート世界は滅んでいた可能性は高いかなと。

第5巻 賢者の石をもらいに行こう 闘神ライザ編

高遠くん御一行による賢者の石集め編の最初が5巻です。なるほど、賢者から石を集めていくのが第2部なんだなと思わせてくれますが、実際には全然違いますけどね。
アグレッサーとしてヒルコやザクロが登場するのも5巻からになります。(ただし、ヒルコはこの時点ではまだ名乗りません)アグレッサーとしては、三大女神(UEG、ルー、アレクシア)を探しにくる部下と、賢者の石のエネルギー狙いの勢力がいる気がします。アレクシアは大賢者ミツキの秘書として別に封印されているわけではないので、部下が探しに来たりしないのではと思いますか。私の認識では、アレクシアは全てを大賢者ミツキに捧げたヤンデレなので、元の世界よりも大賢者ミツキの方が大事であり、部下がアグレッサーとして探しに来て即死チート世界に混乱が生じることで大賢者ミツキが喜ぶなら、迷うことなくそっちを選びます。なので、封印されていないとしても、自分の状況を元の世界の部下にも伝えていないし、何なら残った能力で隠しているまであるかなと。
賢者の石のエネルギー狙いの勢力だと、2巻で遭遇したロボットっぽいアグレッサーがその例ですが、ちょこちょこ出番があった割には、その背景が有耶無耶になったまま終わりました。

第6巻 賢者の石をもらいにいこう 皇帝ヨシフミ 前編

または豪華客船が沈んでたくさんの人が即死チートされたよ編です。内容は本当に酷いのですが、ストーリーとしてはかなり良くできているので、結構お勧めの巻です。
感想では、黒幕は大魔導士イゼルダですと書いてますが、これを認識しているのは読者と大賢者ミツキぐらい(こっちは多分忘れている)で、世間一般の認識では勇者ホーネットの乱心で処理されています。元の感想には一切書きませんでしたが、主神マルナリルナの悪ふざけその2柊洋介(ひいらぎようすけ)「VRPG」も同じ船に乗っていて、こっちはこっちで全方位に向けて色々と酷いです。(死因、復活方法、遊び方等々)
あとは、マニー王族で海賊のデグルさんが初登場するのもこの巻になります。デグルさんはガチで悪党の海賊なのですが、それでも両親を死に追いやったマニー王国国王(つまりリックさんの父親でエロゲ男爵の指をちょん切った人)への復讐のために船を襲っているので、今の私はマニー王国国王って結構ひどい奴だったんだなと考えています。篠崎さんによって暗殺された後、スキル無効化能力が次に強い第一王子が引き継いだはずですが。即時にクラスメート一行が国外退去を言い渡されるのも、国王が嫌われていたからと考えるとしっくりきます。

第7巻 賢者の石をもらいにいこう 皇帝ヨシフミ 中編

主神マルナリルナの消滅の流れを、少し補足します。第二王子ダリアンと柊洋介の遊びの邪魔をされてムカついたマルナリルナが、自分の信者に「能力を授けるので高遠夜霧を殺害するように」という信託を授け始めます。その中の1人が、元エント王国第二王女のビビアンで、結果的にエルフの森を目指すことになります。一方、花川大門くんもマルナリルナ信徒として、高遠くんの殺害を命じられますが、新しくもらった「何でも召喚」能力で主神マルナリルナを召喚することで、「神が人を直接あれこれするのは神界隈ではみっともないけど、召喚されてしまってあれこれするのならメンツは立つ」理論により、リルナが即死チートされます。一方で皇帝ヨシフミも面白そうなので、エルフの森に向かうことにしたのでありました。
ああ、そういえば第7巻には、女体化した花川大門くんが出てくるよ。アース・スターの特設ページでも見れるので探してみよう。

第8巻 賢者の石をもらいにいこう 皇帝ヨシフミ 後編

賢者ヨシフミは復活できているので、結局即死チートされていなかったわけですが、1週目の決着としては過去の高遠くんに向けてナイフを投げた結果、少年時代の高遠くんを守っていた妖怪の狐さんの影に返り討ちにあって賢者の石を抜き取られたということになります。影を未来に送れて賢者を返り討ちにできるぐらいなので、妖怪の狐さんが天盤級だとすると、研究所とか機関よりも強いかもしれないなと思いました。私は研究所は、組織としては賢者級がいいところかなあと考えているので。

第9巻 超天盤級3強の封印が解かれたよ編

UEGの部下であるザクロは、理知的な神なのですが、彼が鳳春人くんに「心を読まないのですか」と聞かれて、「読むのは簡単だけど、読むのは失礼だろう。」と答えています。そして、重要なのはこれは別にザクロの個人的な考えと言うわけではなく、UEG管轄下の天盤では、内心に踏み込むのは失礼だから基本的にやらないことらしいのです。つまり、UEGの基本方針というわけですね。UEGがアホの子なのは言うまでもないのですが、このあたり為政者としては相当にまともなのではと思わせるところです。主神マルナリルナなんかは、信者の気持ちなんて本人の同意なく読みまくりますしね。
ちなみに、UEGの復活の詳細としては、UEGはエント帝国の地下に2つに分割されて封印されていたのですが、マルナリルナが両方消滅することで活性化し、両者が共食いによって1つにまとまった後、女神の形態をとりました。
うーん、多分アニメ2期があるなら、とりあえずはここまでかなあ。UEGとルーが復活したところで、3期に続くのがいいと思います。

第10巻 UEG大暴れ 前編

即死チートという作品を、能力者バトルとしてみた場合、UEGはほぼ無敵で、相手になるのは同系統の能力でより高出力な大賢者ミツキか、高遠くん(即死チート)しかいません。というわけで、10巻及び11巻ではUEGが即死チート世界の実力者相手に無双しまくるわけですが、無双した相手の中で一番強かったのは誰かというと、クソゲー第一弾「ペルム大陸陣地取りゲーム」の4陣営の1つであるスローライフ同盟の同盟員であるハカマダトーイチローです。トーイチローはUEGの強そうアンテナに引っ掛かった結果、勝負を挑まれ戦うことになったのですが、結果として複数の並行宇宙を何回も滅亡させる大怪獣バトルを繰り広げ、最後は消滅強度差を見せつけられて消滅しました。「ペルム大陸陣地取りゲーム」に関しては、トーイチローがやる気になれば、ゲームルールを含めて余裕で終わらせることができたと思いますが、スローライフ同盟員ということで、やる気がありませんでした。
今から振り返ると、「ペルム大陸陣地取りゲーム」は、賢者ヴァンが即死チート世界における規格外(天盤級以上)の強者を隔離するために用意した舞台だと思います。賢者として表舞台に立たせるには強すぎるので、他の賢者とのバランスが悪くなりますし、アグレッサーにも楽勝になってしまうので大賢者ミツキの求めるイベントも発生しにくくなってしまうので。でもまあ、それはそれとしてクソゲーなのは間違いないですけど。

第11巻 UEG大暴れ 後編

「ペルム大陸陣取りゲーム」では、セイラと呼ばれるスライム状の感染生物が蔓延しており、これに感染すると常時飢餓感に苛まされるまま不老不死に変化します。これは、賢者レインの妹のセイラ(天堂聖羅)がUEGの置き土産に感染した結果変化したものです。1週目は、とりあえずペルム大陸内だけに留まっています。賢者レインの転生体であるリズリーが高遠くんに殺害を依頼したのはこのセイラのことで、1週目は結局UEGが眷属として回収したのですが、2週目は賢者ヴァンが「ペルム大陸陣取りゲーム」を中止して「地底クエスト」に切り替えた結果、セイラが世界中にばらまかれることとなりました。

第12巻 「地底クエスト」攻略 前編

そういえば、私の中で賢者シオンが何歳か問題というのがあったのですが、これも書籍版ではちゃんと回答が書かれているんですよね。まず、見た目の年齢については、本人が大学卒業後の新卒入社時に転移したと言っているので、22、23歳です。さらに転移した時間は、元の世界基準で高遠くんの2年前でした。
即死チート世界で何年生きているかですが、賢者シオンはレベル53億なので、1秒ごとにレベルが1上がると仮定すると、約168年になります。設定年齢22、23歳の服装が、魔法少女風なのは、まあ賢者シオンの趣味でしょう。
賢者シオンと従者ヨウイチが、即死チートという作品では珍しいカップルだと思うのですが、上記の設定を踏まえると、二人は転移前の大学時代から付き合っていた関係かなと思いました。そして、色々あって賢者シオンとその従者ヨウイチとなって今に至ると。

第13巻 「地底クエスト」攻略 中編

三田村重人くんが鳳春人くんと一緒に、高遠くんを倒すのは無理だよねーと諦めるなかで、クラスメートの敵討ちとして立ち上がった秋野蒼空さんですが、最終的には賢者ヨシフミに殺害されます。秋野蒼空さんの能力「アイドル」は、自身のファンをどこからともなく召喚して自爆特攻させるというものなのですが、そのファンの中に花川大門くんが含まれていて、高遠くんに自爆特攻させられそうになった結果、花川大門くんが大賢者ミツキからおまけでもらった能力「キズナカウンター」が発動し、この場合は賢者ヨシフミが助けに来てくれたというわけです。
このあたりは、藤孝先生の花川大門くんは絶対に殺させないし、ひどい目に合わせるゾ、という鉄の意思を感じさせる超強引な展開だと読んでいて思いました。

第14巻 「地底クエスト」攻略 後編

書籍版で最後まで読み返して思うのが、この作品は能力者バトルではなくて、人間関係の物語だなということです。正直、能力者バトルとしては、UEG無双がその回答で、「強い能力って何ですか?」に対しては「UEGです」と答えておけば大体正解なわけです。そして、UEGよりも強い大賢者ミツキあたりの関係性は、男女関係のドロドロが全てなわけで、能力は全然関係なくなってきます。
そして、全てを即死チートさせる高遠くんですが、彼は元の世界に帰れるなら何でもよいわけで、即死チートは手段でしかありません。ただまあ、今から振り返ると、鳳春人くん「相談役(コンサルタント)」みたいな情報系能力者がいたら、流石にここまでグダグダした旅路にはならなかったかなとは思いますけど。このあたりも、第1巻でクラスメートとの信頼関係が構築できなかったとか、花川くん御一行に襲われたといった結果なので、まあ仕方がないかもしれません。
最後から振り返ると、即死チート世界は元の世界よりも天盤の海としては深いところにあるので、転移は簡単だけど戻るのは大変みたいな設定も、最後まで活用されていて、他の天盤の強者が自然と落ちてくる先が、即死チート世界なので、大賢者ミツキが暇つぶしにそういう強者を拾っていたとか、後付け設定だと思うのですが、整合性はとれてると思います。
アニメ3期ってもはや20年後とかそういうレベルになりそうで恐ろしいですが、やるなら10巻から14巻のクソゲー第一弾、グレートリセット挟んでクソゲー第二弾で完結までやるのが良いでしょう。できれば、その際は三大女神のドロドロエピソード追加をお願いします。

後始末編 色々あって元の世界に帰ってきました編

壇ノ浦流は、即死チートと同じぐらい、設定上わりとなんでもありの流派なわけですが、後始末編では本編に全く出てこない、壇ノ浦友千佳さんのお姉さんが普通に登場してきます。お姉さんは、背後霊の壇ノ浦もこもこさんにそっくりと言われるだけあって、美少女では全然ないのですが、壇ノ浦流は友千佳さんよりも学んでいて、普通に強いわけです。そして、姉妹仲良く壇ノ浦流の改良に勤しんでいるわけです。
壇ノ浦もこもこさんは、お姉さんは、壇ノ浦流の継承者ではないと何度か言っているのですが、後始末編を読む限り、実力や奥義の皆伝という視点からは、何か問題があるようには見えません。
壇ノ浦流は、祖父(実力者)、父(実力者)、兄(実力者)と男衆も、みな強いのですが、金回りでは祖母や母に頭が上がらない描写があるので、女系が継承する流派の可能性は結構あります。そして、妹の友千佳さんの方が正当継承者なのは、現代風美少女だからというのは、私の中では結構ありそうな理由です。(壇ノ浦流なら、家を継ぐために有利な容姿すら流儀に取り込みそうだから)
壇ノ浦友千佳さんは、美少女でヒロインなのは間違いないのですが、私の中では「普通の女の子」では絶対に無くて、壇ノ浦流が改良し続けてきた、最新最強のサラブレッドと言った印象です。高遠くんが目立つから目立たないだけで、クラスメートの中でも壇ノ浦友千佳さんは、十分にヤバい方だと思います。

なんか、ちょこっと補足内容を書くだけで終わらせようと思ったら、結構がっつり書いてしまいました。即死チートは、コミック版なら後10年、アニメを含めれば20年は余裕で楽しめる作品だと思うので、アニメで続きが気になった人は、ぜひとも書籍版に手を出しましょう。

それでは、ごきげんよう。

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