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それでも祈った / ぼくのヒプノセラピー体験


 初めてアメリカを訪れてから、なぜだかインディアンのことばかり考えている。
なんとなく惹かれて買ってそのまま放置してた古本も、ふと思い出して開いてみたらインディアンについて書かれた本だった(そんなことも知らずにその本を買っていた)。アメリカに行ったことで、僕の中のインディアンの頃の過去世が目覚めたのかもしれない。そんなことを思う。僕はすぐにヒプノセラピー(過去世ヴィジョンワーク)のセッションを予約した。きっと、僕がインディアンだった頃の記憶が、今の自分に必要なんだ。そうやって、僕の中の僕たちは、いつだって影響し合っている。

 セッションの当日、ヒプノセラピストさんの誘導で徐々に覚醒状態へと導かれる。朦朧とした感覚のなか、僕はうっすらと情景を掴んでいく(ヒプノセラピー中のヴィジョンは、「見える」より「掴む」という言葉の方がしっくりくる)。そこには1人の町医者がいた。ハーブや薬草や野菜や果物で人々を治癒する医者だった。自宅で家族の協力のもと、患者さんは後を絶たない。あ、これが僕なんだ、とわかった(ちなみに、その当時の彼の息子が久嶋くんだというのもわかった)。過去世の僕も、今とあまり変わらない生活をしていた。淡々と役目を果たし、家族にも恵まれ、とても幸せそうに見えた。
 ふと場面が切り変わる。長老のような風貌の白くて長い髭を蓄えたおじいさんが後ろ手に縛られ、白人の兵隊に銃(?)のようなものを突き付けられているシーン。このおじいさんは、過去世の僕の師匠だった。メディスンマン(ハーブや祈りによって儀式を司る人)でもあった彼が、白人の侵略者に捕らえられ、今まさに最期の時を迎える、そんな場面のようだった。それだけ彼は「重要人物」だったのだろう。なぜそこに居合わせているのかはわからないが、僕(過去世の僕)はその様子を為す術もなく呆然と眺めていた。そして、その師匠は僕に向かって遺言めいた言葉をかけた。

「彼らを憎んではいけないよ。
この行為も憎んではいけない。
私が決めてきたことだから。
生まれる前に私が自分で決めてきたことなのだよ。
彼らも決めてきたのだ。
全て完璧なのだ。
神はどこかにいるのではない。
この空も、風も、大地も、海も、
動物も、魚も、昆虫も、
私も、お前も、彼らも、
この銃も、武器も、何もかも、
全てが神なんだよ。
そこに気づかなければいけない。
憎んではいけない。全ては神の行いなのだから。
祝福しなさい」

 そう言い終えた瞬間、彼は撃たれた。僕は彼の最期の言葉を受けて、全てが滞りなく終えられた事を神に感謝した。彼が殺された目の前で、彼の亡骸の前で、僕は何度も何度も、祝福の言葉を唱え、唄い、祈りを捧げつづけた。
 そこで、ヴィジョンが途切れた。あぁ、今日はなんとすごい日だろう。このたった数十分の体験の中に、この宇宙で1番大切なことがあった。僕は、このメディスンマンの遺言を人々に伝えるために生きているのかもしれない。僕も、彼のように立派なメディスンマンになろう。全てを祝福する存在として。そう誓った。その日は新月の前日。アメリカから帰国後、ちょうど1ヶ月が過ぎた頃のこと。


2015. Feb
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