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記者が挑んだ あばら家リフォーム【10】ヒートショック対策

風呂場はタイル張り

「バチン」という大きな音がしたと思ったら、2歳の娘が大声で泣きだしました。

2020年8月、その日のリフォーム作業を終え、あばら家で風呂に入っていた時のこと。髪を洗うために目を離した瞬間でした。泡まみれで目を開けると、娘は洗い場の床で滑って転び、お尻か背中を打ち付けたようでした。

1973年完成のあばら家の風呂は、昔ながらのタイル張りです。塗れるとつるつると滑る、今では危険極まりない造り。それでも使えないほどではないので、外壁(第3話参照)や屋根(第6話参照)、庭(第8話参照)を優先し、そのままにしていました。

足を乗せると「ひぃっ」

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ただ、9月、10月と季節が巡るにつれ、「やっぱり使えないわ、これ」という気持ちが強くなっていきました。11月にもなるとタイルが冷たいのなんの。足を乗せると「ひぃっ」と声が出るほどでした。冷静に振り返れば、11月でもこうした状態なのですから、年末年始に配管が凍結破損した(第9話参照)のも当然でした。

あばら家の所有者である母親は70代。ヒートショックが気になるところです。庭のコンクリート舗装が終わった2021年3月、対策に乗り出しました。

風呂場用シートを購入

以前、高齢者施設の取材をしたことがあります。あらゆる所に手すりを付け、段差もなくしているのはもちろん、風呂場の使い勝手も考え抜かれていました。もともとはタイル張りだったそうですが、転倒の原因につながるとしてリフォーム。予算的に余裕がないので、専用のシートを買ってきて職員さんが貼ったそうです。俗に言う「ソフトからり床」で、水はけが良くて弾力もあり、滑りません。お風呂場用のゴムマットが全体に敷いてあるイメージでした。

インターネットのショッピングサイトを見ると、こうしたシートの相場は幅1820ミリの物で長さ100ミリごとに1000円弱。洗い場が2メートル四方だとすると、2万円ほどで買える計算です。ウチのあばら家の場合、接着剤とコーキング材を合わせても1万5000円ほどで済みました。

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材料がそろったところでリフォームのスタートです。まずタイルの上にこびり付いた汚れを落としたら、洗い場の形に沿ってシートをカットしていきます。この時、四方の壁との間に1センチ弱の隙間を空けるのがこつです。ホームセンターで売っているタイル用接着剤をシートの裏側に塗り、貼り付けたら、この日は終了。接着剤が乾くまで待ちます。

コーキング材にゅるにゅる

次の作業日、シートと壁の間に空けた隙間にコーキング材を注入していきます。固まるとゴムのようになる資材で、風呂の水がシートの下に入るのを防ぎます。隙間の両脇にマスキングテープを貼ったら、コーキング材を専用機材にセットし、にゅるにゅると押しだします。四辺全てに詰め、はけでならしたら、2日目も終了。コーキング材が固まるのを待ちます。

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さて、3日目、最終日です。マスキングテープをはがした上で、それでもはみ出てしまったコーキング材をカッターで切っていきます。小学校の頃、消しゴムをカッターで切ったことがあるでしょうか。手触りで言うと、あんな感じです。地味な作業ですが、切り口がきれいに仕上がると思わずにやりとしてしまいます。

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3日間の改装作業完了!

3日間にわたった風呂場改装も、これで完了。ものはついでだと、シャワーヘッドとホースも交換。それなりに格好が付きました。

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早速、娘と風呂に入りました。グリップの効いた洗い場は不注意な幼児が歩いても全く滑りませんし、水漏れもないようです。一安心したところで、ふと考えました。

「この子はあと何年、一緒に風呂に入ってくれるかなあ」


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