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記者が挑んだ あばら家リフォーム【9】氷点下18度の猛威

「玄関から外に水があふれ出ていますよ!」

2021年1月、あばら家のある地域一帯を管理している会社から連絡がありました。え? 水? 玄関ドアの下から庭の方に水が漏れ出していて、従業員の方が通り掛かった際に見つけて電話してくれたそうです。

管理会社は町役場にも連絡してくれ、とりあえず外部の元栓を閉めて水道を止めてもらいました。あばら家は温泉地にあるので、温泉水も引かれています。こちらも水道同様、大量に漏れ出していたそうです。

配管凍結、破裂が悲劇招く

あばら家がある山あいはこの年末年始、氷点下18度まで気温が下がった日があったそうです。おそらくその日に水回りが全体的に凍結。膨張した氷が配管を破裂させ、大量の漏水を招いたのだろうという見立てでした。

初任地の岩手県で、「本州一の極寒の地」とされる盛岡市藪川の岩洞湖でワカサギ釣りを取材したことがあります。1988年2月に氷点下27・6度を観測した場所で、泊まり込んで明け方にバラを砕いたり、バナナで釘打ちをしたりしました。氷点下20度前後とは、そうした世界です。甘く見ていました。真冬の蔵王山麓の寒さ。

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暖かい日が続き油断

実は、リフォームは2020年11月上旬からお休みしていました。次女が12月上旬に生まれる予定だったので遠出を控えていて、生まれた後も育児休業を取って家事を担っていたからです。11月上旬はまだ暖かい日もあったから寒さ対策にまで頭が回らず、年明け早々、寒冷地の洗礼を浴びることになってしまいました。

あばら家へ急行し、玄関を開けると惨状が広がっていました。入ってすぐのリビングは床を張り替えたばかりだったのに(第1話参照)、床上1センチまで水がたまっていました。台所や洗面所の蛇口から噴き出したようです。便器から水が吹き上がったのか、トイレ(第2話参照)も壁まで水浸しでした。

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その日は水拭きだけをして帰宅。後日、トイレメーカーさんに見てもらったところ、水抜きをしていなかったので配管から流れてきた水がたまる部位が凍結し、ひび割れができていたそうです。水道業者さんにも来てもらい、蛇口のパッキンを修理してもらいました。

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上水道が終わると、続いては温泉水です。あばら家は地中に埋めたパイプで温泉水を引き込み、給湯器で加熱してから宅内にある風呂にためる仕組みです。地中のパイプは外気の影響をさほど受けないので給湯器回りが原因だろうということになり、メーカーに修理を依頼。すると、やはり給湯器の内部で温泉水が凍ったようで、部品が壊れてしまっていました。給湯器からあばら家に温泉水を引き込む配管も、外気にさらされているので凍結破損していることが分かり、水道業者さんに再度お願いし、こちらも直してもらいました。

業者さんの苦言、骨身にしみる

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「今の給湯器は電気で配管を保温しているから、ブレーカー落としちゃ駄目なのさ」

築50年のあばら家は以前、旧式の灯油ボイラーでした。普段は人がいない場所なので、帰宅時にブレーカーを落とす習慣があって、それが遠因になったようです。水道、温泉使用料に加え、トイレや給湯器、配管の修理費も上乗せになり、業者さんの苦言が骨身に染みました。

請求額はトータルで軽自動車1台分。冬山の授業料はとても高価なのでした…。(生活文化部・桜田賢一)

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