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白ひげのおじいさんと ながれ星

空の高い高い、うんと高いところから ふってきたながれ星。
地きゅうに来た ながれ星たちは、ふかい谷のそこに おりたつ。
ほとんどしられていない谷のばしょ。しっているのは、谷のちかくにすむ 白ひげのおじいさんだけ かもしれない。

小さな村の 村はずれにすむ、白ひげのおじいさんは、しゅうにいちど 家からほどちかい 谷のそこで ひとつ星をひろう。それをもって 村へ行き、パンやチーズ、それにお肉なんかと こうかんしてもらうのだ。星ひとつで 1しゅうかんぶんか、それいじょう、なんといったって、空からふってきた ながれ星だ。地きゅうでは なかなか手に入らない。

今日も 白ひげのおじいさんは、なじみのお店に 星をひとつもって やってくる。しかし、ざんねんなことに お店は、おやすみだった。白ひげじいさんは、こまってしまう。もう、おじいさんの家には、パンもミルクも 何にもない。しかたなく、おじいさんは べつのお店を さがすことにした。

つえをつきつき たくさんあるいて、やっとみつけたお店やさん。でっぷりとふとった おじさんがいとなむ、いつものお店よりも、ちょっと大きなお店だ。

白ひげのおじいさんは パンとミルク、ほかにもいろいろ、かごに入れてもらう。そして お金のかわりに 星をわたそうとしたのだけれど、おじさんはひとこと、「このくすんだ色の石はなんだ?お金をはらってくれなきゃ
店のものは うれないね」と言った。

「これは 空からふってきた ながれ星。1しゅうかんぶんの 食べものよりも きちょうなものだよ」とおじいさんが こたえたけれども、でっぷりした お店のおじさんは、「こんな石ころが きちょうなわけが ないだろう!お金をはらってくれ!」とぷんぷん おこりはじめてしまう。白ひげのおじいさん こんどこそ こまりはててしまう。そこに めがねをかけた おばあさんが とことことやってきて、「ちょっと それをみせて いただけるかしら?」と言った。ぷりぷりおこるおじさんから 星をうけとると めがねのおばあさんは じっくり星を見はじめる。

「この星、わたくしにくださいな。そのかわり、おじいさんのぶんは わたくしが お金を出します」と言った。

ぶじに パンやミルクを手に入れて、ほくほくがおの 白ひげのおじいさん、めがねのおばあさんに、「ありがとう。おかげで こんしゅうの 食べものを ぶじに手に入れることが できました。ほんとうに どうもありがとう」と言った。

めがねのおばあさんは、星を手にのせて、「この星は どこで手に入れたの?」と 白ひげのおじいさんにきく。すると、おじいさんは こうこたえる。

「それは ないしょなのです。星たちとの やくそくですから」

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